命に関わる病気につながる生活習慣病
気になる症状は早めに受診を
小田内科 循環器内科
(西宮市/西宮北口駅)
最終更新日:2024/06/13
- 保険診療
健康診断で数値の異常などを指摘されても、症状がなければ受診をためらってしまう人もいるのではないだろうか。しかし、「生活習慣病の一番の怖さは、気がつかない間に動脈硬化が進行してしまうことです。動脈硬化は命に関わる病気を引き起こします」と警鐘を鳴らすのは、「小田内科 循環器内科」の小田成彦(しげひこ)院長。食生活の乱れや運動不足が主な原因となる生活習慣病だからこそ、日頃から生活習慣を整えていくことが大切なのだとか。そのためには、定期的な通院や検査も欠かせないという。今回、生活習慣病の原因や危険性、治療方法などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年5月13日)
目次
食事指導・運動指導・薬物療法が基本となる生活習慣病の診療。定期的な通院で、いつまでも健康な体をめざす
- Qよく耳にする生活習慣病とは、具体的にどのような病気ですか?
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A
生活習慣病とは、食生活の乱れと運動不足が主な原因となる病気の総称です。具体的には、高血圧症や糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、高尿酸血症、心筋梗塞、肝臓病、喫煙者に多い慢性閉塞性肺疾患(COPD)などが挙げられます。「生活習慣が発症の原因で、だらしない人がかかる病気」と思われがちですが、遺伝的要因で生活習慣が少し乱れただけでも病気になることはあります。生活習慣病の治療や管理は恥ずかしいことではありません。健康診断などで異常が指摘された場合は、まずは医師に相談したほうが良いでしょう。
- Q生活習慣病の原因を教えてください。
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A
生活習慣病の原因は、一つではありません。例えば、ストレスで過食になると、コレステロールの数値が上がります。コレステロールの数値が上がると、血圧が上がることで動脈硬化の恐れもあります。さらに悪くなると、血管が細くなり、心筋梗塞につながる可能性も否定できません。このように生活習慣病にはさまざまな要因がありますので、日頃から規則正しい生活を心がけて予防していくことが大切です。当院の場合、毎日の生活習慣や生活環境、ストレスの原因、遺伝などの背景からヒアリングするようにしています。
- Q生活習慣病にはどのような危険性が潜んでいますか?
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A
生活習慣病の一番の怖さは、気がつかない間に動脈硬化が進行してしまうことです。動脈硬化は痛みなどはありませんが、生命の維持に欠かせない脳や心臓、血管などに重大なダメージを与えます。そのダメージを受け続けると、ある日耐えられなくなります。血管が細くなって血流が悪くなるほか、進行すると血管が詰まって脳血管障害や脳梗塞、心筋梗塞、心不全、閉塞性動脈硬化症といった命に関わる重大な疾患を発症するリスクが高くなります。これらはたとえ命が助かったとしても、QOL(生活の質)に大きな影響を与える病気です。生活習慣病を適切にコントロールし、自分の体に不要なダメージを与えないようにすることが重要となります。
- Q治療の進め方についてお聞かせください。
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A
まず初診の際には、健康診断や日頃の血圧測定の結果など、気になるデータがあれば持参していただきます。そのデータや問診票をもとに、医師が症状や経過、お悩みや困っていることなどを問診します。診療では「食事指導・運動指導・薬物療法」の3つが基本です。患者さんの状態や動脈硬化の程度などに応じて、治療プランを組み立てていきます。当院ではなるべく患者さんの負担にならないように、減塩食レシピのパンフレットもお渡ししています。普段の食生活から気にかけていただきたいですね。また、自宅では毎日血圧を測定していただき、2~3ヵ月に1回は通院で経過を観察していくことになります。
- Q生活習慣病の予防や改善に大切なことは何でしょう?
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A
先ほどお伝えしたとおり、生活習慣病の主な原因には食生活の乱れと運動不足がありますが、ストレスも深く関わる病気です。そのため、まずはストレスをためないことが大切でしょう。ストレスがあると交感神経が優位になって血圧が上がってしまいますので、できるだけストレスを解消するように努めてください。また、禁煙や適度な運動、肥満の人は減量、脂質や塩分を控えることなども大切です。とはいえ、これらは一人で継続していくことは簡単ではありません。自分の体の変化を正しく知るためにも、定期的な通院や検査がとても大事となります。