知らない間に進行する循環器疾患
専門の医療機関で早期発見を
まつもとクリニック
(神戸市垂水区/舞子駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
高血圧や脂質異常症、糖尿病などが該当する生活習慣病。これらが進行すると、動脈硬化や虚血性心疾患、心不全といった循環器疾患に発展する可能性があるといわれているが、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行するケースも少なくないという。心臓に限らず、脳や足などの全身の血管にも影響を与えてしまうことから、早い段階で治療することが大切だ。垂水区にある「新垣クリニック」では、循環器疾患の早期発見・治療につなげるために、さまざまな検査を用意。患者の訴えをきちんと聞いた上で必要最低限の検査を行い、体への負担が少ない診療を行っている。今回は、日本循環器学会循環器専門医である松本卓也院長に、詳しい話を聞いた。
(取材日2020年11月26日)
目次
大切なのは、自覚症状がなくても体の状態を知ること。まずは気軽に相談を
- Q循環器疾患について教えてください。
-
A
▲各種検査機器も充実している
動脈硬化や虚血性心疾患、不整脈、心不全などが循環器疾患に挙げられ、これらの原因となるのが高血圧や脂質異常症といった生活習慣病です。動脈硬化になると、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患に発展してしまう可能性も。そうなると、心臓だけでなく、脳梗塞や下肢閉塞性動脈硬化症といった脳や足、全身にも影響を与えてしまいます。さらに進行すると心筋梗塞に至ることもあり、最悪の場合は命に関わります。循環器疾患を未然に防ぐためにも、まずは専門のクリニックで検査を受けていただき、ご自身の体の状態を知っていただくことが大切です。
- Qどのような症状がありますか?
-
A
▲循環器を専門とする松本院長
例えば狭心症の場合は運動時に症状が出る傾向があります。そのため、坂道や階段を登っているときなどに胸が締めつけられるような感覚になったり、重苦しさを感じたりします。狭心症が悪化すると、心筋梗塞に発展してしまう可能性もありますから、症状がある方はなるべく早く医療機関を受診していただきたいですね。また、健康診断の結果から、血圧が高い・コレステロール値が高いといった数値に表れている方も注意が必要です。自覚症状がなく、体は元気だとしても、知らない間に病気は進んでしまいます。健康診断で引っかかったり、肥満や不摂生の自覚があったりする方に関しても、循環器内科で診察を受けていただくことをお勧めします。
- Q循環器疾患を調べるための検査についてお聞かせください。
-
A
▲リラックスできる診察室
通常、全身の動脈の状態を評価するのは難しいのですが、頸動脈エコーを用いることで観察できます。頸動脈の動脈硬化が進んでいると、心臓の動脈硬化も進行しているという根拠も明らかになってきているため、まずは頸動脈を調べることが有用です。またABI検査を受けていただくことによって、足の血管状態も評価することができます。突然症状が表れる不整脈に関しては、受診時に症状が表れて心電図を測定できるとは限りません。そのためホルター心電図を活用し、心臓の動きを24時間記録します。
- Q検査を後回しにしておくと、どのようなリスクがありますか?
-
A
▲予防に力を入れる
動脈硬化や狭心症は知らないうちに進行しているケースも多いため、放っておくと心筋梗塞などの重大な病気につながるリスクがあります。治療したとしても心臓機能が低下し、心不全や不整脈を起こすリスクが高まることもあり、早い段階で検査を受けていただき、リスクを回避することは非常に大切です。また、医学の進歩により、現在は循環器疾患に対する治療の選択肢はさまざまです。早期治療を行うことで、その後の生活が楽になることが見込めたり、困っていた症状の解消につながることが期待できたり、メリットはたくさん考えられます。治療と同時に、普段から運動する習慣をつけて筋肉量を維持することも、将来の動脈硬化の予防につながります。