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実は怖い自覚症状が乏しい緑内障
「視神経乳頭陥凹拡大」とは

梶川眼科医院

(神戸市須磨区/板宿駅)

最終更新日:2022/02/21

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  • 保険診療

日本人失明原因第1位の緑内障は、ほとんど自覚症状がなくゆっくりと慢性の経過をたどる目の疾患。そのため、気がついたときにはすでに視野が欠けていることが多く、さらにそれが進行すると失明に至る。「欠けた視野は戻らないため、早期発見・早期治療で進行を遅らせていくことが緑内障診療の鍵となります」と話すのは「梶川眼科医院」の梶川大介院長。40歳以上の20人に1人が緑内障といわれている。40歳を過ぎた人、また、身内に緑内障患者がいるなど危険因子を持っている人、健康診断で「視神経乳頭陥凹(かんおう)拡大」と指摘された人は40歳前でも検査を受けてほしいと呼びかける。梶川院長に緑内障とはどのような病気か、視神経乳頭陥凹拡大とはどのような状態か、検査の流れや検査で気をつけている点など、緑内障に関する疑問を聞いた。

(取材日2022年1月20日)

早期発見・早期治療と定期検査で目を緑内障から守る。健康診断で指摘を受けた「視神経乳頭陥凹拡大」とは

Q緑内障とはどんな病気ですか?
A
1

▲緑内障は早期発見・早期治療が大切だと話す院長

何らかの原因で視神経に障害が起こり、視野が徐々に狭くなる病気です。一度失われた視野は元には戻らないため、視野を守るには適切な治療で視野障害の進行を遅らせていくしかありません。日本人には「正常眼圧緑内障」が多いのですが、眼圧の正常値は10~21mmHgと幅が広く、血圧と同様、眼圧がどのくらい上昇すると視神経や視野にダメージを及ぼすのか、そのラインには個人差があります。また、人は両目で物を見ているため片目の異常に気がつかないことがほとんどで、多くの場合は自覚症状なくゆっくりと進行します。異変に気づいて受診したときにはすでに悪化し、視野が狭くなっていることも少なくないのが緑内障の怖いところです。

Q緑内障にかかりやすい人はいますか?
A
2

▲白内障と並ぶ代表的な目の病気である緑内障

血縁者に緑内障患者さんがおられるとリスクが高くなることは知られています。また、網膜や視神経の血流が悪くなる低血圧・高血圧・糖尿病など内科的疾患や片頭痛、睡眠時無呼吸症候群などの方も緑内障になりやすいといわれています。遠視の方は、隅角(角膜と虹彩の根元が交わる部分で房水の出口)が狭いことが多いので、閉塞隅角緑内障になりやすいです。一方、度数でいうとマイナス6以上が目安の強度近視の方も要注意です。視神経の血流が悪くなり、視神経が典型的な緑内障の形状ではなく診断に迷う症例も多いです。緑内障にかかりやすい危険因子をお持ちの方は、40歳前であっても年1回は検査を受けることをお勧めします。

Q健診で「視神経乳頭陥凹拡大」と指摘されたら要注意だとか。
A
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▲緑内障診療に役立つOCT(眼底三次元画像解析)

「視神経乳頭陥凹拡大」は、簡単に言うと緑内障の疑いがあるということです。視神経乳頭には、程度の差はあれ誰でも陥凹(へこみ)があります。ところが、眼圧が高くなると視神経の繊維が少なくなり、神経層の厚みが薄くなるため、乳頭の陥凹がさらに拡大するのです。通常の陥凹は3~4割程度で、それが6~7割になると注意が必要とされています。ですが、生まれつき陥凹が大きい人もいるため、検査で生理的な陥凹か病的な陥凹かどうかを鑑別します。一度大きくなった陥凹が小さくなるということはありません。緑内障の早期発見・早期治療につなげるためにも指摘を受けたら所見に応じて6ヵ月から1年に1回は、精密検査を受けましょう。

Q検査の流れや手順を教えてください。
A
4

▲精度の高い検査をめざし、さまざまな検査機器をそろえている

一般的な眼科検査で緑内障の疑いがあれば、まずOCT(眼底三次元画像解析)を行います。検査終了後、タブレットを活用して視神経乳頭陥凹拡大についての予備知識を患者さんに得ていただきます。その上で検査の結果を説明し、網膜の神経繊維などが薄ければハンフリー静的視野検査と眼底カメラの予約を取ります。ただ、視神経乳頭の陥凹が生まれつきかどうか、視野欠損があった場合でもそれが緑内障によるものかどうかは、1回の検査では診断がつかず、年単位の経過観察が必要となる場合もあります。視野検査は、緑内障の病期に応じて4~6ヵ月ごとに行います。検査データを経時的に並べたり、グラフ化して緑内障の変化を丁寧に診ていきます。

Q検査のときに気をつけていることはありますか?
A
5

▲患者に信頼、納得してもらうことが重要になる

初めて検査を受ける患者さんは心配事も多いかと思いますが、痛みを心配する必要はないことも含め、検査内容がどういったものかを事前にお伝えし、不安の払拭に努めています。患者さんから敬遠されがちな視野検査にかかる時間は数分ですが、暗い室内で集中して行うため、疲れて途中で眠くなってしまう患者さんもおられます。スタッフがお声がけをしたり、途中で休憩を挟んだりと無理なく続けられるよう工夫しています。また、年齢や緑内障の程度に応じてプログラムを変えています。ご高齢の患者さんには、検査時間の短いプログラムで行い、標準的な視野検査では正常範囲内でも中心部分や緑内障に特化したプログラムで早期診断を心がけています。

ドクターからのメッセージ

梶川 大介院長

ご自身の症状で受診したのに、念のため検査をしたら緑内障だったというケースは少なくありません。40歳を過ぎたら1年に1回は定期検査を受け、健康診断で「視神経乳頭陥凹拡大」を指摘された方も所見に応じて半年に1回、少なくとも年1回は精密検査を受け、治療の必要があるかどうかを見極める必要があります。患者さんに検査結果を納得、理解していただくため画像を用いてわかりやすい説明を心がけています。当院での対応が困難と判断された場合には、後送病院にご紹介させていただきます。当院では、患者さんの「視力の質」を守るため親切・丁寧・笑顔をモットーに心のこもった眼科医療を提供してまいります。よろしくお願い申し上げます。

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