全国のドクター9,186人の想いを取材
クリニック・病院 158,624件の情報を掲載(2024年4月26日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 神戸市灘区
  4. 六甲駅
  5. 中迫医院
  6. 中迫 博英 院長

中迫 博英 院長の独自取材記事

中迫医院

(神戸市灘区/六甲駅)

最終更新日:2023/06/08

中迫博英院長 中迫医院 main

待合室に飾られた写真は、自らが撮影した写真だと話す「中迫医院」の中迫博英(なかさこ・ひろひで)院長。趣味のカメラを携えて、神社巡りや散策へ出向くという。春には、医院の庭に植えた200本のチューリップの花を撮影し、待合室に飾る。そんな季節の写真の話を患者とするのも楽しみの1つだ。中迫院長は、愛知県の医科大学を卒業後、地元に帰り大学病院の小児科に入局、その後、開業医であった父の後を継ぎ、生まれ育った現在の場所に医院を新築して開院。「医者はそんなに偉い存在じゃない。相手の目線になって一緒に考えて治療に取り組んでいくのが大切」と話す。患者に寄り添い、身近な相談役という立場を大切に考える医師である。専門とする小児科の医師の立場から、小児の健康と疾病予防など話を聞いた。

(取材日2023年6月2日)

父の志を継ぎ、小児科の医師として地域に根差す診療

開業までのご経歴を教えてください。

中迫博英院長 中迫医院1

小児科医として開業していた父の後を、いつか自分も継ぐのだという気持ちで、中学の頃から医師をめざしていました。愛知県の医科大学を卒業してから神戸大学の医学部小児科に入局し、そこで研修医を続けました。その後、別の病院で研修中に父が亡くなったんです。まだ自分も若かったので、父の医院を一度閉院し、小児科の医師としての経験をさらに積んでから、父が開業していたこの場所に、1989年に開業をすることとなりました。

開業当時の先生の気持ちはどのようなものでしたか?

父の医院を閉院してから数年後の開業でしたから、一からのスタートだという気合とプレッシャーでいっぱいでした。まずは、建物を建て直し、新しい医院を作りました。自分の年齢も若かったし、父という存在もすでになくなっていましたから、ひとりでやっていくんだという勇気が必要でした。自分に何ができるのだろう、という不安と、周囲から慕われていた医師の2代目が開業するというプレッシャーで、最初は怖かったのを覚えています。ただ一所懸命に自分がこれまで学んできた知識と経験をもとにして、患者さんの役に立つ治療が行えるようにと頑張ってきました。

開業から30年以上がたち、先生が感じることはどのような気持ちでしょう?

中迫博英院長 中迫医院2

今では小児の患者さんを中心に、高齢の方もたくさん来院されています。開業当時、子どもだった患者さんが自分の子どもを連れて来てくれてもいますね。長年、ここで治療してきて、地域の方の成長にふれていることができるのは、とてもうれしいことです。私がアナログ的な考えの人間だということもあって、ホームページなども作成していないのですが、クチコミで多くの患者さんが来院してくださいます。自分が信じたやり方で診療を行ってきたことが正しかったのかなと思えるのは、ありがたいことです。また、自分が患者さんと世間話をしている時などには、昔、自分が幼いときに見た、和気あいあいと当時の患者さんと談笑していた父の姿を思い出すことがあります。開業医としての長い年月を感じますね。

1つのことに特化せず、身近な相談医師としての存在

小児の患者さんを診察する上で大切に考えていることを教えてください。

中迫博英院長 中迫医院3

目線ですね。いかに上からのぞかないか。つまり、目線の高さをお子さんと合わせて話をするということを心がけています。お母さんに抱かれている子なら、自分の椅子の高さを変えて目線を合わせます。一人で座っている子なら、自分は椅子から降りますね。そうすると、子どもは怖がったり身構えたりせずに、リラックスして話をしてくれます。目の表情は、体の状態を顕著に表しますから、診察室に入ってきた子の目の様子を知ることはとても大切です。いかにこの子がつらいのか、まだ大丈夫なのかの判断は目です。熱が高いか低いかじゃなく、目の表情を見ることは小児科の医師にとって大切な判断材料なので、しっかり受け止められるようにしています。

高齢の患者さんと接する場合はいかがですか?

お年寄りは、状態によって移動することが大変な場合があります。検査をしたり、話を聞いたりする中で診察室の中を移動することが大変な方には、自分から歩み寄って診察を行うようにしています。医者は座って診断するものじゃない、という考えです。自らが患者さんの近くに行って、治療を行うというスタイルです。これは意識したことではありませんでしたが、患者さんから先代の院長先生と同じスタイルだと言われることがあるんです。だんだん、似てきたねと声をかけていただくと、とてもうれしいですね。そして、患者さんの話をしっかりと聞くというのも基本ですね。話をしている時に遮らないこと、それは患者さんの年齢に関わらず大切にしなければいけないことだと思います。

医院での治療において、大切にしていることはどのようなことですか?

中迫博英院長 中迫医院4

小児科は、小児のありとあらゆることを診察する科だと思っています。だからこそ、必要な場合には専門の医師に的確な時期に紹介し、診断をしてもらうことも大切です。各分野において優秀な専門の先生方とは、密につながっていますから、自分がやれる範囲は超えないように、無理せず専門の先生にバトンタッチするということを心がけています。だからこそ、自分は患者さんの毎日の健康管理や、かかりつけ医として身近な相談医師として、患者さんと深く関わっていきたいですね。自分は、1つのことに特化してしまわないように、患者さんの全体的な健康を細かく診ていけるようにしたいと思っています。

予防接種スケジュール指導で疾病の重症化を予防

お子さんをお持ちのお母さん方に知っていてもらいたいことはありますか?

中迫博英院長 中迫医院5

お子さんの病気というのは熱だけが重大なのではないということです。熱というのは症状の1つであって、熱がなくても実は体の不調が隠れていることがあります。発熱している場合はその原因を調べることが必要で、そこを治療しないと改善は期待できません。また、熱がないから安心というわけではないということを、お母さんに知っていてほしいと思います。そして、お母さんがお子さんに対して、いつもと様子が違うな、という直感を大切にしていただきたいと思います。少し咳をしているから、ちょっと元気がないからという相談で来院してもらっても大丈夫です。大したことはないとわかれば、親も子も安心して過ごせますからね。早く来院して良かった、これくらいで済んで良かったとなるように、早めの受診を心がけていただきたいですね。

小児の予防接種についての指導を重要に考えていらっしゃるそうですね。

いま発症している症状を治療することだけが診療ではなく、病気を予防することも診療の1つです。特に小児においては、推奨される予防接種のスケジュールがありますから、それを管理して病気を予防していくことも、かかりつけ医として必要なことだと思っています。当院では、予防接種のスケジュールを組んだ用紙をお渡しし、1つの接種が終わった時に、次の予定を伝えて確認していただいています。次はいつ頃に何の予防接種が必要なのか説明し、帰宅してからカレンダーに記入してもらえるように指導していきます。風邪などで来院された場合に、母子手帳を持っていらっしゃる方には予防接種の様子を確認しています。口うるさいくらいと思われますが、指定のスケジュールを逃すと料金が必要になりますし、接種を忘れると重症化する疾病もありますからね。予防接種で小児の病気を予防することは小児科の医師の任務だとも考えています。

これからの医院の将来について考えていらっしゃることは、どのようなことですか?

中迫博英院長 中迫医院6

これまで、電子カルテは導入してこなかったんです。それは、自分がアナログな人間でデジタルについていけなかったということもあるんですけど、コンピューターを入力しながらの診察では、子どもの目を見ることができない。目の前にいる患者さんの目を見つめて話を聞くことができないんです。だから、これからも自分の時代には電子カルテを導入することはありませんね。そして現在、私の息子も小児科において勤務医として勉強をしています。息子には、できるだけ多く患者さんの治療にあたり、人と関わり、専門的な医師からアドバイスを受けるようにという話をよくします。そしてやがて、この医院を継ぐことになるでしょう。そうなるまで、自分ができる最大限の治療を行い、患者さんに寄り添うことができるようにと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

入園前健診・健康診断/3500円~(証明書/550円)

Access