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大林 きよ子 院長、大林 倫子 副院長の独自取材記事

マツイ医院

(摂津市/正雀駅)

最終更新日:2023/03/24

大林きよ子院長、大林倫子副院長 マツイ医院 main

正雀駅から住宅街を南西へ徒歩約10分、ピンクの梅のマークが目印の「マツイ医院」はある。開院から60年あまり、3世代の女性医師が育んできた地域密着型の内科・小児科診療を行う医院だ。2代目院長の大林きよ子先生は、笑顔を絶やさず穏やかに患者と向き合う医師。長年の診療で培った患者や家族への豊富な知識と経験で、幅広い世代の健康を支え続けている。一方、2018年に副院長に就任した娘の大林倫子(おおばやし・ともこ)先生は、胃内視鏡の診療が専門。総合病院での診療経験も長く、明るく快活な口調が印象的だ。2019年春には待望の新医院へ移転。親子二人三脚で診療に取り組む2人に、大事にしている診療理念やこれからの展望について聞いた。

(取材日2019年4月20日/再取材日2023年2月20日)

医院のリニューアルを機に、胃内視鏡検査をスタート

2018年から倫子副院長が加わりました。親子二人三脚での診療はいかがですか?

大林きよ子院長、大林倫子副院長 マツイ医院1

【きよ子院長】娘のように若い医師から意見をもらい、今まで以上に治療やお薬について新しい情報を得られるようになりました。また、私は循環器内科、娘は消化器内科が専門と分野が異なることもあって、治療に対する考え方が違うので新鮮な発見もあり、良い刺激になっていますね。
【倫子副院長】ここは総合病院とは違って、患者さんとの距離が圧倒的に近いですね。患者さんだけでなく、ご家族の事情や生活環境なども見えるので、まるで家族のような気持ちになってきます。それだけに、一時的な治療ではいけないと思っています。治療の進め方やお薬の飲み方なども、患者さんの生活に取り入れやすい形で提案することを心がけています。

2019年春には新たな建物へ移転リニューアルしたそうですね。

【倫子副院長】建物がリニューアルしたことで、新しい患者さんも増えたように感じます。インターネットやSNSで検索して、ワクチン接種や検診を機に通ってくださっているようです。
【きよ子院長】新しい医院は、ゆったりとした間取りで、車いすやストレッチャーでも余裕を持って動くことができます。感染症患者専用の診療室や、車いす用トイレも設けており、安全に心地良く過ごしていただけるようになったと思います。また、娘が診療を始めた頃から、彼女の専門である胃内視鏡(胃カメラ)を導入したいと考えていましたので、内視鏡検査室も設けました。

胃内視鏡検査は、どのような思いからスタートしたのですか?

大林きよ子院長、大林倫子副院長 マツイ医院2

【倫子副院長】総合病院では「もっと早期に検査をして病気が見つかっていれば、治療も早く取りかかれたのに」と強く感じてきました。だからこそ、患者さんが通いなれた診療所やクリニックで、気軽に内視鏡検査を受けられる環境が必要だと思ったんです。当院では、患者さんの持病やご家族のがんの経歴なども参考にして、がんになる可能性が高い患者さんに無症状の段階から検査をお勧めすることができます。がんなどの病変は、早く見つけられれば1週間程度の入院期間で治療を行えます。逆に発見が遅れると、入院期間も長くなりがちです。検査には多少大変な面もありますが、早く見つけられれば完治もめざすことができるので、積極的にご案内していきたいですね。

親身な対応と幅広い診療で、地域の健康を支える

内科から小児科、皮膚科と幅広く診療されています。診療体制はどのようになっていますか?

大林きよ子院長、大林倫子副院長 マツイ医院3

【きよ子院長】内科は私と副院長、私の主人の3人で担当。小児科は大学から先生に週3回来ていただき、予約制の予防接種と乳児健診、夕方には一般の診察も行っています。また、内科・小児科ともに発熱者専用の外来を設けているほか、皮膚科の診察も行っています。この地域には皮膚科医院が少なく、お困りの方も多かったので、現在は診察を週3回に増やし専門の先生に来てもらっています。ご高齢になると皮膚のトラブルも増えるので、相談しながら診療を進められるのは心強いですね。
【倫子副院長】内科診療では、母は循環器内科と東洋医学、私は消化器系が専門ですので、患者さんの症状やご希望に応じて担当を決めます。患者さんの幅広いニーズに応えたいと化粧品のご紹介も行っています。女性医師に診てほしい、エイジングケアが気になるなど、ご希望があれば受付で気軽にご相談ください。

漢方の処方や禁煙相談などにも取り組まれていますね。

【きよ子院長】私自身が20代の頃に膀胱炎を繰り返し、母から漢方を勧められ、身をもって知りました。西洋医学のみの診療は、費用や副作用の面で患者さんの負担が大きいですが、漢方は比較的価格にも配慮されており、体質が合えば1種類から変化が期待でき、薬の量が減らせるケースも望めるなど、東洋医学と西洋医学の併用はメリットが多いと考えています。例えば、慢性的な咳やめまい、副鼻腔炎、また更年期障害、認知症での睡眠障害や興奮状態でもお勧めできます。
【倫子副院長】これからの医療は予防が非常に重要で、禁煙相談もその一つです。肺機能を測定すると、実年齢が60歳でも肺年齢は90歳と出ることもあるのです。なので、数値や画像を使って、患者さんの状態をわかりやすく示すことは大事だと考えています。またほかに、睡眠時無呼吸症候群の治療や骨粗しょう症、動脈硬化などの診断も行っています。

診療方針についてお聞かせください。

大林きよ子院長、大林倫子副院長 マツイ医院4

【きよ子院長】開業当初から現在まで、地域に根差した内科・小児科医療を掲げてきました。日々の診療では「患者さんの立場で考え、親身に対応する」ことを大事にしています。それは、私の母から受け継がれた姿勢でもありますね。母は、例えば、急変時には時間を問わず患者さんのご自宅にかけつけられるようにするなど、地域の皆さんのために尽力していました。今でも医師として尊敬できる先輩です。うれしいことに、母の代から長年にわたり親子や3世代で受診してくださる方も増えています。患者さんの家族歴を知っているので、例えば、がんや心筋梗塞、骨粗しょう症にかかったご家族がいる場合は、早期から検査や予防をお勧めするなど、リスク回避につなげられます。患者さんやご家族との密な関係は、患者さんや当院の大きな財産ですね。

“頼られるクリニック”として、進化し続けたい

総合病院との連携も大事にしているそうですね。

大林きよ子院長、大林倫子副院長 マツイ医院5

【きよ子院長】多くの総合病院と顔の見える連携関係があり、必要に応じて適切な紹介を行います。開放型登録病院については、紹介した患者さんが入院すると私たちもベッドサイドに伺います。主治医と話をして詳しい状況を確認し、退院後のフォローにつなげることができますし、患者さんも安心できると思います。
【倫子副院長】総合病院で勤務していた経験を生かして、最適なタイミングで紹介をしたいと考えています。総合病院でなければ受けられない治療は機を逃さず、逆に遠方へ通院する苦労を考えれば、当院でできる治療はしっかりとご提供したいですね。患者さんにとって何が最適なのか、適切に判断して紹介につなげたいと考えています。

お互いの長所について教えてください。

【倫子副院長】母の診察には、患者さんを安心させる力がありますね。例えば、すぐにはどうしようもない問題があっても「大丈夫」と言い切ったり、一緒に泣いて悲しんだりして、患者さんの心まで救い上げているような気がします。持って生まれた共感力で、患者さんも心を軽くして帰っていただけるのではないでしょうか。地域の方に頼りにしていただけていたら、私も誇らしいですね。
【きよ子院長】病気や薬のことなど、知識が豊富なので、医師として頼りにしています。バイタリティーにもあふれているので、治療のことだけでなく、どんどん新しいことを吸収して、医院を引っ張っていってくれるのではないかと思います。

最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

大林きよ子院長、大林倫子副院長 マツイ医院6

【倫子副院長】コロナ禍の診療では、行き届かないところも多く、ご迷惑をおかけすることもありました。それでも、スタッフのことを気遣ってくださったり、引き続き通ってくださったりする患者さんには感謝しております。ワクチン接種や胃内視鏡検査を機に、新しい患者さんも増えてきました。エコーなど先進機器の導入にも力を入れ、新しくオンライン診療も始めています。これからも地域の皆さまが健康な未来を歩めるよう力を尽くしていきたいです。
【きよ子院長】時代の変化とともに、病気の傾向や患者さんのニーズも変化します。それらに応えられる診療を、今後も続けていきます。気がかりがあれば些細なことでも本音で相談ができるかかりつけ医を持つことは大切です。いつでも頼って、ご相談にお越しください。

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