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高島 孝之 院長の独自取材記事

高島整形外科

(茨木市/南茨木駅)

最終更新日:2021/10/12

高島孝之院長 高島整形外科 main

阪急京都本線の南茨木駅から、線路沿いに南へ徒歩4分の距離に「高島整形外科」がある。リハビリテーションに重点を置いた整形外科のクリニックで、理学療法士、作業療法士、鍼灸師、柔道整復師など、さまざまな分野のスペシャリストがチームで治療やケアにあたる。院長の高島孝之先生は、スポーツ整形の分野にも詳しいため、スポーツをする人たちが多く利用している点も大きな特色といえるだろう。元の状態に戻すだけでなく、元の状態よりも機能を向上させることをめざすクリニックのポリシーなどについて、高島院長に話を聞いた。

(取材日2021年4月10日)

リハビリテーションを中心に据えた治療ケアを実践

医師を志した理由を教えてください。

高島孝之院長 高島整形外科1

心臓外科の医師だった叔父の働きぶりを見て憧れたのがきっかけです。叔父には医師としての姿勢を「鬼手仏心(きしゅぶっしん)」という言葉で教えてもらうなどして感銘を受けました。実は私の生家は250年ほど続く酒造業を営んでおり、私は長男だったので、父は私に後を継がせようと考えていたのです。そのため、東京の大学はだめ、国公立大学であること、浪人はだめなど、いろいろな条件を出されて、茨木の自宅から通える神戸大学へ進みました。最終的に家業は継いだのですが、杜氏さんの確保などが難しく、現在はお酒を造っていない状態です。

整形外科を選ばれたのはなぜですか?

小さい頃から機械やロボットが好きで、人気漫画に登場する科学博士に憧れていたような子どもだったんです。大きくなるにしたがって物理学や宇宙工学に興味を持つようにもなりました。医師になって整形外科を専門に選んだのは、その影響が大きかったように思います。ちょうど私が医学生だった頃、人工の関節が登場し、体の動きについて関心を持つようになりました。大学卒業後は子どものリハビリテーションを行う病院に勤務して、義手や義足を使った診療に取り組みました。

開業当初からリハビリテーションに注力されていたのですか?

当初は院内で小手術を行うことも考えました。しかし、クリニックで手術をするのは時代の流れに合わないと思ったんです。整形外科には「外科」という用語がついていますが、治療のおよそ8〜9割は保存的治療で、その保存的治療を補完するために手術が行われています。そこで、経験を生かせるリハビリテーションに力を入れていくことにしました。今でこそ専門機関がありますが、当時は日本リハビリテーション医学会が設立された直後で、対応できる機関がまだ少なかった時代です。理学療法の敷設基準も今より厳しく、院内にあった院長室などの部屋はすべてリハビリテーション室に変更し、大阪府下の無床診療所の中でも早い時期に基準を満たしました。

どんな患者さんが多いのですか?

高島孝之院長 高島整形外科2

スポーツをする方が多くいらっしゃいます。サッカー、ゴルフ、ラグビーなどのスポーツをしている人や、部活動や習い事などでスポーツをしている小中高大学生、大人になってからスポーツを始めたという方、また、最近はご高齢でも体を動かすのが楽しいという方が増えてきましたね。当院には理学療法士・作業療法士をはじめ、スポーツに強いスタッフがそろっており、患者さん一人ひとりの体の使い方などを見て不調の原因を見極め、私と相談しながら復帰に向けてチームワークでサポートしています。

元に戻すだけでなく、さらに機能の向上をめざす

こちらのクリニックが所属する「ハビリスグループ」はさまざまな施設を開設していますね。

高島孝之院長 高島整形外科3

健康保険を適用して医療機関で行えるリハビリテーションには制限があるのですが、リハビリテーションというアプローチは決して医療機関の範囲内で完結するものではありません。そこで当院でリハビリテーションを終えた方の受皿として、リハビリ型デイサービス「ハビリス西さわらぎ」を開設しました。もっと若い層を対象にしたのが「JUHAI(ジュハイ) Field ハビリス」で、例えばスポーツ選手が足首を捻挫したという場合、当初は医療機関でリハビリテーションが行えますが、それだけでケガ以前のパフォーマンスを取り戻すのは困難です。やはり、パーソナルトレーニングを行ってきちんとコンディショニングすることが必要なのです。

「ハビリス」にはどんな意味があるのですか?

もともと体に障害がある子どもに対し、その障害のある状態から機能の発達をめざす訓練をハビリテーションといいます。リハビリの「リ(re)」は“再び元に戻す”という意味ですので、リハビリですと以前持っていた機能を取り戻す訓練となりますが、ハビリテーションは以前持っていた機能以上をめざす、ということですね。当院や施設をご利用になっておられる方は、元に戻すリハビリテーションだけではなく、最終的にはハビリテーションのような、もともとの機能以上をめざす方が多いです。例えば以前は無理と諦めていたスポーツができるように、パフォーマンスが治療前より向上するように、など、さらに上をめざします。

整形外科の観点から、エイジングケアにも力を入れておられるそうですね。

高島孝之院長 高島整形外科4

年齢を重ねると、組織がすり減って膝が痛くなります。これはエイジング、つまり加齢ですね。このエイジングに対して、整形外科診療は若々しい状態を取り戻し、保つことをめざしますから、抗加齢的な要素が強い診療といえます。かつては「膝が痛いなら歩くのを控えればいい」「骨粗しょう症は加齢が原因なので仕方がない」といわれたこともありました。しかし高齢になっても自分で歩いていろんな所に行きたい、生き生きとした毎日を送りたいというのは、誰もが持つ願いだと思います。だからこそ年齢を重ねても若々しく、元気に体を動かそうというのがグループ全体の共通目標です。

北摂地域のファーストエイドをめざす

リウマチの診療にも力を入れておられますね。

高島孝之院長 高島整形外科5

医学部で最初に研究したのがリウマチ学で、論文のテーマも「リウマチの骨粗しょう症」です。リウマチの骨粗しょう症が起こるメカニズムについて考察、提示したのですが、あまり実験を伴わない論文だったこともあって、国内の医学雑誌には相手にされませんでした。しかし私自身は「きっとこうに違いない」という思いがあったので、海外の整形外科の雑誌に送ってみたのです。するとすぐに反応があり、今ではそれが教科書に記載されています。私自身、日本リウマチ学会リウマチ専門医資格を取得しており、生物学的製剤も早期から取り入れています。現在の治療ガイドラインで定められた治療はリハビリテーションをベースにしたものなので、当院の得意な領域といえます。

スタッフとはどのように意思共有を図っていますか?

複数の施設に異なった分野のスペシャリストがおり、それぞれの立場や考え方がありますからね。当院のような複合的な組織は、グループとしてのポリシーや目標を明確にして、共有することが必要です。その目標に向かってスタッフ一人ひとりが行動指針を見つけて日々の業務に取り組んで行くことが大切なんですね。現在はコアバリューの策定を進めています。コアバリューとは、その組織で何かを決定する際の判断基準となるもので、例えばAという決断もBという決断もどちらも正解という場合、どちらを選ぶか、そのコアバリューに沿って決定します。いわばクリニックの信念といえるもので、スタッフには「策定したら院長もちゃんと従ってくださいね」と、くぎを刺されています(笑)。

2019年4月より内科の標榜が始まったと伺いました。

現在、火曜日と金曜日に病院から3人の内科の医師に非常勤で来ていただいています。高齢の患者さんが電車に乗って遠くの病院に通うことは大変ですので、慢性の内科疾患の診察を中心に内科の標榜を始めました。何かあれば当院に相談に来ていただき、検査が必要な場合や状態が悪化した場合は病院に紹介。また治療後は当院でリハビリを再開していただく。このように「ファーストエイド」と「リハビリ」のクリニックとして今後も地域を支え続けていきたいと思っています。

最後にメッセージをお願いします。

高島孝之院長 高島整形外科6

当院は北摂地域のインフラになりたいという目標を持っています。「水道、電気、ガス、高島整形外科」などと言っていますが、いつも地域の方々の暮らしのそばにあって、何か困ったことがあったときに、相談しに行こう、診てもらおうと思える存在をめざそう。体のトラブルがあったときに、最初に行く所、ファーストエイドになろうということです。全力でサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

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