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高原 寛 院長の独自取材記事

ももたろう痛みのクリニック

(茨木市/茨木市駅)

最終更新日:2020/04/01

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阪急茨木市駅から北へ5分ほどのところにある「ももたろう痛みのクリニック」は岡山県出身の高原寛院長が、急性の痛みから慢性的な痛みまで、さまざまな患者の痛みの治療に特化したペインクリニックとして2015年に開業。日本ペインクリニック学会のペインクリニック専門医である高原院長は、痛みなく快適な生活を送れるよう、エックス線透視装置を活用した神経ブロック療法などの専門的な治療を実践している。「検査で異常がなくても患者の痛みを受け入れる」ことを大切にしているという、高原院長の優しい笑顔と温かい人柄に惹かれる患者も多いのではないだろうか。自身もつらい痛みを経験したという高原院長に、同院の特徴や診療にかける思いなど話を聞いた。
(取材日2018年10月26日)

つらい痛みと向き合う、専門的なクリニックを

開業までの経緯を教えてください。

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祖父は医師だったんですが、僕は特に医師に対する憧れはなく、どちらかというと血は怖かったし、理科室の骸骨が苦手でした(笑)。初めは化学が好きだったことから工学部に進学することを考えていたのですが、結局医学部をめざすことにしました。1988年に岡山大学医学部を卒業後、同大学の麻酔・蘇生学教室に入局しました。麻酔科を選んだのは、何か救急な場面で「お医者さんいませんか」と呼ばれた時に、何もできないのは嫌だと思ったからです。当時は救急医というのがなかったので、急性期で診られるとしたら麻酔科かな、と思ったのがきっかけです。当クリニックは、前身である「小椋クリニック」の小椋先生と勤務医時代からお付き合いをさせていただいていて、クリニックをやめようかな、という話を聞いたので「じゃあ僕がやります」という話になって。2015年に継承することになりました。

ペインクリニックとは具体的にどのような症状の患者さんが来られますか?

突発性難聴、腰や首のヘルニア、帯状疱疹、脊椎管狭窄症、片頭痛など幅広い痛みをお持ちの患者さんが来られます。また、他のクリニックでは特に異常が見つからず原因不明の痛みで来られる方も多いですね。患者さんの層は、最近は若い方も多く、近くの中高生や、20代30代の子育て世代のお母さんも来られますね。若い方の場合は、ヘルペス、ヘルニア、肩こり、ぎっくり腰などの症状で来院されるケースが多いです。

こちらのクリニックならではの診療はありますか?

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神経ブロック療法といって、麻酔を用いて痛みの伝達を一時的に抑えることで、徐々に痛みの改善をめざす治療法を行っています。この治療を行うクリニックは多いと思いますが、神経ブロックにはさまざまな種類があります。硬膜外ブロックといって、脊髄を包んでいる硬い膜の外側に局所麻酔薬を注入し、痛みを伝達する神経の働きを遮断していくんです。当院では、帯状疱疹後神経痛やヘルニア、脊柱管狭窄症などによる激しい痛みがある患者さんに、脊椎から出る神経の根元に直接局所麻酔薬を注射することによって、ピンポイントで神経の伝達を遮断して痛みを取ることをめざす神経根ブロック治療も行っています。神経根ブロックをエックス線透視装置で行っているクリニックはそんなに多くないと思いますね。

激しい痛みを取り除くための、神経根ブロック

痛みが発生するメカニズムと、神経根ブロックの方法を教えてください。

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脊髄から神経の枝が出ているんですが、例えばAの神経が圧迫されると、腕に痛みが出るというように圧迫した先に痛みが出る箇所は決まっています。ヘルニアの場合はだいたい一つの枝を何らかの原因で圧迫してしまうと、炎症を起こしてしまいます。普通の皮膚でもケガをすると傷になりますが、表面の皮膚の場合だと固いのでそんなに腫れません。でも、口の中のようにやわらかい粘膜だとものすごく腫れるんですよ。その腫れによる痛みを取り除くために治療を行います。神経根ブロックを行う際には、ほとんどの場合エックス線透視装置を活用して、透視を見ながら針を刺す位置を決めます。そこに直接針を刺して、腫れを引かせる薬と痛み止めを入れて、炎症成分がたまったのも洗い流します。

激しい痛みと闘う患者さんのための治療法ですね。デメリットはありますか?

硬膜外ブロックはあまり痛くないのですが、神経根ブロックは痛いです。歯医者さんで神経を触ると痛いですよね、そんな痛みです。ただ、元の痛みの改善を目的としていますし治療時間は数分なので、ほんの少しの時間を我慢するだけですから患者さんにとって大きいと思います。今まで投薬やリハビリテーションを続けてきても改善されず、日々つらい痛みを抱えてこられた患者さんの場合、神経根ブロックでぐっと状況が変わるということも期待できますね。

ペインクリニックにかかるにあたり、 知っておいたほうが良いことはありますか?

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ペインクリニックに来たからといって、魔法のようにすぐに治ることはありません。基本的には繰り返しの治療が必要になりますので、人によって程度や原因が違うので治療期間も異なります。考え方としては、歯が痛いときは24時間痛いですよね。24時間痛みで異常な緊張が高まっていると、いわゆる自律神経の交感神経も休む暇がないので血流が悪化してしまい、必要な物資が届きません。そうなると余計に治りにくくなります。例えば、そこの痛みを一時的にでも遮断してあげる「日曜日」をつくってあげれば、少しリラックスでき正常化につながります。また、1週間頑張って、また日曜日をつくるというふうに、繰り返しを続けていくことで徐々に改善を促すイメージでいてもらえればわかりやすいかなと思います。

治療の目標や方向性を、患者とシェアし合うことが大切

先生ご自身もつらい痛みを経験されているそうですね。

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そうなんです。僕自身も椎間板ヘルニアと帯状疱疹を経験し、「この痛みが取れないなら生きていけないな」と真剣に悩んだ時がありました。とにかく先が見えなくて、痛くて痛くてたまらないけど、これがどうなるのかわからない不安がとても強かったです。その経験から、とにかく治療して一時的にでも楽になれば安心することを実感しました。痛みは必ず戻ってきますけれど、とりあえず改善する手段はあるんだ、ということを知ってもらえれば安心して前に進んでいきやすいんですね。「一時的にでも楽になるための手段はある、これがだめでも他のステップもあるよ」ということを患者さんにもお伝えし、少しでも安心してもらえる診療をより心がけるようになりましたね。

「痛み」は無限にあると思いますが、診療で難しいと感じるところはありますか?

痛みっていうのは「痛さ」ですが、一番難しいのは「つらさ」なんですよ。痛みは測れませんが、つらさになるともっと測れませんよね。それぞれ人によって自分が耐えられる痛みの強さは異なります。よく診療の際に、痛みの強さを縦軸に、痛みの続く時間を横軸に、面積を出してもらうのですが、治療によって明らかに強さも出る時間も減っているのに、患者さん自身の体感としては「変わらない」と言われることが多いんです。少しずつでも改善に向かっていることを患者さんに納得してもらうことは難しいですね。激しい痛みの場合は夜寝れないので、まずは寝れるのを目標に、次はもうちょっと楽になるように、と段階的な目標さえきっちり共有できていれば患者さんも納得してくださるのかなと思います。

最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。

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長年痛みを持っていて、諦めている患者さんはいっぱいいると思います。僕は「異常がないことが普通」だと思って患者さんと向き合うように心がけています。検査で異常が出ようが出まいが、そういう「痛み」という症状がその方には実際にあるのだから、何かあるんだろうな、というスタンスで診療を行っています。10年来痛みを我慢して諦めていた方や、理学療法だけしか方法がないと思われていた方でもまだできることがあるんですよ。もちろんどんな症状でも絶対に治すとは言い切れませんが、ここに来てもらって少しでも楽になって笑顔で帰ってもらえれば一番うれしいですね。急性的な痛みや、長く続く慢性的な痛みで長年つらい思いをしている方、諦めずにまずは相談してもらえればと思います。

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