患者の負担をなるべく減らし
日常生活の中で取り組む不妊治療
つかさクリニック堺東
(堺市堺区/堺東駅)
最終更新日:2026/05/15
- 保険診療
公的医療保険の適用や自治体による費用助成の拡大などが進み、経済面ではアプローチしやすくなった印象もある不妊治療。ただ、実際に不妊治療の必要性を意識しても、複雑で多岐にわたる検査や治療、通院の頻度、体への負担を見聞きして、不安を感じてしまう人は今も少なくないだろう。そんな中、不妊治療を専門として患者に寄り添う診療を長年行ってきた「つかさクリニック堺東」では「ちょうどいい不妊治療」をコンセプトに掲げ、夫婦それぞれに適した、負担の少ない不妊治療を大事にしているという。久野貴司院長は「子どもを授かりたいと願う地域の方に、気負うことなく日常生活の一部として不妊治療を始めてもらいたい」と願う。そこで同院で受けられる不妊治療の特色や、その背景にある思いをじっくりと聞いた。
(取材日2026年4月15日)
目次
自然に近いかたちでの妊娠をめざし、タイミング法・人工授精・体外受精と治療法をステップアップ
- Qどのような状態が不妊症で、どのような原因が考えられますか?
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A
▲気になることがあれば、専門の医院で相談することが重要
性生活があるにもかかわらず、半年~1年たっても妊娠しない状態を不妊症といいます。以前は女性に原因があるとされてきましたが、現在は4~5割ほどの割合で男性にも原因があるといわれています。女性では排卵が起こりにくい、卵管が詰まっているなど、また男性では精子の濃度が薄い、動いている精子の割合が低いといった理由が考えられます。当院では、ホルモン検査や子宮卵管造影検査、精液検査など各種精密検査を行い、ご夫婦それぞれに合わせた治療計画を立てます。中には「ずっと生理がないから妊娠できない」と思い込んでいる方もいますが、妊娠につながるよう排卵を促していくケースも。まずは専門の医院で相談することが重要です。
- Q受診をしたほうが良いタイミングを教えてください。
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A
▲夫婦互いの気持ちを大切にし、受診を
性交渉があるのに半年~1年後にも妊娠しないようであれば、一度受診してみましょう。また「子どもが欲しい」と思った際に、女性の年齢が「35歳」より上か下かも一つの目安になります。なぜなら女性は若いほど妊娠しやすく、35歳を過ぎると妊娠率が急激に下がり始めるからです。受診が1年遅れるごとに最終的な妊娠率も低下しますので、性生活がある35歳以上の女性では、半年ほど経っても妊娠しなければ早期受診が推奨されます。また、35歳未満でも月経痛が強い、月経不順など気になることがあれば、1年を待たず早めの受診をお勧めします。不妊治療はご夫婦で取り組むものですから、ご夫婦の気持ちがそろったらすぐにご来院ください。
- Qタイミング法に対しては、どのように取り組めば良いでしょうか?
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A
▲ライフスタイルに合わせて、日常的なタイミングを取ることを推奨
「タイミング法」は、最も妊娠しやすいと予想されるタイミングで性交渉をする方法です。ただ、当院ではタイミングを厳密に狙った「タイミング法」は推奨していません。というのは、排卵日を確実に予測するのは非常に難しいのです。だからこそ「この日」と絞り込むのではなく「この期間は、いつ排卵しても良いように何回かタイミングを取っておく」という取り組み方をお勧めしています。また、精子は適度にリフレッシュしたほうが妊娠しやすいとされています。ですので、妊活中には性交渉の回数を意図的に制限されるご夫婦もいらっしゃいますが、当院ではご夫婦のライフスタイルに合わせながら、日常的にタイミングを取る方法を推奨しています。
- Qこちらの不妊治療では、特徴的なツールがあるそうですね。
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A
▲手書きの基礎体温表を活用し、自分の体と向き合う時間に
当院では、あえて手書きの基礎体温表を活用しています。基礎体温表では「いつ頃に排卵しやすいか」「治療の効果が反映されているか」を視覚的にとらえられます。「スマホで管理したい」というお声も多くいただきますが、基礎体温を記録する際についスマホで治療に関する情報を調べて、不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。デジタルデバイスと少し距離を置き、短時間でもご自身の体と向き合ってほしいのです。また診察では、医療者側が基礎体温表に投薬の内容や検査結果を記載し、説明にも使います。患者と医師、あるいはご夫婦間をつなぐ双方向のコミュニケーションツールとして、基礎体温表は独自の役割を担っています。
- Q不妊治療を行う上で大事にされていることをお聞かせください。
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A
▲妊娠に至るまでのプロセスにも心を配る
「肉体的、経済的、時間的になるべく少ない負担で妊娠をめざす」ことをモットーとする当院の不妊治療では、必要な範囲で検査や治療を行うことを大切にしています。エビデンスに基づいた、保険診療と先進医療でカバーされる範囲が、多くの患者さんにとって「ちょうどいい不妊治療」であると考えるからです。さらに不妊治療は「妊娠したらゴール」ではなく、その先の出産・子育てを通して家族を育んでいくステップの一つだと、当院では位置づけています。治療方針に画一的な正解がない不妊治療だからこそ、妊娠に至るまでの、ご夫婦に合わせたプロセスや期間を考慮し、当院を卒業されたその先にまで心を配れれば、と考えています。

