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石川 元春 院長の独自取材記事

いしかわクリニック

(堺市堺区/堺東駅)

最終更新日:2021/10/12

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南海高野線・堺東駅のランドマークである堺市役所、その南側に立つビル内にあるのが、不妊治療専門の「いしかわクリニック」だ。石川元春院長は東北大学でわが国の体外受精の黎明期に関わり、その後も不妊治療一筋で歩んできた。1995年には、不妊治療に集中したいとの思いで開業。タイミング法から顕微授精まで幅広いレベルの治療を提供するが、患者の負担ができるだけ少ない自然に近い妊娠を尊重し、治療の進め方についても患者の心情を最優先する。繊細な治療だけに、石川院長がすべての患者の治療を担当し、スタッフやカウンセラーも患者へのきめ細かにサポートしてくれる。「子どもは日本の未来。すべての患者さんが子宝に恵まれてほしい」と語る石川院長に、治療内容や不妊治療に対する考え方を聞いた。

(取材日2021年7月30日)

生命の神秘に魅せられ不妊治療の道へ

ご開業からまもなく四半世紀になるとお聞きしました。

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私は東京で生まれ東京で育ちました。父は薬学部の教授でしたが、私は「社会により直接的に貢献したい、人のお役に立ちたい」という思いが強く医師を志すようになり、東北大学の医学部に進んだわけです。卒業後はそのまま東北大学の産婦人科へ入局し、米国バージニア州へも留学。帰国後は近畿大学の産婦人科で勤務したので、そこから大阪で暮らすようになり、大学を辞した後は自宅からほど近いこの堺で開業しました。堺東は堺市の中核をなす地区ですし、南海高野線の特急が停車する堺東駅からも近く、患者さんの通院にも便利です。実際に、患者さんの大半は堺の方ですが、他院からのご紹介や患者さん自身の転居などで、奈良や和歌山、中には三重県から通ってくださる方もいましたね。

なぜ産婦人科、中でも不妊治療をご専門にされたのですか?

当時の東北大学医学部では、5年生になると臨床実習が始まり、各科を回って教育を受けましたが、その中で私にとってひときわ魅力的だったのが産婦人科でした。教授の鈴木雅洲先生は、わが国の体外受精の先駆け的な存在でしたから、産婦人科の医局でも体外受精の研究が活発に行われていたのです。生命の始まりの神秘性や教室の活気に魅せられた私は、卒業後は産婦人科に入局して不妊治療に携わってきました。その後、各地の総合病院や大学病院でも勤務する機会があり、さまざまな領域の患者さんを治療し、研究や後進の教育なども大事な仕事として経験しました。しかし、不妊治療は各患者さんの周期に合わせて連続した診療を行う必要があり、患者さんのためには不妊治療に集中して一貫性のある治療がしたいと思うようになり、不妊専門クリニックを開業したのです。

治療方針を教えてください。

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初診の患者さんでは、問診や基本的な検査で不妊の原因を探り、患者さんのご希望をお聞きして、どのような治療法を選択するか考えていきます。タイミング法から人工授精、その次に体外受精・顕微授精へ。また、排卵を促す方法も自然周期からクロミフェンクエン酸塩による周期、FSH/hMG注射の周期の順に妊娠が期待できますが、効果が期待できる方法ほど治療に要する通院時間や費用、副作用への懸念といった心理的、物理的な負担が増えていきます。ですので、私はなるべく負担の少ない治療法から開始し、ご相談を繰り返しながら徐々にステップアップをするよう心がけています。なお、不妊原因の4~5割は男性にありますので、検査や治療も行います。ただ、目標は早期の妊娠出産ですので、もし男性側の治療効果が思うように得られなければタイミング法から人工授精に進める、といった考え方で取り組んでいます。

自然に近い、負担の少ない妊娠をめざす

高度生殖医療を提供できる一方で、ステップアップに慎重なのはなぜですか?

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高度な治療ほど時間も費用もかかります。また原因不明の不妊では、どの患者さんにどの治療が適しているのか、実際に治療をしてみないとわからない部分もあります。妊娠という目的地にたどり着くために、いくつかの道筋があるのなら、やはり負担の少ないほうから順に試していきたいのです。また、私が不妊治療に関わり始めた当時は、体外受精は非常に特殊な技術であり、どうしても他の選択肢のないときにしか行わない手法でした。最近では、治療のかなり早い段階から体外受精を取り入れることもあるようですが、 私自身はなるべく自然に受精できることを重視し、慎重に考えたいと思っています。

患者さんとお話をされる際に、心がけていることをお聞かせください。

何よりも目の前の患者さんに幸せになってほしい、無事に元気なお子さんを出産してほしいと願いつつ、日々診療にあたっています。患者さんは皆、「なぜ私は妊娠できないんだろう」という不安な思いを抱えています。一方で、妊娠・出産は各ご家庭や夫婦での重要な出来事であるものの、不妊治療に対する考え方や取り組み方はさまざまです。ですので、患者さんとお話しする際には、生活背景や気持ちの持ちようを確認しながら、各患者さんに適した治療を提案していきたいと考えています。日々お忙しい中通院される方と比較的都合のつきやすい方、あるいは気持ちが前向きな方とストレスに弱い方、それぞれにご提案できることは違ってきます。不妊カウンセラーや臨床心理士も、患者さんのサポートをさせていただきます。

不妊のカウンセリングを行うタイミングや内容を教えてください。

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医師の診察の前後には、不妊カウンセラーから、治療の内容や進め方について、詳しくわかりやすく説明させていただきます。また、治療で思うような結果が得られず、気持ちが沈んでしまう方については、患者さんからカウンセリングのご希望をいただくこともありますし、こちらからカウンセリングをご提案するときもあります。どのような場合にも、患者さんの思いを否定することなく受け止め、できることを一緒に探していく姿勢が大事だと考えています。カウンセリングに関わる女性スタッフは経験豊富なので、不安や疑問など、なんでも気兼ねせず話してみてください。

過度なダイエットを避け、妊娠しやすい体づくりを

どのようなときにやりがいを感じていますか?

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当院の患者さんのお子さんたち、あるいは私事ですがわれわれ夫婦の孫の姿を見ていると、この子たちが成長したときの日本が、平和で豊かな国であってほしいと願うようになりました。2020年のわが国の出生数は約84万人、少子化がさらに進んでおり、人口の減少はこの国の衰退に関わる大きな問題であると憂いています。だからこそ、日々の治療で患者さんが子宝に恵まれ喜んでいただくことが、少子化の歯止めにもつながり、この国の未来のために少しでもお役に立てるのかなとうれしい気持ちにもなります。

気分転換やリフレッシュはどのようにされていますか?

私は、当院のホームページにも記載していますが、20世紀半ばに活躍した日本人版画家の作品が好きで、院内にもレプリカの絵画を何点か飾ってあります。中でも「大顔美人」というカテゴリーの作品群は、大きなお顔、ふくよかな頬、時にふくよかな乳房が共通点です。妊娠、出産をしてくれる女性に対する憧れと尊敬が表現されているように感じていて、目にすると穏やかな気持ちになれますし、患者さんにも早くお子さんを抱いていただきたいと励みになります。また、まとまった休みには妻と愛犬を連れて旅行に出るのも楽しみです。屋外で日光を浴びて過ごすとリフレッシュできますね。

最後に、妊娠を望む女性へのアドバイスをお願いいたします。

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今、日本の若い女性はスリムな体型、小さな顔をめざしてダイエットに励んでいますが、行き過ぎたダイエットは妊娠の大敵です。ダイエットはいわば人為的な飢餓状態ですので、生命維持が優先され、生殖能力は後回しになり、排卵機能や着床能力は低下してしまいます。古くから「日本美人」ではふくよかさが象徴ですが、これは食糧難が通常であった時代には、ふくよかな女性に高い生殖能力が備わっていたからです。もちろん過度の肥満は良くありませんが、適度な食生活と体重維持が妊娠への近道です。また、妊娠しやすい年齢、妊娠が可能な年齢には限界があります。妊娠出産に適した健康的な心身をつくること、そして妊娠可能年齢を意識したライフプランを描くことを、意識してみてほしいと思いますね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人工授精/2万2000円、体外受精/30万円~、顕微授精/35万円~

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