三間 由美子 院長の独自取材記事
三間眼科医院
(大阪市西成区/岸里駅)
最終更新日:2024/01/18
大阪メトロ四つ橋線岸里駅と玉出駅のちょうど中間地点にある住宅街の一画。80年以上の歴史を刻む「三間(みつま)眼科医院」は、祖母から母へ、母から娘へと引き継がれてきた眼科クリニックだ。手術を得意とする三間由美子先生が2017年に3代目院長に就任して以来、その母である会長と2人で診療を切り盛りしてきた同院。2年前、新たに副院長として女性医師が加わったことで、3人のベテランドクターによるいっそう厚みのある医療提供が可能になったという。待合スペースの観葉植物や窓から見える中庭の草花は、会長が大切に育てたもの。その思いが込められた院内で、現在のクリニックの姿や診療のポイントなどを三間院長にじっくり語ってもらった。
(取材日2022年9月16日)
女性ドクター3人体制で病院レベルの眼科診療を提供
開業から80年以上、ずいぶん長い歴史のあるクリニックですね。
ここは85年ほど前に祖母が開設した医院で、その後を現在の会長である母が引き継ぎました。私は関西医科大学を卒業後、長く同大学の付属病院や基幹病院に勤めていましたが、卒後20年の節目に勤務医を辞め、以来、院長としてここでの診療に全力を注いでいます。手術を行うようになってから、おかげさまで患者さんがずいぶん増えました。その一方で3代続く医院ということもあり、中には60年前から通っているという年配の患者さんもおられます。また、他の地域へ引っ越された後も当院のことを覚えていて、新患としてわざわざ受診に来られる方もおられます。こうした地域の皆さんとの信頼関係は、母や先々代が長い年月をかけて積み上げてきたもの。そこへのリスペクトの気持ちを忘れたことはありません。
現在は3人の女性の先生が診療を分担されているとか。
はい。会長である母と私、副院長の3人です。西村副院長は私と同じ関西医科大学の出身で、ここへ来る直前まで基幹病院の眼科部長を務めていた優秀な先生です。私も副院長も幅広く眼科手術に精通していますので、症例で担当を分ける必要はありません。一方が執刀医で、一方が助手。これまではすべての手術を私が担当するしかありませんでしたから、その負担から解放され、とても楽な気持ちで手術に臨めるようになりました。おかげでより多くの患者さんに手術を提供できるようになりました。私が理想とする診療体制がようやく実現できたと、彼女の加入にはすごく感謝しています。
院長は角膜疾患を主に研究されてきたそうですね。
母校の関西医科大学の眼科は網膜硝子体が専門で、角膜疾患を得意とする医師がいなかったこともあり、かなり若い頃から主に私が担当してきました。また、角膜を専門とした外来の立ち上げメンバーにも加わり、その強化のために京都府立医科大学の教授の診療を1年間見学。自信をつけた後も、自分より知識のある先生に学びたいと強く考え、鳥取大学の教授のもとで1年間の国内留学も経験しました。現在も角膜の専門家として医療者向けの講演会やセミナーなどをよく頼まれます。正直、人前に出て話すのはあまり好きなほうではありませんが、大学勤務の頃ならともかく、開業医になっても依頼があるのはありがたいことだと思ってお受けしています。
日帰り手術や細かいケアで難症例にも立ち向かう
こちらで行っている日帰り眼科手術について教えてください。
当院は私が院長になってから設備を整え、白内障手術や緑内障手術、硝子体手術など、さまざまな日帰り眼科手術に対応しています。私も副院長も大きな病院で数多くの手術経験を積んできました。その経験を生かし、安心安全の治療提供を心がけています。また、近隣の医療機関との連携にも力を入れておりますので、さらに高度な専門治療が必要な場合については、紹介先もしっかりと確保しています。過去に治療が難しいとされた方も、一度ご相談いただければと思います。
目に異常を感じたら、どのように対処すればいいですか?
症状がある場合は、とにかく早めに眼科を受診することです。特に症状がない方も、ある程度の年齢になれば眼科検診を受けたほうがいいでしょう。例えば飛蚊症の場合、生理的なものなら放置しても構いませんが、網膜に裂け目などがあっても同じ症状が現れます。初期のうちなら周辺をレーザーで固めるだけで済むでしょう。放置して網膜剥離になれば入院手術が必要ですから、やはり早めに受診してください。あと、私も副院長も身体障害者福祉法指定医、難病指定医で、認知症や発達障害の患者さんの白内障などの手術も可能な限り行う方針です。ホームヘルパーさんに付き添われて遠くの病院まで通うのはやはり大変でしょう。なるべく近くの眼科で対応してあげたいという思いがあるんですね。大学病院ではできないような、開業医ならではの細かなケアで応えていきたいと考えています。
診療において大切にしている事を教えてください。
「診断」を正しくつけることを心がけています。すべての治療方針の根本となる診断が誤ってしまうと、それだけで正しい治療にはつながらなくなってしまいます。そのため、正しい診断には細心の注意を払っています。また、先端の医療知識の収集も欠かせません。自分の専門・専門外は患者さんにとっては関係ありませんので、仮に専門外の分野であっても助けになれるよう、いろんな知識をもってきちんと診断することを大切にしています。
誰もがハッピーになることをめざして
副院長とは旧知の仲なのだとか。
彼女は大学の同級生というだけでなく、同じ眼科に入局して出向先も一緒。プライベートでも一緒に飲みに行ったり、と親交が深いです。彼女の結婚式にはスピーチも任されました。勤務医時代から、仕事においても意見をぶつけ合い、より良い医療についてを考えて来た仲ですので、こうして一緒に働けている環境はとてもありがたく感じています。
眼科選びの際の注意点などがあれば教えてください。
眼科の場合、手術によって大きく変化を感じることが可能となりますが、いたずらに手術をお勧めするようなことがあってはいけません。費用のこともありますので、まずはしっかりと問診や検査を行い、正確に診断していくことが何より重要です。目のことは患者さん自身で判断できないことがほとんどですよね。ですから、丁寧な問診、検査からの診断を導き出してくれる、信頼できる眼科を見つけて受診するようにしていただきたいですね。
最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。
当院は駅から少し離れていて決して便利な場所ではありませんが、最近は阿倍野区や住吉区、住之江区から此花区まで、やや遠方の地域からも患者さんが来られるようになりました。それは医院がパワーアップした結果と言えるでしょう。患者さんが増えても荒い診療にならぬよう、これからも丁寧な診察を続けていきたいと考えています。皆さんへの感謝を忘れずに、患者さんもスタッフもそのご家族も、そして私を含むドクター陣も、みんながハッピーになることをめざしていきたいですね。副院長と切磋琢磨しながら、会長やスタッフとも力を合わせて患者さんのために尽くしていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは白内障手術(多焦点眼内レンズ/片眼):21万6000円、白内障手術(多焦点眼内レンズ/両眼):88万円~