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佐藤 孝夫 院長の独自取材記事

佐藤眼科医院

(大阪市東住吉区/田辺駅)

最終更新日:2020/05/27

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「佐藤眼科医院」は大阪メトロ谷町線の田辺駅、JR阪和線の南田辺駅のいずれからも徒歩約8分。東住吉区役所に近い、長居公園東筋から一本入った落ち着いた住宅街の中にある。1932年開業の歴史ある眼科医院で、現在は3代目にあたる佐藤孝夫先生が院長を務める。佐藤院長は、大学病院などで診療経験を積み、1990年からクリニックで診療を開始。院内にはクリーンルーム(高密度空気清浄設備付手術室)を備え、白内障の眼内レンズ手術をはじめとする手術に取り組んでいる。また、先進の画像機器を駆使して、病気の早期発見に努めるとともに、患者への説明の際にも可能な限り画像を用いて、丁寧に話をする。佐藤院長に、クリニックの診療ポリシーや目の健康のために心がけたいことなどについて聞いた。
(取材日2019年9月5日)

長年取り組んできた白内障の眼内レンズ手術

こちらのクリニックは先生のおじいさまが開業されたのですね。

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私が小学生くらいまでは祖父と父が診療にあたっていて、幼い頃から2人の仕事を身近に見てきたので、医師になるのが当たり前という感覚で、小学生の頃には将来何になりたいと尋ねられたら「お医者さん」と答えていましたね。周りから言わされていたという感もなきにしもあらずですが(笑)。

眼科を選ばれたのは、おじいさま、お父さまの影響なのですか?

奈良県立医科大学卒業後は、父が眼科医師として地域医療に携わっており、いずれは父のクリニックを継承することを考え、地元の大阪市立大学眼科学教室に入局しました。目は小さな感覚器ですが、眼科学の領域は想像以上に広く、入局後、数年間は眼科臨床について一通りのことを学びました。研究面では、走査型電子顕微鏡を使った網膜光凝固後の脈絡膜血管の経時的変化を観察した研究論文が認められ、博士号も取得しました。その後、恩師である松山教授が、一般外来とは別に専門の外来を設けられ、私は糖尿病網膜症の主任を命じられました。もともと眼底を診ることに興味があり、当時の糖尿病網膜症治療の主流はレーザー光凝固で、私の研究テーマとも関連していましたので、希望にかなった専門分野を任されたことは光栄でした。

勤務医時代のご経験についてお聞かせください。

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大学病院に何年か勤務すると、市民病院などの関連病院での勤務を命じられます。当時、大阪市には5つの市民病院があり、旭区と淀川区の市民病院で勤務しました。特に淀川区の十三市民病院では、早いうちから白内障の眼内レンズ手術の研究に取り組んでいました。当時、日本では、やっと眼内レンズの治験が始まったばかりで、全国的にも数人の先生が関わっておられるだけでした。眼内レンズは、当時国内の認可が下りておらず、まだ取り扱える状況ではありませんでした。

そんな先端医療になぜ、取り組まれたのですか?

1982年にサンフランシスコで行われた国際眼科学会に参加した帰りに、硝子体手術のメッカ(聖地)といわれるノースカロライナ州のデューク大学で、硝子体手術の創始者であるマッカマー教授の難治性の増殖性網膜症や網膜剥離を治す硝子体手術を、その後、ニューヨーク眼科耳鼻科病院で、マッコール先生の白内障超音波乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を学ぶ機会がありました。それまで見たこともない最先端の装置と驚異的な技術を目の当たりにして、私は強いショックを受けました。市民病院に戻り、さっそく当時の院長に、「眼内レンズの手術の研究を行いたい」と申し出ました。院長は新しいことを意欲的に取り入れる方で、「責任は取ってやるからやってみなさい」と言ってくださったのです。

早くからクリーンルームを設置し日帰り手術に取り組む

こちらのクリニックに戻られたのはいつ頃ですか?

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病院で勤務していた当時の超音波白内障手術による眼内レンズ挿入術は、まさに日進月歩で進化し、麻酔法、手術手技、手術器械、眼内レンズの素材や形状の改良など、その変遷は目まぐるしいものがありました。おかげで当時としては先進的な手術を数多く行い、新しい技術の習得に研鑽を積むことができました。その後、クリニックに戻ったのは43歳の時です。開業医として自信を持って診療をするためにも、勤務医時代に数多くの症例を経験し、技術を高められたことは、私にとって貴重な財産だと思っています。

日帰り手術を始められたのはいつからですか?

クリニックに戻った当初は、まだ日帰り白内障手術が認可されていませんでしたので、当院の患者さんに他の病院に入院してもらって、私が執刀する体制で対応しておりました。その後、日帰り白内障手術が認可されてから、1995年に当院にクリーンルームを設置して日帰り白内障手術を開始しました。当時はまだ、クリーンルームはカスタムメイドの時代で、現在と違って設置費がかなり高額だったので、クリニックでクリーンルームを備えているところはほとんどなかったのですが、失明の恐れもある細菌感染による術後眼内炎を予防するためには、どうしても必要だと考えて、垂直式のクリーンルームを導入しました。そのおかげで、日帰り白内障手術を始めて現在までの24年間に、細菌性の術後眼内炎は、幸いにも発症しておりません。

現在、どんな患者さんが多いのですか?

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さまざまな症状の患者さんが来られますが、早くから日帰り白内障手術を手がけていることもあり、今までに難症例を含めて、数多くの白内障手術を経験しております。また、専門とする糖尿病網膜症のレーザー網膜光凝固治療でも、これまでの治療経験に基づいた、光凝固後の視力低下などの合併症が少ない、独自のレーザー光凝固方法で行っています。さらに、高齢化がますます進んでいく中で、緑内障や加齢黄斑変性の早期発見にも力を入れています。これらの疾患は、白内障の眼内レンズ手術のような根治方法がなく、いったん罹患すると進行を緩やかにすることしかできませんので、早期発見・早期治療が極めて重要となります。

画像などを積極的に使い、わかりやすく説明する

先進の眼底三次元画像撮影装置(OCT)を導入されました。

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従来型のOCTに変えて、先進の次世代型OCTを導入しました。従来型より短時間で広範囲に、深層部まで高画質な眼底の断層撮影が可能になり、さらに新機能として、造影剤を使わずに高解像度な眼底の血管撮影も可能になりました。その結果、患者さんの目や身体にご負担をかけずに、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性などの眼底の血管病変が、微細血管まで詳細に画像診断ができるようになりました。また、緑内障の早期発見や進行傾向の解析も、画像が高画質になったおかげで、より詳細に診断できるようになりました。

画像システムを積極的に使っておられますね。

患者さんに病変や治療法を説明する際には、できるだけ画像をお見せして説明しております。言葉で説明するよりも、画像などを見ていただくほうが、患者さんに理解してもらいやすいからです。ただ、例えば眼科を初めて受診された患者さんに、目の構造から現在の病変までを画像を見せて丁寧に説明していると、どうしても時間がかかり、後の患者さんの待ち時間が長くなってしまいます。申し訳ないと思うのですが、当院では多少時間がかかっても、できるだけ患者さんに説明することを心がけていますので、ご理解いただきたいのです。

読者にアドバイス、メッセージをお願いします。

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五感によって得られる情報の8~9割は視覚からといわれており、目は生活にはなくてはならない大事な感覚器ですが、目の健康診断を定期的に受けている人は少ないのが現実です。なぜでしょうか? さかまつげやゴミが入って目が痛かったり、結膜炎で充血や目ヤニが出たり、ものもらいができて瞼が腫れたりすれは、すぐにでも受診されますが、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などの重篤な疾患に罹患していても、これらの疾患は、進行するまでははっきりした自覚症状がないので、気づかずに放置されることが多いのです。成人失明の上位であるこれら疾患は、進行してから見つかっても悪化した部位は元には戻りません。しかし、早期に発見すれば、進行を緩やかにすることができます。一生ご自身が良い視力で生活するためには、40歳以上の方は自覚症状がなくても、1年に1度は眼科での検診を受けられることをお勧めします。

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