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患部の炎症を直接治療する
上咽頭擦過療法

松谷クリニック

(大阪市城東区/放出駅)

最終更新日:2023/12/15

松谷クリニック 患部の炎症を直接治療する 上咽頭擦過療法 松谷クリニック 患部の炎症を直接治療する 上咽頭擦過療法
  • 保険診療

風邪のひき始め頃に、痛みやかゆみを感じる鼻の奥から喉の上部。上咽頭と呼ばれるこの部分に炎症や腫れがあるために、「鼻水がこびりついて気持ちが悪い」「喉がイガイガする」「咳払いをしてもすっきりしない」といった不調に悩まされる人は少なくない。そこで、上咽頭に薬液でダイレクトにアプローチするのが上咽頭擦過療法(Bスポット療法)だ。50年以上前にわが国で始められたものの普及しなかったこの治療法だが、近年再び需要が高まっているという。「松谷クリニック」の松谷亮一理事長もこれに注目し、積極的に治療を行っている医師の一人。「患部に触れるので痛みはありますが、直接治療できるメリットは大きいです」と語る松谷理事長に、上咽頭の位置や詳しい治療法、対応可能な疾患について解説してもらった。

(取材日2023年8月29日)

長い綿棒で患部に直接薬液を塗る治療。ヒリヒリとした痛みを伴うものの、不快な症状が続く人に有用

Qまず、Bスポットとはどの部分のことを示していますか?
A
松谷クリニック 患者に合わせた器具を使い分け治療を進めていく

▲患者に合わせた器具を使い分け治療を進めていく

口を開いて喉をのぞき込むと、奥にいわゆる「のどちんこ」が見えますよね。その奥側から上のほう、鼻の穴の奥に通じる部分を、上咽頭または鼻咽腔(びいんくう)と呼びます。Bスポットとは鼻咽腔の「び」から名づけられた通称です。鼻から入った空気や、鼻から喉へと流れ落ちる鼻水は、必ず上咽頭を通ります。そのため、上咽頭はウイルスや細菌、外気の汚れなどにさらされやすく、炎症を起こしやすいのです。喉の左右にある口蓋扁桃が腫れると、食べ物を飲み込むときに痛みますよね。上咽頭の表面は、この口蓋扁桃と同じ扁桃組織、咽頭扁桃であるため、炎症や腫れがあると同じように痛みや不快感を感じます。

Q上咽頭擦過療法ではどのような治療が行われるのですか?
A
松谷クリニック 治療前に丁寧に説明やカウンセリングを行う

▲治療前に丁寧に説明やカウンセリングを行う

まず、鼻からファイバースコープを入れて上咽頭の様子をチェックし、腫れや炎症が確認できれば、塩化亜鉛という薬液を染み込ませた綿棒を上咽頭にこすりつけます。細い綿棒を鼻から入れて塗り、次に先端が曲がったやや太めの綿棒を口から入れて塗るようにしています。口と鼻の両方から入れるのは、上咽頭全体にしっかりとお薬を塗るため。炎症があると、取り出した綿棒の先には血がべっとりとついていることもあります。炎症のある粘膜に直接触れますので、治療中にはヒリヒリとした強い痛みがありますが、1~2時間程度で徐々に治まると思います。

Qどのような症状や疾患に対して行われるのですか?
A
松谷クリニック 患者一人ひとりに合った細かな治療を行う

▲患者一人ひとりに合った細かな治療を行う

慢性上咽頭炎という長く続く上咽頭の炎症、喉の風邪である咽頭炎、扁桃炎や副鼻腔炎など、鼻や喉に痛みや違和感がある病気での不快な症状を軽くするために行います。「流れ落ちた鼻水が喉にへばりついて気持ち悪い」、「咳払いをしても痰が取れない」と言われることの多い後鼻漏の患者さんにもこの方法が適用されることがあります。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の症状に有用なこともあります。

Q治療期間や通院の頻度について教えてください。
A
松谷クリニック 治療後の説明や次回来院タイミングも患者に合わせ行う

▲治療後の説明や次回来院タイミングも患者に合わせ行う

1回の治療は、通常の耳鼻科の処置に加えて2分程度です。治療の期間は、症状や毎回の治療の程度によっても異なりますが、当院では週に1~2回、合計20回前後になることが多いですね。症状の感じ方には個人差が大きく、また改善を目で見える形で示すことはできません。そのため、治療回数や患者さんの希望、症状の変化などがあれば、適時ファイバースコープで上咽頭の状態を確認することもあります。なお、一時的に良くなったように見えても、治療を完全にやめてしまうと症状がぶり返すという場合もあり、快適な状態をキープするために、定期的に処置を受けていただく必要があるケースもあります。

Q痛みを伴う治療ですが、工夫されていることはありますか?
A
松谷クリニック 専門性の高い治療から一般的な耳鼻科の治療まで幅広く対応する

▲専門性の高い治療から一般的な耳鼻科の治療まで幅広く対応する

この治療を希望して受診する患者さんの多くは、治療内容をよくご存じですが、痛みがあることは再度確認しています。いざ治療となるとためらう方もいらっしゃるので、私自身やほかの人が経験したことをお話ししたり、スタッフから改めて説明をして、ご安心いただけるようにもしています。もちろん、次回までに考えてもらっても構いません。また、鼻や喉の形や、痛みに対する強さには個人差がありますので、器具の太さや角度を変える、塗りつける強さや時間を変えるなど、患者さんの様子を見ながらその方に合った細かな調整は行っています。

ドクターからのメッセージ

松谷 亮一理事長

上咽頭擦過療法は個人差はあるものの痛みが生じる治療なので、痛みに耐えられるかどうかも治療を受ける目安の一つです。一度で完了する治療ではなく、回数を重ねていくことが必要な治療法ですが、患部の炎症をじかに治療することができる治療法ですので、長年不快な症状に悩んでいる方にはお勧めできる治療だと思います。最近では、上咽頭が全身の免疫機能に関連しているとの指摘もあり、幅広い疾患への応用が期待されています。保険適用ですし、当院ではファイバースコープの使用をなるべく最小限にして、経済的な負担も考慮しています。喉や鼻の不調に悩んでいる方、すっきりとしたい方には、ぜひ検討してほしいです。

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