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松谷 亮一 理事長の独自取材記事

松谷クリニック

(大阪市城東区/放出駅)

最終更新日:2023/12/14

松谷亮一理事長 松谷クリニック main

学研都市線の放出駅から東へ歩いて3分。「医療法人潤優会 松谷クリニック」は、約50年にわたって地域に親しまれている耳鼻咽喉科と小児科のクリニック。「私のモットーは誠心誠意。患者さんは自分の家族だと思って診療にあたることです」と、笑顔を絶やさず出迎えてくれたのは、理事長を務める松谷亮一先生。あくまで地域密着型クリニックという基本スタンスを守りつつ、小児科の診療を行うことで小さな子どもを抱える親の悩みの解消につなげ、Bスポット療法とも呼ばれる上咽頭擦過療法や睡眠時無呼吸症候群といった専門性の高い治療を率先して行うなど、患者や治療に対する思いは人一倍熱い。そんな松谷理事長に、現在の取り組みや診療時のポイントなど、熱い胸中をじっくり語ってもらった。

(取材日2023年8月29日)

専門性の高い治療で患者のさらなるニーズに応える

まずはクリニックについて教えてください。

松谷亮一理事長 松谷クリニック1

当院は地域の皆さんに気軽に通ってもらえるクリニックをめざし、副鼻腔炎や中耳炎で苦しんでいる子どもたちの診療や、ご高齢で耳が遠い方の補聴器の相談など一般的な耳鼻咽喉科診療を中心に、難聴や耳鳴り、めまい、声がれなど、現代人に多い成人の疾患にも対応しています。また、先進の治療や医療機器を導入し、なるべく多くの皆さんの力になれるよう努めることも当院の役割だと考えます。例えば当院にはストロボスコープという機器があり、声帯の振動を直接見ることができます。歌手やアナウンサー、お坊さん、学校の先生など、喉や声のことでお困りでしたらご相談いただければと思います。他にも対応できることはまだまだたくさんありますから、困っていることがあれば、まずは何でも相談していただければと思います。

近年、特に力を入れている治療はありますか?

最近ニーズが急増しているのは、Bスポット療法とも呼ばれる上咽頭擦過療法です。鼻の奥から喉につながる上咽頭の炎症に対して薬を直接塗る治療法で、鼻や喉の奥の痛み、不快感や違和感などの改善を目的としています。患部へのアプローチは鼻からと喉からの2通りがあり、痛みを感じる治療ではありますが、なるべく苦痛を与えないよう患者さんの特性を見ながらセレクトするのがポイントです。いつも癖のように鼻の奥を鳴らしているような方にはお勧めしたい治療法ですね。当院には、この治療を受けるために、わざわざ調べて遠方から来られる方も多いです。

睡眠時無呼吸症候群の治療も行っていますね。

松谷亮一理事長 松谷クリニック2

睡眠時無呼吸症候群になると眠りが浅くなるため熟睡感がなく、日中も眠くなって倦怠感や集中力の低下を招きますので、車のドライバーや精密な仕事をしている人には深刻な問題になります。さらに、眠っている間に呼吸が止まってしまうため心臓や肺に大きな負担がかかり、寿命に影響したり突然死の原因になったりする場合もあるため、決して軽んじてはいけません。体型的な問題と関連性が深く、40代以上の肥満気味の男性に多く見られるのが特徴です。治療に関しては睡眠時に機械で空気を送り込んで気道を確保することにつなげるための持続陽圧呼吸療法、いわゆるCPAP療法が中心です。当院ではさまざまなタイプのデバイスを用意していますので、患者さんに合わせてチョイスすることが可能です。また、鼻閉塞のある場合は鼻に入れるチューブ状の医療機器、下顎の落ち込みで舌根沈下が起こる場合は歯科と連携してマウスピースを用いた治療も行っています。

小児科とのコラボレーションで総合的な診療を実現

診察室にはたくさんのモニターがありますね。

松谷亮一理事長 松谷クリニック3

患部を観察する際はCCDカメラを利用して、できる限り可視化しています。耳や鼻の中というのは普段は見えない部分だけに、通院が長引くと「まだ通わなくちゃいけないの?」と思われることもあるでしょう。そんな時に目で見て確認できれば「やっぱりもう少し通院したほうがいいな」とご納得いただけると思います。実際に経過を見ながら実感を得てもらうことは私が大切にしていることの一つで、開業してからずっとこのスタイルを続けています。お子さんたちにも、モニターに映る自分の鼓膜を見てもらいます。毎回見ていれば「ここが赤いね」と自分で気がつく子もいるかもしれませんね。自分の体のことですから、大人だけでなく子どもにも関心を持ってほしいと思っています。

待合室も診察室も小児科のような雰囲気ですね。

そうですね。いたるところにキャラクターや動物などの絵をたくさん飾って、どうすればお子さんたちに怖がらずに受診してもらえるかを常に考えています。先日は僕の似顔絵コンテストも開催したんですよ。耳や鼻の処置では時につらいことも伴いますから、嫌だ嫌だと泣き叫んで行きたがらないのが普通です。そこで、できるだけリラックスしてもらうために笑顔で声かけをして、ネブライザーにフルーツの香りをつけたり、診療が終わればカプセルトイで遊べるようにしたり、そうした工夫をしていくことで、自分から行く行くと言ってくれる子が増えてくれるとうれしいです。当院が耳鼻咽喉科デビューになる子も大勢いるでしょうから、処置を怖がらなくなることは、その子にとって大きな意味があると思います。

小児科の診療も行う理由を教えてください。

松谷亮一理事長 松谷クリニック4

子どもを持つお母さんの中には、「耳鼻咽喉科と小児科、どちらを受診したらいいの?」と迷われる方が大勢いますし、小児科とかけ持ちして大変な思いをしている患者さんもいます。ここに小児科があればそのような悩みは不要になると考え、毎週土曜日に専門の医師を呼んで小児科診療を行うようになりました。大阪の民間クリニックで、耳鼻咽喉科と小児科を併設しているところは少ないと思います。耳や鼻はもちろん、おなかのことや皮膚のことも同時に診療できますから、子どもの日常的な疾患のほとんどはここで対応できると思います。また、同じ建物内に小児科の先生がいることでリアルタイムで情報を共有し、適切な治療につなげられるよう複数の視点から総合的な診断ができることは大きなメリットだと考えています。

必要なのは、誠心誠意と奉仕の気持ち

耳鼻咽喉科の分野だけでなく幅広い観点で診療を行うのですね。

松谷亮一理事長 松谷クリニック5

患者さんのことを考えるなら、耳鼻咽喉科だから耳・鼻・喉だけを診ていればいいというわけではありません。お子さんなら小児科、大人の方なら他科との連携が必要になることもあると思います。大切なのは健康で元気になっていただくこと。そのためにできることがあれば、積極的に取り入れていきたいです。また4年前には、豊中市の千里中央に「せんちゅうクリニック」を分院として開院しています。

移転も決定しているそうですね。

当院は1970年に父が開院したクリニックですので、リニューアルはしているもののちょっと手狭だなと感じていました。特に新型コロナウイルス感染症が流行してからは、動線の確保やソーシャルディスタンスを取るためのスペースづくりに頭を悩ませてきましたし、患者さんからも「もう少し広いといいのに」という声が上がっていました。そんな時、目と鼻の先に新しいビルができることが決まり、その1階に移転できることになりました。遠くに移転して、通ってくださる患者さんの利便性が損なわれることを懸念していましたが、場所がほぼ変わらないのであればメリットのほうが大きい。2024年からは新クリニックでの診療がスタートできる予定ですので、とても楽しみです。

最後に、医師としての心構えを教えてください。

松谷亮一理事長 松谷クリニック6

やはり患者さんに対して誠心誠意接していくことが何より大切ですね。患者さん一人ひとりに合った最良最適なサービスをめざして、誠心誠意で提供していく。そのために問われるのは、やはり人としての資質ではないかと思います。社会に貢献して奉仕する気持ちがないとやっぱり駄目ですよ。どの職業でもそうかもしれませんが、何らかのかたちで人の役に立つことがモチベーションであるべきではないでしょうか。要はハートです。それが伝わるか伝わらないかは、ひとえに私たちの努力にかかっていると思います。ここでこうして診療しているのも何かのご縁で、本当に温かい人たちに囲まれながらここまでやってこれました。その期待に応えられるよう、今後も励んでいきたいと思います。

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