20代にも多い尿漏れや頻尿に
女性医師が親身になって対応
池田産婦人科医院
(京都市伏見区/桃山南口駅)
最終更新日:2022/06/16


- 保険診療
頻尿や尿もれ、その回数や量などおしっこに関する悩み。誰かに相談したいなと思っても、相談できる相手がいないので、「仕方がない」と諦めてしまうか、「たいしたことないから」と我慢してしまいがち。特に女性の場合、男性患者の多い泌尿器科への受診をためらってしまうことも。一般的に知られている中高年女性だけでなく、20代などの若い女性にも多いとされる尿のトラブルに悩まされた時、どうすればいいのか。改善できる方法はあるのか。女性泌尿器科を掲げて、女性医師が同性のデリケートな悩みに寄り添い、対応している「池田産婦人科医院」の福井彩子先生、梶野真由果先生、鈴木友里先生に、尿トラブルの種類やその原因、治療法について詳しく聞いた。
(取材日2022年6月6日)
目次
人には相談しづらい尿トラブルに女性医師が対応。患者の気持ちに寄り添った診療を提供
- Q若い女性にも尿トラブルで悩んでいる人が多いのですか?
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A
▲日本泌尿器科学会泌尿器科専門医である福井彩子先生
【福井先生】尿失禁など尿に関するトラブルは、中高年の女性の悩みというイメージが強いと思います。しかし、産後など若い女性にも意外に多く見られ、私自身も女性泌尿器科を標榜しているこのクリニックで診察するようになって、尿失禁で悩んでおられる若い患者さんの多さを実感していますね。妊娠中は腹圧が高く尿が漏れやすい状態なので、仕方ないと諦めておられる方が少なくないですが、出産後もそのうち治るだろうと治療を受けておられない方が多いのが現状です。しかし、不快な状態を放置すると産後うつにつながるリスクも。また、市販の尿パッドで対応している方もおられますが、デリケートゾーンのトラブルを招く心配があります。
- Q尿トラブルはどのような原因で起こるのですか?
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A
▲夜の星空をデザインしたトイレなどリラックスできる環境を提供
【梶野先生】尿失禁は尿道に問題がある腹圧性と、膀胱に問題がある切迫性に大別できます。腹圧性は妊娠出産を経験して、尿道を締める骨盤底筋が緩むことが大きな原因です。くしゃみや、重い物を持ったりすると漏れてしまうのが特徴ですね。また、赤ちゃんが大きくなると腹圧が高くなるので、妊娠後期になるとかなり多くの方が尿漏れを経験されます。肥満も腹圧が高くなるので原因の一つなんですよ。一方、切迫性は加齢に伴って膀胱が過敏になる活動膀胱などが原因です。糖尿病や高血圧といった基礎疾患、脳神経系の病気やヘルニアなど脊椎の病気が原因になることもあります。腹圧性と切迫性の両方を発症しておられる方もいらっしゃいますね。
- Q検査・診察・治療について教えてください。
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A
▲常に「自分がされる立場だったらどうか」を考えて診療にあたる
【福井先生】尿トラブルに膀胱炎が隠れている可能性もあるので、まずは尿検査を行います。膀胱炎が原因になっている場合は、お薬で症状が改善につながるケースが大半です。膀胱炎が見られない場合は、問診などを行って尿失禁が腹圧性なのか切迫性なのかを判断します。腹圧性の尿失禁が疑われる場合は、尿道の緩みをチェックするために実際に咳をしてもらって尿道の状態や尿漏れを確認する検査を行うこともありますよ。治療は腹圧性の場合も切迫性の場合も、まずは緩んだ筋肉を鍛える骨盤底筋体操に取り組んでいただきます。腹圧性の尿失禁で、およそ3ヵ月間体操をして変化が見られない場合には、尿道を締める目的のお薬を使うこともあります。
- Q体操を続けるのは根気が必要ですね。
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A
▲気さくで柔らかい雰囲気で語る鈴木先生
【鈴木先生】骨盤底筋体操は一定期間継続する必要があり、またご高齢の方は比較的結果に現れにくいのが難点。そこで当院では、電磁波を発する機械を用いた治療をご案内することもあります。服を着たまま座って使用できるので、恥ずかしさや治療の違和感が軽減され、気軽に続けやすいのではないでしょうか。また、骨盤底筋の位置や鍛える感覚が体感でき、普段の体操にも生かせることも。ところで、骨盤底筋体操は膣のトレーニングとも言われ、最近では動画サイトなどで膣トレの方法が紹介されています。ただ、ネットの情報をうのみにして自己流の膣トレはお勧めできませんので、少しでもお悩みがあれば当院に気軽にご相談に来ていただきたいです。
- Q女性泌尿器科なら女性が気軽に受診できそうですね。
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A
▲必要に応じて専門の医療機関への紹介も速やかに対応する
【福井先生】実は婦人科に来られる多くの女性が尿もれなどの女性特有のお悩みを抱えています。皆さんやはり一般の泌尿器科は敷居が高く婦人科に相談しようと思われるのですね。そのため当院では婦人科と合わせて女性泌尿器科にも対応しています。おしっこの悩みはパートナーにも相談しづらいので、当院で同性のドクターと話をして、悩んでいるのは自分だけではないとわかるだけで安心できると思います。悩みを話せる場所があると、ついさぼりがちになってしまう骨盤庭筋体操も、「この次まで頑張ろう」と思えるのではないでしょうか。疾患を治すだけではなく、患者さんの抱えておられる悩みに寄り添うこともクリニックの大切な役目だと思います。