検査するならどれがいい?
超音波を用いたREMS法の骨密度検査
百万遍クリニック
(京都市左京区/元田中駅)
最終更新日:2025/04/10


- 保険診療
骨がもろくなり、骨折しやすくなる骨粗しょう症。特に女性の場合は50歳前後の閉経を迎えたタイミングでリスクが高まるそうだ。骨粗しょう症かどうかを調べるには骨密度検査をする必要があるが、その検査方法にもさまざまあるという。「骨密度検査の中でも、REMS法はメリットの大きな検査方法の一つ」と話すのは、骨粗しょう症の治療や予防に取り組む「百万遍クリニック」の重富博之院長。何度も骨密度検査が必要となる骨粗しょう症患者のために、被ばくがなく、精度に優れたREMS法による骨密度検査を早々に導入した。今回は骨密度検査の必要性や種類、骨粗しょう症の治療について詳しく解説してもらった。
(取材日2025年3月18日)
目次
妊娠中や脊椎変形のある人も検査が可能。被ばくの心配がないREMS法という新しい骨密度検査とは
- Q骨密度検査は、どのような時に受けるのですか?
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A
▲骨粗しょう症予防には、早期発見が大切と語る重富院長
骨密度検査は、骨粗しょう症が疑われる時に行う検査です。骨粗しょう症とは、骨がもろくなる病気で、初期には自覚症状がないのが特徴です。主な原因は加齢によるものですが、ほかにも血液をサラサラにするためのお薬やステロイド剤の長期服用をしている人、パーキンソン病や関節リウマチなどの病気がある人、激しいスポーツをするアスリートなどは注意が必要です。気づかずに放置すると、どんどん骨がスカスカになり、やがてはちょっとしたことでも骨折するようになります。そうならないためには早期に発見し、適切な治療を開始することが大切です。ですが、現在の日本の骨粗しょう症検診率は4~5%と低迷が続いており、問題視されています。
- Q骨密度検査には、どのような種類がありますか?
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A
▲被ばくの心配がないREMS法による骨密度検査を導入している
一般的に多くの医療機関で導入されている方法に、DXA(デキサ)法という測定方法があります。強さの違う2種類のエックス線を骨に当て、その吸収率の差で骨密度を測定するというものです。しかし残念ながらこのDXA法はエックス線を用いた検査なので、妊婦や妊娠の可能性のある人は検査することができません。そこで注目されるのがREMS法という検査方法です。超音波を用いた検査で、エックス線を使わないので被ばくの心配がなく、どなたでも検査が受けられます。また比較的小さい機械なのでどこでも検査することが可能です。ただ日本ではまだ新しい機器ですので、導入している医療機関はごく限られています。
- Q骨密度検査は何歳から受けるべきですか?
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A
▲初期の骨粗しょう症は自覚症状がないため、定期的な検査が大切
骨量の低下は女性ホルモンの影響を受けているといわれています。そのため、女性であれば閉経が近い50歳前後で一度検査してみることをお勧めします。骨粗しょう症は高齢者の病気と思われがちですが、実際は50歳頃から徐々に進行し、70代や80代になって骨折して初めて気づくケースがほとんどです。もちろん治療法はあるのですが、一度低下してしまった骨密度を上昇させるには時間がかかってしまいます。ですので、骨密度が下がりきってしまう前に早期発見し、それ以上低下させないことが重要になってきます。また女性だけでなく、男性も骨粗しょう症になる可能性はありますから、50~60代になったら検査してみてほしいですね。
- Qどのような人がREMS法に向いていますか?
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A
▲日頃の食事や運動の積み重ねが、骨粗しょう症の予防につながる
DXA法は精度の高い検査法ですが、その測定方法の特質上、人によって誤差が生じることがあります。高齢になると脊椎が変化して骨硬化や変形などが増加しますが、こういった症状のある人が検査した場合、骨密度が低いのに数値が高く計測されるといったケースが起こります。過去に脊椎変形が指摘されたことがある人は、REMS法を選択したほうが良いでしょう。また当院が扱うREMS法による骨密度測定装置には、FRAX骨折リスク評価ツールが搭載されています。40歳以上を対象に10年以内に骨粗しょう症による骨折が発生する確率を計算してくれますので、今後の治療にも生かしやすいでしょう。
- Q骨粗しょう症の場合、こちらではどんな治療を行っていますか?
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A
▲患者一人ひとりに合わせた治療を提供
骨粗しょう症の治療は、飲み薬や注射が中心になります。治療薬にもさまざまな種類がありますので、REMS法による骨密度検査に加えて血液検査も行い、患者さんの状態をしっかり把握した上で、お一人お一人に合った薬を選んでいます。また骨密度を高めるには、生活習慣の改善も大切な要素です。当院ではパンフレットをお渡しし、ご自宅で取り組みやすい食事指導や運動のアドバイスを行っています。患者さんの中には、骨密度検査をしたかったけど被ばくが気になって受けられなかった人もいるかと思います。検査だけでも可能ですので、ご相談いただきたいですね。