不正出血があればすぐに受診を
前がんの発見に有用な子宮がん検診
あいこ女性クリニック
(名古屋市名東区/一社駅)
最終更新日:2022/04/07


- 保険診療
子宮がんは、最近増えつつあるがんの一つだが、検診などで予防も可能な病気でもある。にもかかわらず、女性として抵抗があるためか、子宮がん検診の受診率は低い。「子宮がん検診の良いところは、胃がんや大腸がんのように検査の前に絶食したり下剤を飲むような処置も必要なく、子宮という臓器が外から手が届く位置にあるため、細胞検査で済む点にあります」と話すのは、「あいこ女性クリニック」の牧野亜衣子院長。女性医師ならではの心配りで検診を行っている牧野院長に、子宮がん検診の流れや注意点を聞いた。
(取材日2022年3月17日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q子宮がん検診のタイミングと注意すべき年齢を教えてください。
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A
子宮がんには「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種があり、同じがんでもそれぞれ原因や罹患する年齢層がまったく違います。子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに感染したことによりがん化します。年齢層は若い女性が多いです。子宮体がんは、女性ホルモンの長期的な刺激などが要因で、40代以上の女性が注意すべきがんです。ですから、どんな年代の女性にもがん検診は必要です。受けるタイミングとしては、症状やこれまでの検診で異常がない人は2年に1度と推奨されています。不正出血などの症状があれば、市区町村の検診時期を待たずに、すぐに検診を受けたほうがよいでしょう。
- Q子宮がんになりやすい原因はあるのでしょうか?
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A
子宮体がんは、エストロゲンという女性ホルモンの刺激が長く続くことが関係することが原因ですから、生理不順などを長年放置していた方は注意されたほうが良いと思います。出血が異常に多いなどの症状や不正出血がある場合に、婦人科を受診してきちんと対処していなければ、閉経してから子宮体がんを発症することにもつながりかねません。また、エストロゲンという女性ホルモンと脂肪細胞は関係が深いので、肥満もリスクの一つになりうるでしょう。子宮頸がんは、ウイルス感染が原因ですから、子宮頸がんワクチンを打ったり、妊娠を望まない性交渉ではコンドームを使用することが予防になります。
- Q検診時に痛みはあるのでしょうか?
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A
痛みはまったくないわけではありませんが、当院では膣に挿入する器具のサイズを各種用意し、その人に合ったサイズのものを使用して痛みの軽減に努めています。もちろん、痛いのに無理に診察することはありませんので、安心してください。また、患者さん側が緊張していると力が入ってしまって痛みにつながるので、できるだけリラックスして受けられるような声がけもしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診票に記入
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まず問診票に記入することから始める。内容項目は、最終月経をはじめ月経周期、妊娠出産歴、服用の薬について、自覚症状など。また、市区町村の公費検診で受ける場合は事前予約の際に、その旨を伝えておく。
- 2問診
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問診票をもとにアレルギーなどの既往歴がないかなどを確認。その後、触診と細胞診についての流れが説明される。「婦人科での検診が初めての患者さんもいるので、検診について不安がないかを確認しながら説明をしています」と牧野院長。内診前の緊張をほぐすような工夫をしているという。検査結果は約1週間後に出るとのこと。
- 3触診
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膣から指を入れて子宮の入り口の状態を診る。おなかを触って子宮の大きさや腫れがないかを確認していく。症状によっては子宮や卵巣を観察する経膣超音波検査を行うこともあるという。
- 4細胞診
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膣鏡という膣の中が見やすくなる器具があり、その器具を使って膣の奥にある子宮の入り口の細胞を採取する。同院では膣鏡もいろいろなサイズをそろえており、患者のサイズに合わせて痛みのないように配慮して行うという。触診と細胞診を受ける内診台にはカーテンもあり、プライバシーにも配慮がされている。