塩之谷整形外科

塩之谷整形外科

塩之谷 昌院長、塩之谷 香副院長

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豊橋駅から車で20分、開院47年目を迎える「塩之谷整形外科」は院長の塩之谷昌先生とその娘である副院長の塩之谷香先生が診察にあたるクリニックだ。足腰に悩みを抱える人が多いため、待合室には足を伸ばしたまま座れたり、横になったりできるよう畳のスペースを設置。おもちゃも充実しており、子ども連れでの来院も安心だ。整形外科に関する幅広い診療に対応するだけでなく、専門性に特化した診療にも注力。昌先生は手根管症候群治療を、香先生は手の外科に加え足の外科を専門とし、香先生が立ち上げた専門外来「足と靴の外来」には県外から通院する患者も多いという。2人の診療に対する思いは、苦しみに耐える患者に寄り添い、人生を照らすものなのだろう。そう強く感じる取材となった。
(取材日2018年1月15日)

地元である東三河に医療で貢献すべく開院を決意

―なぜこの地で開院しようと思われたのですか?

【昌先生】私は豊橋市出身なのですが、若い頃は東三河地区ではまだ整形外科のクリニックは少なかったんです。そこで、「私がやらなければ!」という思いで開院を決意しました。当時は今のように「手の外科」や「リウマチ科」など整形外科の領域が細かく分類されておらず、整形外科に関することはすべて診るのが当然の時代。毎日多くの患者さんを診ていました。大変ではありましたが、以前勤めていた愛知厚生連の渥美病院では外来だけでなく多くの入院患者も1人で診ていましたので、忙しいということには慣れていましたね。日々懸命に患者さんと向き合う中、手のしびれの「手根管症候群」の女性が多いことに気づきました。

―手根管症候群とはどのような疾患なのでしょうか。

【昌先生】症状としては手のしびれや痛みで、明け方に強く症状が出るという特徴で知られています。手をよく使う中高年女性に多いのですが、渥美地方は農業従事者が多いため、発症する人が多いのです。当時はあまりこの疾患が知られていなかったため医師であっても診断が難しく、原因がわからないままノイローゼやリウマチなどの診断を受け、患者さんは痛みとしびれに耐えていたということがありました。そんな中、1970年に学会で手根管症候群についての発表をし、テレビ番組で取り上げられるなど反響を呼びました。遠方からも多くの患者さんが来られるようになり、さらに忙しくなりましたね。でも今は娘も手伝ってくれているのでだいぶ楽になったと感じています。今でも手根管症候群は見落とされやすい病気です。だからこそ診断で一番大切なのは患者さんの訴えをよく聞くこと。朝方の手のしびれなどが気になるようでしたら、ぜひ受診をしてもらいたいです。

―香先生はクリニックでの診療をスタートするにあたり、足と靴の専門外来を立ち上げたそうですね。

【香先生】実は私は手の外科を専門に学び、学位も手関節の内視鏡で取りました。しかし手の外科に比べ足の外科を専門としている医師が少なく、当時の上司が「きみは足をやりなさい」という勧めもあって足と靴の研鑽を深めることを決めたのです。大学でも足の外科をやっている先生はおらず、その中で手の外科も足の外科も学ぶ私は異例中の異例の存在。周りからはたいへん驚かれましたが、手の外科で身に付けた知識や技術と、背中を押してくれた恩師の存在が、医師としての私の人生を変えてくれたと感じています。現在も毎年足の外科の手術トレーニングを受けにドイツへ行っています。足にトラブルを抱える人に対しての治療はさまざまありますが、私が注目したのは靴です。整形外科を専門とする医師でも、歩き方や足のトラブルが靴選びによって改善することがあるとは、あまり知られていません。しかし私は靴が持つ力を、もっと知っていただきたいと考えています。



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