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塩之谷 昌 理事長、塩之谷 香 院長、市川 義明 副院長の独自取材記事

塩之谷整形外科

(豊橋市/向ヶ丘駅)

最終更新日:2019/08/28

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今年で開院47年目を迎える「塩之谷整形外科」は、長きにわたって患者の悩みの解決に尽力してきたクリニックだ。理事長の塩之谷昌先生とその娘である院長の塩之谷香先生、4月より副院長に就任した市川義明先生は、それぞれ整形外科に関する幅広い診療を行うだけでなく、専門性に特化した診療にも対応。香先生と同じく、足の外科で研鑽を深めてきた市川先生が加わったことで、これまで以上に多くの患者の治療に取り組むことができることとなった。また香先生が中心となって取り組む専門外来「足と靴の外来」には、県外から通院する患者も多い。痛みや苦しみに耐える患者に寄り添う同院の診療は、人生を照らすものなのだろう。そう強く感じる取材となった。
(取材日2018年4月4日)

地元に医療で貢献すべく開院を決意

開院の経緯を教えてください。

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【昌先生】私は豊橋市出身なのですが、若い頃は東三河地区ではまだ整形外科のクリニックは少なく、「私がやらなければ!」という思いで開院を決意しました。当時は今のように整形外科の領域は細かく分類されておらず、整形外科に関することはすべて診るのが当然の時代。毎日多くの患者さんを診ていました。大変ではありましたが、以前勤めていた愛知厚生連渥美病院では外来だけでなく多くの入院患者も1人で診ていましたので、忙しいということには慣れていましたね。日々患者さんと向き合う中、手のしびれの「手根管症候群」の女性が多いことに気づきました。

手根管症候群とはどのような疾患なのでしょうか。

【昌先生】症状としては手のしびれや痛みで、明け方に強く症状が出るという特徴で知られています。手をよく使う中高年女性に多いのですが、渥美地方は農業従事者が多く、発症する人が多いのです。当時はあまりこの疾患が知られていなかったため医師であっても診断が難しく、患者さんは痛みとしびれに耐えていたということがありました。そんな中、1970年に学会で手根管症候群についての発表をし、テレビ番組で取り上げられるなど反響を呼びました。今でも手根管症候群は見落とされやすい病気です。だからこそ診断で一番大切なのは患者さんの訴えをよく聞くこと。朝方の手のしびれなどが気になるようでしたら、ぜひ受診をしてもらいたいです。

香先生は貴院での診療スタートにあたり、足と靴の専門外来を立ち上げたそうですね。

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【香先生】実は私は手の外科を専門に学び、学位も手関節の内視鏡の研究で取りました。しかし手の外科に比べ足の外科を専門とする医師が少なく、当時の上司の「きみは足をやりなさい」という勧めもあって足と靴の研鑽を深めることを決めたのです。大学でも足の外科をやっている先生はおらず、その中で手の外科も足の外科も取り組む私は異例中の異例の存在。周りからはたいへん驚かれましたが、手の外科で身につけた知識や技術と、背中を押してくれた恩師の存在が、医師としての私の人生を変えてくれたと感じています。現在も毎年足の外科の手術トレーニングを受けにドイツへ行っています。足にトラブルを抱える人に対しての治療はさまざまありますが、私が注目したのは靴です。整形外科を専門とする医師でも、歩き方や足のトラブルが靴選びによって改善することがあるとは、あまり知られていません。しかし私は靴が持つ力を、もっと知ってほしいと考えています。

患者の人生を支える

足と靴の外来ではどのような症状の方が来られますか?

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【香先生】足の変形や痛みを訴える方が多いですね。診療を希望される方には、普段履いている靴を持ってきていただくことをお願いしています。普段履いている靴から患者さんの歩き方の癖や、合う靴を履いているのかどうかなどがわかりますから。また、足の症状を改善させるには適切な靴選びが最も重要です。義肢装具会社や靴店の協力の下、必要に応じてインソールの処方を行っています。 また、足と靴について広く知っていただくために私自身が著書やメディアを通して発信を行い、さらにはJAGSS(日独小児靴学研究会)を立ち上げ、共同代表兼、常任講師を務めています。第一線に立つ医師として、一般の方や医療関係者に研修会を開き、正しい知識を正式な形で教育できる仕組みがつくりたかったのです。

巻き爪や陥入爪などの治療にも注力して取り組まれているとか。

【香先生】足の爪は、靴の良し悪しからも影響を受けるものなので、欠かせないものと思っています。症状や患者さんのご希望を踏まえ、巻いている爪は超弾性ワイヤーで矯正し、陥入爪はさまざまな方法を用いて炎症の沈静化をめざしています。新しい手術方法を考案して講演や学会報告を行うなどしており、多くの専門書や教科書などにも爪の治療方法の執筆を行っています。

市川先生も、足の外科で研鑽を積まれてきたそうですね。

【市川先生】はい、これまでにも大学や市民病院で診療や手術に多く取り組んできました。ご縁があって香先生と出会ったのが、約3年前のこと。足の外科の勉強のために、こちらで週に1回、手術を見学させてもらえることになったんです。その後、勤務の都合で見学を続けることが難しくなったのですが、その折、香先生から「本格的に診療を手伝ってほしい」とお願いされ、副院長として診療に携わることを決めました。

こちらで得た経験は大きかったのではないでしょうか?

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【市川先生】香先生がお話しされたとおり、この分野は専門の医師が少なく、学びを得る機会も多くはありません。だからこそ、第一線で活躍する香先生のもとで得た経験は、医師としてとても大きなものと感じています。足の悩みの原因は必ずしも整形外科疾患ということではありませんが、足のことで悩んだ時に、「足のことなら、塩之谷整形外科に相談すれば何とかなる」と思っていただけるように、香先生と協力しながら患者さんを支えていきたいです。

アットホームな診療で患者を支える

さまざまな取り組みから、熱意が伝わってきます。心に残るエピソードなどありますか?

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【香先生】靴店でのある出来事が、私が足と靴の分野に向かうきっかけになりました。たまたま小さなお子さんの靴選びに居合わせたんです。店員さんが選んだ靴を履いたお子さんが、にこにこと手を振ってお母さんのもとへ歩きだして。聞けばそのお子さんは、一人では十分に歩くことができず、学校にも通えていなかったそうで、初めて自分の足に合った靴を履いて歩くことができたことが、本当にうれしいといった様子でした。よほどだったのか、その靴を手放さないくらいだったんです(笑)。連れ添っていたお母さんや靴店の方も、とても驚かれていましたね。もちろん、私も。靴の持つ力を目の当たりにし、靴選びの重要性を感じるとともに、靴のことをもっと学びたいという決意につながりました。今振り返っても、あの時目にした光景が、医師として自分の使命がはっきりとわかった瞬間だったと思います。

医院を支えるスタッフについても教えてください。

【香先生】看護師が11人、リハビリテーション部門スタッフが5人、診療放射線技師が2人、事務が5人、厨房スタッフが2人在籍しています。特徴はスタッフの勤続年数の長さです。多くは35年~45年勤務してくれている方で、まさに当院の歴史を支えてくれた存在。スタッフ自身のご家族よりも付き合いが長い方ばかりです。この勤務年数の長さはスタッフ一人ひとりの努力を表していますし、スタッフが変わらないというのは患者さんの安心にもつながりますので、受付でも親切でスムーズな対応を心がけてもらっています。

今後の展望を教えていただけますでしょうか。

【昌先生】娘は、私にしてみたら驚くほどの良い功績を残してくれました。新たなカテゴリーに挑戦し、足と靴、爪の外来を確立してくれました。誇りに思っています。
【香先生】父にこんなに褒められたのは初めてです(笑)。まだまだ父にも頑張ってもらいたいですが、いずれ父が引退しても患者さんに変わりない診療ができるよう、市川先生と力を合わせてこれからも前進していきたいです。
【市川先生】今後は手術など、さらに多くの患者さんの治療に取り組めることとなると思います。その一助となれるよう、私も励んでいきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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【香先生】残念ながら足と靴の外来はまだまだ広く知られておらず、巻き爪で間違った治療をされ長年苦しんだという患者さんを何人も診てきました。爪の病気は何科に行けば良いか迷うと思いますが、爪や足に詳しい専門の医師がいる医院にご相談いただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

爪の矯正治療で用いるワイヤー/1本4000円(税抜)

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