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痛風の症状と治療法
さまざまな要因で引き起こされる痛風発作

高沢内科

(豊橋市/豊橋駅)

最終更新日:2021/10/12

高沢内科 痛風の症状と治療法 さまざまな要因で引き起こされる痛風発作 高沢内科 痛風の症状と治療法 さまざまな要因で引き起こされる痛風発作
  • 保険診療

痛風とは、どのような症状があり何が原因で発症するのか。何となくおいしい食事や飲酒が好きな人や、中高年の男性に多いというイメージもあるが、特別な病気ではなく誰でもなり得る生活習慣病の一つであるという。「風が吹いただけでも痛い」と例えられるように、痛風発作は激痛を伴い、発作が治まった後も長期にわたって治療に取り組むことが重要となる。さらに、痛風を罹患している人は高脂血症、高血圧症などの他の生活習慣病や、脳梗塞・動脈硬化などの合併症を発症するリスクが高まるともいわれている。今回の取材では豊橋で30年以上地域医療に貢献し、痛風の治療を得意とする、「高沢内科」の院長を務める高澤雅秋先生に、日常生活で気をつけたいこと、患者と二人三脚で行う治療について話を聞いた。

(取材日2019年11月13日)

痛風発作は潜伏期間を経て発症。痛風予防のため日常生活で気をつけたいことと、症状に合わせた痛風の治療法

Q痛風とはどのような病気なのでしょうか?
A
高沢内科 痛風の症状について説明

▲痛風の症状について説明

痛風とは尿酸塩結晶による関節の炎症などを起こす疾患のことです。血清尿酸の値が7mg/dlを超えた状態が長く続くと、血液に溶けきらなかった尿酸が結晶化して関節に沈着します。この沈着した尿酸塩結晶が、何かしらの原因で関節の中で剥がれ落ち、それを異物として認識した白血球が排除しようとして炎症が起きます。痛風発作のきっかけとなる具体的な例として、楽しくわくわくするようなプラスのストレスやつらいことなどのマイナスのストレス、激しい運動、急激な尿酸値の変動です。実際に、スキーをして痛風発作を起こした人、サウナに入って痛風発作を起こした人もいます。痛風発作はある日突然起こり、腫れと激痛を伴うのが特徴です。

Q痛風になる原因やその症状について教えてください。
A
高沢内科 先生は自分自身で体感し、患者に提供している

▲先生は自分自身で体感し、患者に提供している

初めて痛風発作が発症するまでに5年以上、尿酸値が7mg/dlを超える高尿酸血症の状態であるといわれています。ご自身の尿酸値が適正範囲内にあるかは、健康診断の結果で確認することができます。痛風の要因となるのは、尿酸の体の中で作られる量と体の外へ排泄される量のバランスがくずれることです。尿酸値が高くなりやすい環境要因としては、主には肥満、飲酒をするなどです。痛風発作の前兆の症状として、関節の違和感やムズムズ感があります。これを痛風発作の前兆期と呼んでいますが、不思議と夜間に感じる人が多く発作の場所は足が多いですが、関節のある場所であれば手首など、どこにでも発症する可能性があります。

Q痛風は治る病気なのでしょうか?
A
高沢内科 痛風患者には資料を用いて説明

▲痛風患者には資料を用いて説明

痛風発作と呼ばれる急性関節炎は、炎症や痛みを抑えることを目的とした薬を服用し、通常1~2週間程度で緩和につなげていきます。しかし、痛風発作の原因となった尿酸塩の沈着を放置すれば繰り返し関節炎を発症することになります。治療方法としては発作が治まった後も尿酸値を下げるための薬を服用しながら、元凶である関節に沈着している尿酸塩結晶を少しずつ溶かすことを図り、高尿酸血症の改善をめざしていきます。要する期間としては、血清尿酸値6.0mg/dl以下の状態で最低5年以上保つ必要があります。原因となった生活習慣そのものを改善しながら、長期にわたる治療と付き合っていけるよう患者さん自身の努力がとても大切です。

Q痛風の治療方法について教えてください。
A
高沢内科 通いやすい雰囲気で患者を受け入れている

▲通いやすい雰囲気で患者を受け入れている

まず痛風発作が起きている時は、患部を心臓より高くして冷やしながら安静にしてください。患者さんには鎮痛剤を内服していただきます。この時、患部を温めたりもんだりしてはいけません。次に、痛風発作が治まっている患者さんには、痛風の痛みが消失して2週間以上経過してから尿酸降下薬の内服を開始していただきます。最後に、痛風発作を起こす前の前兆期です。ムズムズ感や関節の違和感が起こった時にコルヒチンを内服して発作の予防を図ります。コルヒチンを1~2回服用しても結果が出ない場合は、痛風発作と同様の治療に移ります。発作を起こしている時に尿酸を下げると却って痛みが悪化するので発作中に尿酸降下薬は開始しません。

Q痛風を予防するため日常生活で気をつけることは何でしょうか?
A
高沢内科 患者一人ひとりに向き合う高澤先生

▲患者一人ひとりに向き合う高澤先生

一番は体重が増えすぎないようにすることです。穀類はプリン体が少なく、肉魚は中等量ですが、ともに良質なタンパク質を含むため、1食80g程度を目安にバランス良く食べましょう。あえて言うなら鶏レバー、マイワシ干物、あん肝、白子など極めてプリン体が多い食品には注意してください。野菜、きのこ、海藻などのプリン体は尿酸値を上げにくいと考えられ、乳製品やお茶に含まれるカゼインやカテキンは尿酸排泄を促すので有用でしょう。同じく尿酸排泄のために多めの水分を取ることも大切。1日7000~8000歩程度のウォーキングもお勧めです。ただし、持病のある方などは主治医の指示に従ってください。

ドクターからのメッセージ

高澤 雅秋院長

患者さん自身が、痛風発作の起こるメカニズムを理解して医師と二人三脚で治療に取り組むことが大切です。痛風の治療は長期間になります。痛風発作が治まった後の治療にしっかりと取り組むことが重要です。尿酸降下薬開始から約3ヵ月間は、尿酸の数値と肝機能悪化などの副作用がないかを確認するために2週間ごとの受診をお願いしています。また尿酸値が下がり、通風発作がしばらく起こらず症状が良くなっているように思えても、沈着している尿酸塩結晶が消失したわけではありません。自己判断で薬を減らしたり、途中で中断しないでください。のんびり、ゆったりと一緒に考えて治療していきましょう。

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