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杉田 信太郎 院長の独自取材記事

杉田眼科

(名古屋市中村区/中村区役所駅)

最終更新日:2021/10/12

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桜通線中村区役所駅から徒歩5分。下町情緒あふれる町中に、創業50年を迎える老舗医院「杉田眼科」がある。2代目院長の杉田信太郎先生はこの町の出身。母が開業した医院を引き継ぎ、今年で16年目になる。親子2代にわたり、一貫して守り続けているのは“患者に対する丁寧な姿勢”。きめ細かな説明、笑顔と優しい言葉。昭和から平成へ、時代が変わってもその方針はまったく揺らぐことがない。「特別なことは何もしていないんですよ」と笑う杉田先生。しかし、それならなぜ半世紀もの間、途切れることなく患者が訪れるのだろうか。なぜこんなにも支持され続けているのだろうか。その理由を探るべく、さまざまな角度から話を聞いた。

(取材日2016年6月24日)

50年の伝統を守り続ける医院

医師になったきっかけをお聞かせください。

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両親はもちろん、親戚中が医師という家系で育ちましたので、自然の成り行きでそうなりました。専門分野も眼科医が一番多かったので、他に目移りすることもなく、まっすぐにこの道に進んだ次第です。父は病院の勤務医でしたが、母はこの町で眼科医院を開業しました。そこを私が引き継いで今に至ります。開業は1965年頃ですから、かれこれ50年はたちますね。生まれ育ったこの町で医師として活動できるのは、私にとっても喜ばしいことです。

地域の特徴についてお話しいただけますか?

やはりご高齢者が多いですね。全国的に高齢化が進んでいますが、この辺りは特に顕著だと思います。私は小学校の校医も務めているのですが、年々子どもの数が減り、1学年に1クラスだけというのも珍しくありません。昔はそんなことはなかったんですよ。この医院からも、子どもの泣き声がしょっちゅう聞こえてきましたしね。これも少子化の影響でしょう。しかし、決して町中が暗いとかそういうことはありません。住民は、気さくで温厚な人が多く、エプロン姿で来院される患者さんも珍しくないですよ(笑)。

院全体もすごくアットホームな感じがします。

これでも5、6年前に一度改装はしているんですよ。ただ、昔ながらの雰囲気はそのまま残そうと。母の時代にはなかった検査機器を入れるなど、それなりに手を加えてはいますが、インテリアや内装は基本的に昔のままにしてあります。モダンでお洒落なクリニックが最近の流行のようですが、ここがそういうふうになったら、おじいちゃんやおばあちゃんは入りづらいでしょう? リフォームの際も、そこは留意しましたね。外からも中の様子がわかるようにしてありますし、待合から診察室が見渡せるようその先のドアはすべてガラス張りにしました。待合室ではお年を召した方でも心からくつろげるような、レトロな空気感と和やかな雰囲気を大切にしています。

スタッフも和気あいあいとしていて、とてもいい雰囲気ですね。

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当院は医師の私以外、スタッフは全員女性です。うち3人が母の代から働いてくれています。他の人も長いですね。入れ替わりが激しいと言われることの多い個人クリニックで、これはまれなことでしょう。皆仲が良く、患者さんのこともよくわかってくれていて助かりますよ。スタッフがいつもにこにこしていれば、その波長は患者さんにも伝わります。院全体がアットホームな感じがするのは、そのせいかもしれません。

丁寧な説明と優しい対応がモットー

患者さんの主訴で最も多いのは、どんな症状ですか?

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高齢の患者さんが多く、白内障、緑内障、黄斑変性などの病気の方が多いです。緑内障や黄斑変性だと、手遅れになると失明する可能性もあるので、症状が進む前に早めに受診していただきたいですね。手術治療が必要な場合は、私の親族の眼科専門病院へ紹介し、手術後は当院で経過観察するので、遠方の病院へ通い続けなくて済みます。最近はインターネットでいろいろな情報を得られるので、逆に過度に心配して来院する人もいます。いずれも自己判断せず、きちんと医師の診断を受けてほしいと思います。

診察にあたって心がけていることはありますか?

患者さんの話をしっかりと聞くことです。途中でさえぎったりせず、最後まできちんと聞いて言いたいことは全部言ってもらいます。話を聞き終わったら、一人ひとりの理解力に合わせて丁寧に説明をします。言葉で足りないときは、絵や画像を見せます。特に高齢の方は耳も遠いですし、判断力も低下していますから、わかりやすい言葉でゆっくりと時間をかけてお話しするようにしています。この方針は母の代からまったく変わりません。

逆にお母さまの代から変えられたことはあるのでしょうか。

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母の時代は現代のように便利な検査機器もなく、昔ながらの眼科診療を行っていましたが、今は検査機器の進歩により、短時間の検査で多くの情報が得られるようになりました。ポラロイドで眼底写真を撮っていた頃と比べると、格段に便利になりましたね。しかしながら、そういった検査機器は高額で、数年で買い替えが必要になるものが多いので、経済的にはきついです。でも、患者さんのためならケチなことは言っていられません(笑)。早くて正確な診断をつけるために必要な検査機器は、無理をしてでも積極的に導入していきたいと思います。

受け継いだものを守りながら元気に診察していきたい

先生が考える眼科治療の重要性とは、どんなものなのでしょうか。

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目は感覚器の中で最も多くの情報を取り入れる重要な器官です。視覚を失ったら極端に生活が困難になりますよね。でも、年をとれば目が悪くなるのは仕方ないなどと考えて、ちょっとした変化を見逃してしまう患者さんがいます。早く発見していれば簡単な治療で済んだのに、発見が遅れて手術が必要になることもあります。眼底や視野の検査で、糖尿病や脳腫瘍などの体の病気が早期に見つかる場合もあります。少しでも目に異常を感じたら、早めに受診していただきたいです。

眼科にかかるベストタイミングはあるのでしょうか。

先ほど申し上げたとおり、少しでも変だと思ったら迷わず来ていただきたいですね。早期なら外来で数分間のレーザー治療で済む病気が、手遅れで入院手術が必要になってしまっては残念です。さらに理想を言うと、50歳を過ぎたら、明らかな自覚症状がなくても眼科への定期的な来院をお勧めします。例えば、緑内障の患者さんは、自覚症状が出たときにはすでに病状がかなり進行していることが珍しくありません。怖い検査ではないので(笑)、気軽にいらしてほしいです。

今後の展望について、お聞かせください。

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母が築いてきてくれた評判を落とさず、これまで以上に地域の人々に満足してもらえる医院にしたいですね。そのためにも無理な背伸びはせず、自分の手が届く範囲で精一杯丁寧な診療をしていきたいと思っています。そしてさらに将来は、今年医大に入学した娘に医院を継いでもらえればと淡い期待をしつつも、親の思いどおりになるとは限りません。強制はせず、娘が自ら医院を継ぎたいと思うように、せいぜい毎日楽しそうに仕事を続けるつもりです。

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