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細川 秀一 院長の独自取材記事

細川外科クリニック

(名古屋市中村区/中村区役所駅)

最終更新日:2020/04/01

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中村区役所駅から徒歩5分のところに位置する「細川外科クリニック」。下町情緒残るこの地で1995年に開院して以来、院長の細川秀一先生の明るい人柄で地域の住民から人気が高い。待ち時間の間少しでもリラックスしてもらえれば、という思いから、海水魚の大きな水槽が待合室には設置され、受付では女性スタッフがにこやかに対応し、院内はとても和やかな雰囲気だ。患者が気になる医療費などについても誠実に説明、対応をしてくれるので、安心して通えることから長く通う患者も多い。還暦を迎えたばかりとは思えないほど若々しく、バイタリティー溢れる細川院長に、開業医として強く胸に抱いている志について語ってもらった。
(取材日2016年5月17日)

在宅医療への思いと開業医としての使命

医師をめざしたきっかけはなんでしたか?

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父が内科の開業医で、患者さんに呼ばれれば夜中でも寒い冬でも駆けつけていました。僕は幼いながらその姿を見てすごく尊敬していましたし、早く楽にさせてあげたいとも思っていました。やがて大学受験を迎えるのですが、医者の息子だという自覚があったので、家の恥とならないように猛勉強しましたね。そこでいざ、僕が後を継ごうと父に相談すると「自分の診療所は一生自分でやり終えるから隣で開院してくれ」と言われて。当初の僕の思惑とは違う形での開院となりましたが、それは父のもとで長年勤務しているスタッフさんにやりにくさを感じさせないための配慮と父のプライドでもあったんだと思います。その後、父は宣言どおり、生涯現役を貫き亡くなりました。自分の家のベッドで最期を迎え、僕が死亡診断書を書いたんですが、在宅医療を施し、父に対しても開業医としても僕の使命を果たせたのではないかと思っています。

「細川外科クリニック」というクリニック名ですが、院長は外科がご専門なのですか?

僕は開院するまで名古屋第二赤十字病院などでずっと心臓外科にいました。医師をめざした当初から父を追い、開業医をめざしていたので、その思いの揺れ動くことはありませんでしたが、当時、僕にとって心臓外科を離れる、つまりメスを置くことに後ろ髪を引かれる気持ちもありましたね。心臓外科の医師としての誇りがあったので、クリニック名にも「外科」とつけた経緯があります。現在は、救急患者を受け入れたり、また警察医として年間350件に上る検視を行うなどして診療時間外でも経験を生かしています。

開院するにあたって、どんなクリニックにしたいと思いましたか?

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父から「開院するなら24時間体制でやれる覚悟がないとダメだ」と言われていましたし、僕自身も勤務医だった時から常にポケベルを身につけている生活に慣れていたので、開院する時は24時間365日患者に寄り添えるクリニックを立ち上げたいと思いました。1995年に開院して以来ずっと、診療時間外にかかってきた電話は僕の携帯電話に転送されるようにしています。電話では、明日まで待っても大丈夫な症状かどうか、あるいは他の病院への紹介、応急処置といったアドバイスができます。でも本音は、困っている患者さんにそこで生の声を聞かせてあげるのが何よりだと思っているのです。

めざすのは町のホッとできるコンビニクリニック

それではなかなかお休みする暇もないのでは?

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24時間の対応というと大変なことのように思われがちですが、診療時間外とはいえ、ほんの少しの時間を患者さんに割くというのは決して難しいことではないと思います。ほんの少し患者さんとお話をするだけで、患者さんは僕の声を聞いてすごく安心してくださいますし、それによって僕も患者さんからの信頼を得て、信頼関係をより強固にできるというやりがいのほうを大きく感じています。開院当初から重視してきた、在宅診療を始めとする患者さんに寄り添う地域医療の体制が、現在では行政によって積極的に整備されています。僕にとって開業医とは、いつでも対応し、なんでもそろっている安心感を提供できるコンビニのような親しみがあるべきだと思っていて、町のホッとできるコンビニクリニックをめざしています。

患者さんと信頼関係を築く上で留意していることはありますか?

たとえば受診した時、いくらかかるかわからないけれど、医師から提示されたものに従わざるをえない、いわば"価格表のない高級寿司屋さん"のようであってはならないと思うんです。なるべく医療費を上げなくても済むように、その人に合わせた治療を施そうと考えるのは当然のこと。少なくとも採血などの検査の必要な場合は、次回行うこと、またどれぐらいいつもより治療費が必要かなどを予告することを心がけています。医療費のことだけでなく、あらゆることにおいて、患者さんやそのご家庭に合わせた治療を行い、情報もしっかりと提供することが大切だと思います。

こちらはどのような地域だとお感じですか?また患者にはどのような悩みが多いでしょうか。

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当院には主に近隣住民の方が来られていますので、町を歩いていると「○○さん、最近顔色悪いけど大丈夫かしら」とお隣さんを心配する声を聞くことがあります。もちろん、そこで病状をお教えすることはありませんが、温かい人情味のあふれる町だなと感じています。当院は内科でもあるし、外科でもあるので、腰や膝の痛みで来院される方も多いです。患者さんの苦痛を少しでも取り除いてあげること、そして患者さんが帰る時に「ここへ来てよかった」と思ってもらうことも開業医の使命だと思っています。

手で触れ、目を合わせて、患者の心に応える診察

診察において心がけていることがあれば教えてください。

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なるべく触診をすることです。今は検査機械で身体の内部までわかるので、患者さんに触れずに診察することも可能です。ですが、聴診器をあてて聞くこと、脈を測って診ること、そうして目と目を合わせて診察するのと、ただレントゲンや数値だけを見て説明するのとでは、患者さんの満足度は大きく異なると思います。診察代とは、患者さんが「診察をしてもらった」という安堵感を得て初めて頂けるものですし、直に手で温もりを伝えて安心していただく、それは町のクリニックだからこそできることだと思っています。

スタッフさんもとてもにこやかですが、どのようなコミュニケーションを取られているのでしょうか?

開院当初から毎日の朝礼に加えて、毎週火曜日はお薬の勉強会やスタッフミーティングを欠かさず行っています。そこで患者さんの様子など情報の共有を図るだけでなく、時に医療関連の政治が話題にのぼることもありますね。われわれは医療事業で国からお金を頂いていますから、それに無関心でいてはならないという思いもあります。そうした考えなどを含め、スタッフと会話する時間を通していろんな思いを共有しています。

先生は他にも人間ドックや健康診断などを行う「公衆保健協会」を立ち上げ、理事長を務められています。

はい。例えば、がんは本人だけでなく周りにとっても心身、経済的に負担の大きい病気です。ですからしっかりと予防してほしい、そのために少なくとも1年に1回は検査をしてほしいという思いがあります。けれどどんなに僕に思いがあったとしても、それは1人では成し得ないので、公衆保健協会を立ち上げました。そこでは多くの人員と複数台のバスを用意して企業にて検診を行い、微力ながら社会貢献に努めています。こういうことをしていると、「いろいろなことをやって大変ではないですか?」とよく言われるのですが、「誰かがやらなければならないことなら、僕がやる」という気持ちで常にモチベーションを高く保っているので、まったく苦ではありません。

患者としても、とても頼もしいです。では最後に今後の展望をお聞かせください。

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僕は還暦を迎えましたし、2人の息子も去年そろって医者になったので、あと5年くらいで、開業医としての進退を考えたいなと漠然と思っています。とてもありがたいことですが、地域の方と親交が厚いので、その分引き際も大切でしょう。患者さんに僕の闘病している姿は見せるべきではなく、患者さんにとっていつまでも元気なイメージでいることもひとつの務めだと思っているので、元気なうちにゴールをしたいと考えています。そのためにいつまでも若々しく元気でいられるように、合間を縫って筋トレに励んでいきます(笑)。

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