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大輪 芳裕 院長の独自取材記事

荒川医院

(名古屋市東区/久屋大通駅)

最終更新日:2019/08/28

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久屋大通駅・高岳駅より徒歩5分、住宅街の一角に「荒川医院」がある。同院は、院長である大輪芳裕先生の曽祖父が開院し、約120年の歴史を誇る。大輪先生が前院長だった父から同院を引き継いだのは2007年。2012年に建て直し、バリアフリー設計に変更。建物は新しくなったものの、カエルの石像・敷石やガラスの一部を残すなど、以前の様子が垣間見える。院長就任まで、大輪先生は愛知医科大学病院で肝臓外科に携わり、その経験を活かして大病院との病診連携や同院近隣にある専門医との診診連携にも注力している。患者が安心して治療を受けるために、どんな人物かわかる「顔の見える医師」へ紹介することを重視し、家庭のかかりつけ医になりたいと話す大輪先生に話を聞いた。
(取材日2016年4月25日)

曽祖父の代から約120年続く歴史ある医院

こちらの医院は120年近く歴史があるそうですね。

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当院は、私の曽祖父の代から120年近く続いています。前院長に当たる私の父が曽祖父へ養子に入り、1961年から父が院長を引き継ぎました。開院当時の建物は空襲でなくなりましたが、今から47年前に再建したようです。しかし、東日本大震災後に耐震診断を受け、前の建物では地震に耐えられないとの指摘を受けたことがきっかけで、2012年に現在の建物に建て替えました。建物は新しくなりましたが、馴染みのある品は今でも残しています。以前の建物で診察室と待合室を仕切っていたガラスをカットし、受付の横にある壁に取り付けました。外の木の下に飾ってあるカエルの石像や敷石の一部も当時のものです。

建て直しをする際に意識されたことはありますか? 

建て直す前は古くて暗いイメージがあったため、どうしても院内に明るさが欲しかったんです。なるべく光を入れるために窓を大きくすると院内が丸見えになってしまいます。患者さんのプライバシーに配慮するため、窓を縦長にして数を増やしました。椅子にはこだわりがあったため、オーダーで座るところを区切れるようにしてありますが、間隔を広く取って横になれるスペースも作りました。温かみのある木を使っているのもポイントです。車いすでも入れるようにスロープを設置し、建物を少し後ろに下げて目の前に駐車場を作りました。内装のオレンジ色は、診察していた患者さんが亡くなった際にいただいた形見分けの絵に合うようにしたからです。大事な絵なんですよ。

先生が院長になられた経緯などお聞かせください。

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当院は曽祖父の代から皮膚科を専門としていました。父は愛知県医師会の会長を務め、肝臓外科を学び、当院を継ぐ前には皮膚科の勉強もしたそうです。私はというと、愛知医科大学病院に20年以上勤務しており、父から医院を継がなくていいと言われていたので、そのまま勤務医でいようと思っていたんです。しかし、留学が決まって準備を進めていた頃に、父が病気だということがわかりました。もし私が海外へ行ってしまうと父の看護ができなくなってしまう。親を取るか、研究者への道を取るかという選択を迫られました。そして私は、父を選んだんですね。留学しないのなら、大学病院でキャリアアップすることはできません。私も大学病院では肝臓外科を中心に学んできましたので、父の横で週1回手伝いを半年間続け、父のやり方を教えてもらいました。2006年8月まで父が院長を務め、他界した後2007年に、私が当院を引き継ぐことになりました。

徒歩圏内で病診連携や診診連携が取れるメリット

診療時に心がけていることはありますか? 

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患者さんの背景にある生活習慣や家族なども考慮しながら、診療するようにしています。古くからある当院には、2世代3世代と来院される方もいます。私がめざすのは、家庭のかかりつけ医になることです。家族に何か困ったことはここに来れば安心だと思ってもらえるようになりたいです。当院は、特徴がないのが特徴です。ただ、ここで診察可能な症状かどうかの見極めも重要で、病診連携だけでなく診診連携も行っています。たとえば熱性けいれんのお子さんが来院し、クーリングして吐物を取り出している間に大きな病院へ連絡を取り、連携することもありました。大きな病院への行く前のトリアージができればと思っています。

病診連携や診診連携について詳しく教えてください。

病診連携では、どんな方かわかる「顔の見える医師」へ紹介するようにしています。大きな病院は医師の数が多く、どの医師を紹介するかがポイントになります。病院よりも紹介した医師に対して患者さんは安心してくれるんです。信頼できる医師なら、患者さんをきちんと治療して当院へ戻してくれます。私を知っているからこそ、治療後に患者さんを戻しても安心だと思ってもらえる部分もあるはずです。大きな病院では、人事異動や先生の昇級などで外来担当の医師が変わることがありますよね。スムーズな連携には看護師長さんとの人間関係を築き、情報収集することが大切です。当院の近くにある愛知医科大学メディカルクリニックでは先進のCTができ、心臓の検査がすぐにできる循環器内科の診療所も近隣にあります。徒歩圏内で専門医に紹介できるメリットもありますが、他の先生たちとは親しい関係が築けているので、お互いに得意分野を生かした連携ができています。

どのような患者さんが来院されますか? 

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近くの飲食店勤務の方や会社を経営されている方が目立ちます。父が院長だった頃は、内科に関する相談は受けていましたが、診療は皮フ科だけに絞っていました。内科診療を当院でも扱うようになったのは、私が院長になってからです。内科診療を始めて浅いため、ほかのクリニックより10歳位若い年代の患者さんが多いかもしれませんね。今は、簡単な病気で対処できないものがないようにしています。そうできるようになったのも、勤務医時代に過ごした病院で勉強したおかげです。地方で病院の数が少なかったため、あらゆる症状の病気を診療する必要性に迫られていました。さまざまな手術も手がけた経験が生きているからこそ、多様な症状に対応できているのだと思います。どんな病気でも専門外と断らずに診察するという姿勢は大切にするようにしています。

患者と医師が協力して健康管理をしていきたいと願う

休日はどのように過ごされていますか? 

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書き物が多く、休日も忙しく過ごしていますね。私は愛知県医師会に所属していますので、医師会の業務が多いのですが、とてもやりがいを感じていますよ。1つの担当を長く務めているわけではなく、2年おきに担当が変わり、いろいろなことに携わらせていただいています。今は看護師の就職やナースセンターの活性化などの看護師対策、医療政策や医療制度についての調査室の担当です。毎朝新聞を読み、医療関連の情報をSNSで発信して、情報を多くの方々へ広げるように務めています。

今後の展望をお聞かせください。

地域のかかりつけ医としての役割を全うしたいと思っています。病診連携や診診連携を含め、外来機能を高めることも1つの目標です。近くの専門医と連携し、大学病院と変わらないスピーディーな検査・治療が行える体制づくりも続けていきたいと思います。実は、私はタイピングが苦手なんです。今は事務員がついて、リアルタイムで診療指示をパソコンに入力してもらっています。診察時はメモを取る以外は患者さんと向き合えるので私にとってはうれしいことですが、建て替えをきっかけに導入した電子カルテを、いかに充実させるかは今後の課題ですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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患者さんのニーズにはできる限り応えていきたいと思っています。高齢化が進み、いろいろな病気を持った患者さんが来院されます。私たちも最善を尽くして治療に当たりますが、患者さん自身でできるセルフケアも実践してもらうことが大切です。セルフケアへのアドバイスは何でも受け付けていますが、ここに任せておけば大丈夫というのではなく、患者さんと医師が協力し合って改善していこうという感覚でいてもらいたいです。健康診断の結果も受け身にならず、患者さん自身で健康状態を把握することが健康維持には重要です。患者さんが来院するのは、自分の体に不安を感じるため。不安の程度は人により異なりますが、自分の体を気にすることに必ず意味があるんです。今後も患者さんと協調し、病気治療のサポートをする立場でいたいと思います。

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