内視鏡検査で病気の早期発見を
小さな大腸ポリープは当日切除
水野宏胃腸科内科
(名古屋市千種区/今池駅)
最終更新日:2024/04/11


- 保険診療
多くの人にとって内視鏡検査は、エックス線検査や血液検査と違って気が重くなる検査かもしれない。しかし、内視鏡検査で得られる情報は多く、がんなどの疾患の早期発見につながるメリットは非常に大きい。疾病を早期に発見できれば、おなかを切らずに内視鏡での切除手術を行うことができるからだ。「早期発見であれば、がんは治すことが望める病気です」と前向きな言葉で説明してくれたのは、水野宏胃腸科内科の水野真理院長。大学病院で多くの内視鏡検査や内視鏡的手術を経験し、現在も内視鏡検査に携わっている水野院長に同院の内視鏡検査の特徴と今後の展望について聞いてみた。
(取材日2023年8月21日)
目次
緊急時の当日検査や麻酔を使った検査など、患者に合わせて対応している胃と大腸の内視鏡検査
- Qこちらのクリニックの内視鏡検査の特徴について教えてください。
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A
▲内視鏡検査について説明する水野院長
当院には経験豊富な男女4人の日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医と、3人の消化器内視鏡の検査技師がおり、患者さんのご要望に応じて対応できます。不安・苦痛を減らすため静脈麻酔を使い眠った状態のまま検査することも可能です。上部消化管内視鏡検査は、経鼻、経口のどちらも選択でき、朝7時30分より受付しているので出勤前の検査も可能です。出血、アニサキス除去等の緊急な場合も当日対応可能です。下部消化管内視鏡検査ではポリープのサイズ、形状、部位を見極め、当院で切除可能と判断できた場合、日帰りで大腸ポリープ切除を行います。検査前に飲む下剤も、錠剤や味の違う液体など4種を用意しています。
- Q上部内視鏡検査はどのような疾患の発見に有用ですか?
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A
▲鎮静剤を用いて眠ったような状態で検査を受けることができる
胃がん、胃潰瘍、胃炎、十二指腸潰瘍をはじめ逆流性食道炎などの診断に有用です。最近は、胸焼けや喉のつかえなどの症状でこられる若い患者さんが増えており、内視鏡で観察すると逆流性食道炎であることがあります。また、ピロリ菌に感染している慢性萎縮性胃炎では胃がんのリスクが高くなるため、胃痛などの消化器症状やピロリ菌感染が疑われる患者さんには、まず内視鏡検査を行い、胃内の状況を確認します。感染が確認された患者さんには除菌療法を実施しますが、除菌後も胃がんのリスクはあるので定期的な内視鏡検査は必要です。
- Q下部内視鏡検査はどのような疾患の発見に有用ですか?
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A
▲早期検査、早期発見が重要
大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、虚血性大腸炎などの診断に有用です。ポリープにはいくつか種類がありますが、中でも腺腫性ポリープは放置するとがんになる可能性が高いため切除したほうがよいポリープですし、切除後も定期的な下部内視鏡検査が必要です。食生活の欧米化もあり、日本人の大腸がんは統計的に増えていますので、下部内視鏡検査を積極的に受けて早期にがんを見つけることが重要です。
- Qどんな人に内視鏡検査を受けてほしいですか?
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A
▲年齢に関係なく、気軽に検査を受けてほしいと話す
上部内視鏡検査については、胃の痛みが慢性的にある人やピロリ菌を除菌した人です。検査をして不安をなくすという意味でも、年齢に関係なく検査を受けてほしいと思います。下部内視鏡検査については腹部の張りや下痢、便秘などの便通異常がある方、健康診断で便潜血検査が陽性になった方ですね。血便が続いても痔だと思って放置している人が多いのですが、大腸がんの可能性もありますから早期発見のためにも早めの検査をお願いします。また、家族に大腸ポリープや大腸がんがある方も検査を受けたほうがいいですね。