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水野 真理 院長、伊藤 義紹 副院長の独自取材記事

水野宏胃腸科内科

(名古屋市千種区/今池駅)

最終更新日:2024/04/11

水野真理院長、伊藤義紹副院長 水野宏胃腸科内科 main

今池駅4番出口を出ると見える、れんが造りの建物が「水野宏胃腸科内科」だ。このクリニックは、内視鏡検査のエキスパートで、胃がん・大腸がんなどの早期発見に尽力するなど、多大な実績を残した水野宏理事長が1981年に開業した。40年以上、地域医療に貢献し続ける歴史あるクリニックとして住民に親しまれている。2019年からは水野真理先生が院長を務め、2020年には内視鏡手術の経験が豊富な伊藤義紹先生を副院長に迎えるなど、診療体制はさらに充実した。水野院長は、「父から受け継いだ地域のかかりつけ医としての役割に加えて、より専門性の高い消化器医療を提供できるクリニックをめざしています」と意気込む。専門知識のアップデートを日々欠かさない水野院長と伊藤副院長の2人に、クリニックの特徴や診療内容について話を聞いた。

(取材日2023年8月21日)

より専門性の高い胃腸科をめざして

水野院長が医師になられたのは、お父さまの影響だそうですね。

水野真理院長、伊藤義紹副院長 水野宏胃腸科内科1

【水野院長】日本は元来内視鏡の技術が世界的に高いといわれています。父はその技術発展に貢献してきました。1970年代にはシカゴ大学の消化器内科に内視鏡の技術を教えに行った経験もあるんですよ。私も一緒に渡米し、1年半ほど過ごしました。小さい頃からそういった環境にあり、父の姿を見てきたので、漠然とですが同じ道に進むような気はしていました。それとは別に、これはよく言われていることですが、結婚や出産を経験しても社会に貢献できるよう、手に職をつけたいと考えたことも大きいですね。一時は思春期の悩みなどの相談に応じるカウンセラーになりたいと思ったこともありましたが、結局はなるようになったという感じでしょうか(笑)。

伊藤副院長がこちらで診療するようになった経緯についても教えてください。

【伊藤副院長】水野院長が愛知医科大学の先輩だったご縁もあり、3年前からこちらのクリニックで常勤医として診療しています。就任前は、愛知医科大学病院の消化管内科や多治見市民病院の消化器内科で診療を行っていました。がんの中でも胃や大腸の早期がんは、外科的な手術から内視鏡での手術へと主流が変化しています。その内視鏡を主に扱う消化器内科で臨床経験を重ね、検査や手術を行ってきました。
【水野院長】伊藤副院長は、内視鏡の技術がとても高く、現在も多治見市民病院や愛知医科大学病院でも手術をされたり、若手の指導をされたりしています。当院は、町のかかりつけ医であると同時に消化器の専門性が高いクリニックをめざしていますから、伊藤副院長の存在は大きいですね。

水野先生が院長に就任されてからの4年間、どんな変化がありましたか?

水野真理院長、伊藤義紹副院長 水野宏胃腸科内科2

【水野院長】やはり、内視鏡のスペシャリストである伊藤副院長が診療に加わり、内視鏡による検査・手術の専門性がより高まったことでしょうか。一方で、内視鏡だけでなく、腹部エコー検査を充実させるため、優秀な臨床検査技師を2人採用し、毎日検査ができる体制も整えました。これによって、大学病院のように検査技師と医師のダブルチェックができます。また、当院は40年以上地域に根づいたクリニックですから、生活習慣病の患者さんもいらっしゃいますし、一般的な内科症状で来院される方も多いのですが、女性である私が院長になったことで若い女性も来院しやすくなったのではないでしょうか。

2人の医師が常駐し、内視鏡検査と外来の同時進行を

この4年間で、患者層にはどんな変化がありましたか?

水野真理院長、伊藤義紹副院長 水野宏胃腸科内科3

【伊藤副院長】もともと割合としてはご高齢の方の受診が多かったのですが、新型コロナウイルスの感染拡大によるワクチン接種をきっかけに当院を知った方、インターネットの普及で当院の専門性を知った方も多く、お若い方の受診が劇的に増えました。腹痛や胃痛をはじめとした、一般的な消化器症状をより専門的に診てほしいという方が多くなった印象です。中には、虫垂炎などの炎症のほか、胆石や腎臓結石による発作によって腹痛を起こしているケースの場合も考えられます。こうした症状は、超音波検査によってその日のうちに診断がつくこともあるんですよ。また、腹部だけでなく心臓や頸部の超音波検査にも対応しています。脂質異常が引き起こす脳梗塞のリスクを調べることも可能です。

こちらのクリニックで行われる、内視鏡検査の特徴を教えてください。

【水野院長】当院には2人の医師が常駐していますので、内視鏡検査と外来を並行して進められるのが大きな強みでしょう。検査は月曜日から土曜日まで毎日行っていますので、より多くの方のご要望にお応えすることができるはずです。内視鏡検査は、がんなどの病変を初期の段階でいかに早く発見できるかが重要ですので、小さな病変も見逃すことのないよう拡大鏡を使って確認しています。早期に発見できれば、内視鏡手術で切除することも望めますよ。その点については、大学で経験を積んだ専門家として自信を持っています。また、内視鏡のスペシャリストである伊藤副院長がいるおかげで、過去に検査でつらい思いをされた患者さんの受け入れもしやすくなりました。きっと患者さんの満足度も向上したのではないでしょうか。

水野院長は大腸の炎症性腸疾患の治療に注力されているそうですね。

水野真理院長、伊藤義紹副院長 水野宏胃腸科内科4

【水野院長】潰瘍性大腸炎やクローン病といった指定難病の治療に力を入れています。10~20代で発症することが多く、継続した治療が必要な病気ではあるものの、現在は新しい治療薬もどんどん増えていて、治療法はこの10年ほどで大きく変わりました。これらの疾患に特化した外来を続けながら、私も最先端の医療に後れを取らないよう、研究会や講演会にも積極的に参加しています。大学病院と変わらないレベルの治療を、当院のような町のクリニックでも受けられるようにしていくことで、若い方も学校を休むことなく通院できるようにしていきたいですね。

低侵襲な超音波検査を活用し、早く診断につなげる

診療全般において心がけていることはありますか?

水野真理院長、伊藤義紹副院長 水野宏胃腸科内科5

【水野院長】患者さんへの説明はできるだけわかりやすくお伝えするようにしています。特に高齢の患者さんにとっては、診察も大切なコミュニケーションの場となります。ですが、患者さんが多いとそれほど長く時間が取れないので、そんなときには看護師や事務のスタッフが話の続きを聞いてくれたり、説明を補足してくれたりと、しっかりサポートしてくれています。患者さんの不安に寄り添えるスタッフですね。患者さんはそれぞれ医療に求めているものが違いますので、治療方針も一律ではなく、患者さんがどんな医療を求めているのかを理解し、最善の方法を提示するように努めています。
【伊藤副院長】知識や技術のアップデートは常に心がけています。患者さんによってかける時間や治療内容などご要望もさまざまですので、できるだけ一人ひとりの話に耳を傾け、寄り添っていければと思います。

今後の展望や、診療の方向性についても教えてください。

【水野院長】内科全般をカバーする地域のかかりつけ医としての役割と、大学病院で培った専門性を両立していきたいですね。例えば、内科の診療はもちろん、生活上のちょっとした困り事の相談相手になることも大切です。一方で、おなかが痛いと苦しむ患者さんには、数日後の検査日までお待たせすることなく、すぐ診断がつけられるよう超音波検査をもっと活用していきたいと考えています。超音波検査は、低侵襲でありながら得られる情報量が多いのが特徴です。胃や腸は内視鏡で詳しく検査し、膵臓や胆嚢、肝臓、盲腸などは、超音波検査で素早く病変を見つける体制をさらに充実していけたらと考えています。特に膵臓は、「沈黙の臓器」といわれるほど自覚症状のない臓器なので、膵臓がんなどの早期発見にも注力していきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

水野真理院長、伊藤義紹副院長 水野宏胃腸科内科6

【水野院長】最近では、逆流性食道炎の患者さんも増えてきているほか、機能性ディスペプシアといってメンタルの影響が胃腸の症状として現れることも少なくありません。いずれにしても、かかりつけ医としてどんな相談にも応えたいと考えていますから、何か気になることがあれば気軽にご来院ください。一方で、高齢化の進行とともに需要の高まる訪問診療にも対応していきたいと考えています。訪問診療で伺った患者さんに喜んでいただけたら、もうそれだけでもうれしいです。これからも、地域の患者さんを生涯支えていけるクリニックをめざしていきたいですね。

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