小島 正之 院長の独自取材記事
茅ヶ崎信愛クリニック
(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)
最終更新日:2026/07/15
茅ケ崎駅北口から徒歩5分、通りから少し奥まった落ち着いた環境にある「茅ヶ崎信愛クリニック」。1968年から続く内科・消化器内科・外科のクリニックを、2026年に小島正之院長が継承した。小島院長は大学病院の肝胆膵外科でロボット支援手術や消化管領域の緊急手術を手がけた外科のスペシャリスト。病気が悪化して複雑な手術に至る前に患者に関わりたいと、クリニックでは特に大腸がんの予防を念頭に置いた肛門外科の診療や、内視鏡検査に注力。加えて健康診断や特定健診などの受診を勧め、外科医師としての専門的な知見を伝えることで患者の主体的な健康づくりの後押しを図る。「痔の相談が恥ずかしい方、健康診断で再検査を勧められたという方はぜひ一度当院を受診してください」と語る小島院長に、同院での診療の特色などを詳しく聞いた。
(取材日2026年6月15日)
がんの可能性もある肛門の症状を外科の視点から診療
クリニックを引き継がれた経緯をお聞かせください。

大学病院の肝胆膵外科で10年間ロボット支援手術を行い、消化器領域の手術や内視鏡検査にも携わる中で、もっと早期に介入できれば患者さんの負担は軽かっただろうと感じる場面を多く経験しました。その思いが次第に強くなり、クリニックでの診療に軸足を移そうと決意したんです。開業するなら、以前に暮らして大好きになった茅ヶ崎でと考えていたところ、こちらの院長を務めていた後藤先生が後継者を探されていると知り、ご縁がつながりました。後藤先生は真摯に患者さんと向き合われていて、びっしりと書き込まれたカルテや直接お話しした雰囲気からも、それが伝わってきました。後藤先生と一緒に診療し、引き継がせていただくことに大きな喜びと責任を感じています。今後は私が院長を務め、後藤先生は名誉院長に就任していただき、2人体制で診療します。後藤先生の診療を希望される方も対応できますし、私は新たな患者さんも含め幅広く診るつもりです。
小島院長は痔の診療に注力されていると聞きました。
肛門からの出血は痔によるものと思われがちですが、大腸がんが原因である場合もあります。大きな病気を見逃さないためにも、痔の診療に力を入れています。出血の原因を患者さんご自身で見極めるのは難しいですから、専門家による診察を受けることが重要です。実は、痔そのものは決して珍しい病気ではありません。日本人の成人の約7割が何らかの痔を持っているとされており、非常に身近な病気なのです。例えば、内側にできる内痔核は外からは見えないため、出血がなければ患者さんの自覚がないケースも多くあるんですよ。痔は、「恥ずかしい」という理由で受診をためらう方もいますが、多くの人が経験する一般的な病気だと思えば、気にする必要はありません。大きな病気が隠れていないかを確認することが重要なので、安心のためにも早めの受診をお勧めします。
茅ヶ崎エリアに肛門外科は少ないそうですね。

外科の視点から肛門の症状に対応できるクリニックは地域に多くありません。そのため、どこに相談すべきかわからず様子を見てしまったり、遠方の専門病院まで足を運ばれたりした方もいらっしゃったようです。当院では、私がこれまで大学病院の消化器外科や肛門外科で培ってきた経験を生かし、検査から診断、治療まで専門的に対応しています。内痔核の状態を診る内視鏡検査で、大腸がんなどの病気が見つかるケースもあり、そのような場合にも適切な対応が可能です。おしりのことで気になる症状がある方や、健診で異常を指摘された方は、まず一度ご相談ください。地域の中で気軽に相談できる受け皿として、お役に立てれば幸いです。
手術経験から内視鏡検査で消化器の構造を立体的に把握
内視鏡検査ではどんな特色や強みがありますか?

私は内視鏡検査に20年超の経験があり、当院でも食道や胃などの上部消化管と、大腸などの下部消化管に対応しています。ご本人の希望や体調により同じ日にまとめて検査することも可能です。上部の検査では嘔吐反射の軽減をめざす経鼻内視鏡も選択でき、上部はご希望の方、下部はほぼ全員に鎮静剤を用い、検査の痛み・不快感の軽減を図ります。下部の内視鏡検査でハードルになる下剤も、飲みにくい方には個別にご相談に応じますのでご安心ください。高解像度の画像が得られ、病変の発見に役立つ光学処理も可能な先進の内視鏡設備も備えています。また、私は外科医師としての手術経験から、消化管の構造を立体的に捉えられるのも強みです。消化管のどの位置に病変があるかを空間として把握できるというのは、病変の発見やその後の治療方針の判断に役立ちます。
クリニックの診療に生きる経験が豊富でいらっしゃるんですね。
私は大学病院の肝胆膵外科でロボット支援手術を中心に、消化管領域の緊急手術、上部消化管および下部消化管の内視鏡検査なども多数経験してきました。日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会肝臓専門医でもあり、さらに胆道や膵臓にも詳しいので、当院においても、がんを含む消化器全般の疾患に対応可能です。これまで外科の医師として多くの手術を手がけてきたので、万が一手術が必要になるほど重症化していた場合にも、高度医療機関との連携や手術を見据えた判断なども含め、安心して頼っていただけるのではないでしょうか。
診療で大切にされることは何ですか。

今の医療は細分化され、専門分野と一般的な診療をつなぐ存在が少ないと感じます。私はその橋渡し役になり、一般的な診療の中で、専門的な知識をもとに健康状態や病状を適切に説明し、患者さんの健康づくりに寄与したいと考えています。例えば高血圧の薬を服用している方に、高血圧による心疾患や脳梗塞などの慢性疾患のリスクを知っていただくといったことです。加えて、日本人の2人に1人がかかるとされるがんへの対策にも力を尽くしたいです。大きな病気になる前に食い止めるには、前提として患者さんが自らの健康状態に関心を持ち、現状を把握する必要があります。主体的な健康づくりのためにも、医師として「現時点の体の状態」と「今後どうするべきかの指針」を患者さんにお伝えしたいです。若いうちから健康への意識を高めて予防に努めていくと、将来は大きな「健康資産」となって健康寿命の延伸につながると思います。
「健康資産」を積み重ね、生き生きとした人生を
「健康資産」や予防医療についてお考えを伺えますか。

日本人は平均寿命と健康寿命の間に10年以上の開きがあるといわれます。一人で自立して生活できる状態を指す健康寿命は70代までで、それ以降は日々の生活に誰かの助けが必要になる方が多いのが現状なのです。この差を少しでも縮め、健康で長生きしていただくサポートをするのが当院の大切な役割だと思っています。特に40代、50代は、気持ちの上では20歳前後の体力と変わらないと思っていても、実際は体力が低下し、高血圧症などの生活習慣病になる人も増える時期です。まずは健康診断・特定健診、がん検診などを受けていただき、「健康資産」を増やす習慣づくりのスタートとして当院をご活用ください。
今後のクリニックの展望やご自身の希望をお聞かせください。
まず後藤先生と私の思いをしっかり融合させて、診療をさらに充実させていきます。その上で茅ヶ崎とのご縁を大切に、将来は茅ヶ崎エリアで後継者にお困りのクリニックの継承をサポートしたり、医療DXのお手伝いをしたりと、地域医療を支える仕組みづくりにも取り組みたいと考えています。また私自身のことでは、茅ヶ崎で開業した理由の一つであるサーフィンを再開したいです。波に乗る楽しさはもちろん、海に浮いているだけでも心が洗われる感覚があり癒やされます。今は子どもが小さく、まだ1度しか海に行けていませんが、大きくなったら親子で一緒に楽しみたいですね。
最後に、地域の方へメッセージをお願いいたします。

80代に延びた平均寿命と同じように、今後は70代止まりの健康寿命を延ばし、皆さんには生き生きとした毎日を送っていただきたいです。そのためには40代、50代から「健康の積立」を始めたほうが効果的でしょう。体の不調はもちろん、「自分の健康がこのままでいいかわからない」といった漠然とした不安でも構いません。気軽にご相談ください。私は医師の仕事は治療だけでなく、その方の目線でわかりやすく説明してご不安を取り除くなど、「患者さんのニーズに応える」ことだと考えています。将来の充実した人生に向けてアドバイスを受ける場として当院をお役立てください。

