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石井 理文 院長の独自取材記事

石井小児科医院

(藤沢市/辻堂駅)

最終更新日:2021/01/12

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辻堂駅より車で9分。藤沢市大庭にある「石井小児科医院」は、地元で親しまれる歴史ある医院だ。2代目院長の石井理文(あやふみ)先生は、聖マリアンナ医科大学病院の新生児集中治療室(NICU)で小さな命と向き合ってきた小児科のエキスパートであり、すぐ近くの藤沢市立小糸小学校の一期生。「母校の校医をやらせていただけるのはうれしいですね。校舎の中や外には思い出がいっぱいです」と穏やかにほほ笑む石井先生に、小児科医としての真摯な思いを聞いた。
(取材日2020年12月23日)

2人の小児科医が在籍。より良い診療をめざす

貴院の特徴を教えてください。

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当院は、父が1977年に開院した地域密着型の小児科医院です。当時私は大庭小学校の1年生でした。近隣の先生方と協力しながら40年以上地域の皆さんとともに歩んできました。主に院長の私が診療していますが、50年以上の経験を持つ父には顧問を務めてもらっており、小児科専門の医師2人が必要に応じてカンファレンスを行い、多角的で深みのある診療を実施しています。実際、この体制によって難症例が見つかったこともあります。

お二人とも高い専門性をお持ちだそうですね。

父は大学院での肝臓に関する研究で医学博士の学位を取得しています。私も研修医を修了後、大学院に進み、新生児学で医学博士の学位を取得しています。聖マリアンナ医科大学小児科学教室に長年所属し、新生児集中治療室(NICU)で周産期・新生児救急に携わってきました。生まれたばかりの赤ちゃんの診察や処置は専門分野です。新生児専門の医師は退院後のフォローアップのための外来も行うため、視力障害・聴力障害・呼吸障害・てんかん・心疾患・低身長・発達障害など、さまざまな背景を持つお子さんを診てまいりました。このことが現在の診療の大きな糧になっています。また、大学病院の本院で当直の時には一般小児科医としても救急車を受けていたので、緊急性がある疾患の対処法も身につけてきたつもりです。

なぜ新生児医療をやめてまで貴院に戻ろうと思ったのですか?

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大学病院時代、開業医の方から紹介患者を引き受ける立場にいた私は、正直開業医の先生方をあまり好きではありませんでした。しかし医師になって3年目より非常勤として当院に勤めたところ、父が一人ひとりの患者さんと丁寧に向き合い、誠実・実直に診察・治療する姿を目の当たりにして少し驚きました。また、開業医は経営が成り立たなければ話になりませんので、父に「経営のことを考えつつ検査や治療をするのが難しい」と話した際、父から「経営のことはそれほど考えずに、患者さんにとって必要な検査や治療をするように考えなさい。真面目にやっていれば、大もうけはできないけれど、ありがたいことに食べていけるようにはできているんだよ」と言われました。その言葉は今も覚えています。その時、このような医院なら後を継ぎたいと思いました。だから、後を継ぐと決めたのは、医者になって3年くらいたってからのことでしたね(笑)。

かかりつけ医は、子どもと保護者のコンシェルジュ

患者さんと接するときに大切にしていることは何ですか?

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患者さんの言葉にしっかり耳を傾け、丁寧な診察とわかりやすい説明をするよう心がけています。帰宅後に状態が変わってもお母さんが不安にならないように工夫しています。咳の性状など、説明しにくい内容の場合は動画などをお見せして、「こんな咳が出たら、すぐに救急を受診してね」と伝えたりする場合もあります。軟膏の塗り方なども、絵をお見せして説明します。混雑時は長くお待たせしてしまう事もありますが、一人ひとりの患者さんと丁寧に向き合うことを信条としていますので、どうぞご理解ください。

受診をすべきタイミングを教えてください。

発熱・顔色が悪い・息が苦しそう・腹痛・嘔吐・けいれんなどは緊急性が高い可能性があるので、すぐに受診してください。咳・発疹もできるだけ早く診た方が良いでしょう。透明な鼻水が少し出ているだけの時は、様子見で大丈夫です。症状がはっきりしなくても、「何かおかしい」「いつもと違う」と感じたときは、こんなことで受診して良いのかと気に気にせず、受診してください。いつもお子さんを見ているお母さんの直感はかなり正確です。結果として病気でなくても構わないのでいらしてください。また、子育て中のお母さんはプレッシャーでいっぱいです。子どもに何かあれば、ご主人や祖父母から責任を指摘されてしまいがちです。例えば少し赤い尿が出たとき、すぐに小児科医に診せておけば、その後万が一悪いことが起きてもお母さんは責められません。お母さんが笑顔でいることは、お子さんにとって一番の治療になります。上手に小児科医を利用してください。

何歳まで小児科で診てもらえますか?

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病院などでは中三までが小児科、それ以降は内科の範囲とされますが、ご両親でも当院を受診される方は多いです。また私の専門が新生児ということもあり、授乳中のお母さんが受診されることも多いです。日本のほとんどの薬の添付文書に授乳中の服用を制限する記載があるため、処方には母乳に関する知識が必要です。

子どもの病気だけでなく、子どもとその背景を診る

小児科は子どもの病気を診るだけではないのですね。

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初めて診るお子さんは難しいですが、かかりつけのお子さんであれば、訴えのある病気だけでなく発育・発達・行動など全体を診ています。例えば「うちの医院ではあまり言葉を発しないけど、家ではしゃべるのかな?」「この皮疹は前回の受診ではなかったよね?」「3歳過ぎておむつをはいているけど、トイレットトレーニングは進んでいるかな?」「少し落着きがないけど、授業中は座っていられるかな?」といったことも聞いたりします。

印象に残っているエピソードを教えてください。

先日、ピーナッツクリームを食べたお子さんに皮疹が出て、咳をしていると電話が入りました。すぐに来るように伝え、診察順も優先して診察したところ、アナフィラキシーを起こしていました。急激に悪化する可能性があるためすぐに筋肉注射を打ち、救急車で市民病院へ行く旨をお母さんに伝えました。待合室に残った他の患者さんへの事情の説明はスタッフに任せ、私も救急車に乗って病院まで付き添いました。医院に戻ってきたのは約1時間後。スタッフの判断で、待合室に残っていた患者さんには一度帰宅していただいていたのですが、患者さん方は誰一人怒ることもなく、「自分の子どもが同じようになったとき、先生がついてきてくれることがわかり、逆に安心しました」とまで言ってくださったそうです。うれしくて、うちの患者さんたちを誇らしく思いました。

今後の展望をお聞かせください。

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安心して受診していただけるよう、院内感染予防対策に力を入れていきたいですね。現在は、こまめな消毒はもちろん、待合室を椅子ごとにパーティションで区切り、待合室と診察室には天井埋め込み型の医療用空気清浄機を設置しています。他にもエアロゾルをまき散らさないためのクリーンパーティションや、換気機能付きエアコンよりも換気効果が期待できる熱交換式換気扇、使い捨て器具などを導入しています。また2021年1月には、接触感染対策として、院内の壁・床・椅子・机・ドア・トイレなどあらゆる所に、数年間効果が持続するといわれる抗ウイルスコーティングを行います。さらに同月、別棟で感染症対策を施した、名称はまだ仮ですが第2待合室が完成します。感染者用の個別待合室が3部屋と一般待合室があり、どちらにも熱交換式換気扇を設置しています。第2待合室の内装は私の息子と娘がデコレーションしておりますので、見てやってください。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

小児科のかかりつけ医は、子どもと保護者のコンシェルジュだと思っています。不安や悩みを聞いて、解決へ導く役割です。例えば何科に相談すれば良いかわからないことでも、当院でできることは対応しますし、他の医療機関の受診が必要な場合は状況に適した所を紹介します。ご両親はどの医療機関の評判が良いかはご存じでも、どの医師が良いか、どの病院がどの分野に強いかなどは、あまりご存じないと思います。そうした判断は私たちの得意分野です。「いつもここに来れば、何とかしてくれる」と思っていただけるのがかかりつけ医だと考えています。何でもご相談ください。

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