太田 寛 先生の独自取材記事
リリーベルクリニック
(成田市/公津の杜駅)
最終更新日:2026/04/30
おしゃれなれんが造りが印象的な「リリーベルクリニック」。院内もホテルのような雰囲気が漂い、気持ちが落ち着いて悩みや不安も少し軽くなるようだ。2021年から有田白峰院長とともに産婦人科診療に取り組んでいるのが太田寛先生。太田先生は、医師になる前は航空機の整備士だったという珍しい経歴を持つ。「航空機の医師から人間の医師になりたかったんですよ」とにこやかに話す太田先生。産科では無痛分娩に力を入れるとともに、婦人科ではさまざまな疾患・症状に対応。中でも生理痛の撲滅に力を注いでいる。生理痛は、子宮内膜症を進行させる一因でもあり、生理痛が人生の障壁となることもあるからだ。太田先生に同院での診療の特徴や婦人科医療への思いなどについて聞いた。
(取材日2026年3月31日)
「航空機の医師」から人間の医師に変身
最初に医師をめざしたきっかけを教えてください。

私は日本で長い歴史を持つ航空会社で航空機整備士として働いていました。航空機のタイヤ交換や油圧ポンプの交換など、航空機の安全機能を守る業務に就いていました。ある日、家族の体調が悪くなって病院に行ったのですが、その時の医師の説明にどうも納得がいかなかったのです。合理的でないし、どう考えてもおかしいなと。ですが、こちらに知識がありませんから何も言えません。ならば私が医師になればこの問題も解決できるのではないかと考えたのです。言うなれば航空機の医師から人間の医師になろうと考えたというわけです。
中でも産婦人科の医師になったのはどんな理由があったのですか。ご経歴についても簡単に教えてください。
産婦人科は、患者さんが困っていることにストレートに対応できる科だと思いました。例えば、生理の痛みがひどければその痛みを止める、胎児の心拍数が減ったら帝王切開する、というように患者さんの主訴や状態に対して、真っすぐに対応できる点に魅力を感じました。東京医科歯科大学を卒業後、一般病院に勤務し産科と婦人科診療、婦人科の良性腫瘍の治療、生理痛や更年期症状などのヘルスケアに携わってきました。一時期、縁があって北里大学医学部の公衆衛生学の助教を務めたこともあり、感染症の予防にも取り組んできました。中でも風疹のワクチン接種の啓発・普及に注力してきました。風疹は、妊婦さんが感染すると胎児に難聴や白内障などの障害を残すことが問題です。公衆衛生としても赤ちゃんの障害の予防は非常に重要です。患者会や医療者、行政などが協力して対策を行った結果として、2025年9月に日本に対して風疹撲滅宣言が出されました。
こちらでは有田院長と2人で診療を行っているのですね。

はい。2021年から一緒に診療しています。実は、有田院長とは、以前、勤めていた病院でも一緒でしたので、同じような考え方で診療していて安心できます。有田院長は、外れたことは絶対しないと思っていますし、とても信用しています。ガイドラインに沿った治療、スタンダードな治療を同じような感覚でできるという点が強みかなと思っています。
生理痛の撲滅推進に注力
こちらでは無痛分娩に力を入れていると聞きました。

地理的に成田市の東側や南側、北側、さらに茨城県の利根川沿いは分娩を取り扱う産婦人科が少ないため、広範囲から妊婦さんに来ていただいています。近年は無痛分娩を希望される方も増えてきていますね。無痛分娩は、硬膜外麻酔や脊椎麻酔で陣痛の痛みの軽減を図りながら出産する方法で、体力消耗の軽減や産後の早期回復につながります。当院では、内診で子宮口が開いていることを確認してから、無痛分娩の予定を組みます。体が整った状態で分娩誘発を行うほうが、分娩がよりスムーズに進み帝王切開の確率を下げるためです。数ヵ月前から無痛分娩の予定を組む病院もありますが、体の準備が整っていない状態で分娩誘発を行うと、帝王切開になる確率が高まるとわかっています。当院の方法では、無痛分娩の予定前に分娩となり結果的に無痛分娩ができない場合もありますが、帝王切開になる確率を低くすることのほうが妊婦さんにとっての利益が大きいと考えています。
婦人科ではどんな診療を行っているのでしょうか。
一つは腫瘍を早期に発見して、その交通整理を行っています。例えば、がんでしたら病院での検査・治療につなげますし、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの場合、症状に応じて精密検査が必要か、手術が必要か、経過観察で良いかを判断し、適切な医療への道筋をつけています。また、私は生理痛を撲滅したいと強く思っていて、生理痛撲滅運動を推進しています。生理痛は、今は、感じるほうが良くない、感じさせないのがスタンダードというようになっています。生理痛を放置しておくと子宮内膜症が進行して、さらに不妊症になってしまう危険もあります。生理痛がある時に受験などにあたってしまうと実力が出せずその後の人生にも影響が出てくることもあるでしょう。ですので、生理痛をゼロにしたいと考えて、ピルなどのホルモン剤、漢方薬などをお勧めしています。生理痛からの解放につながった人たちが楽しそうにしているのはとてもうれしいです。
婦人科の受診をためらう人も多いようですが。

婦人科受診には障壁を感じている方もおられるかもしれませんが、少しでも生理痛がある方は受診していただきたいですね。小中高生や性経験が無い人などは、内診は行わず、問診だけで生理痛や月経前症候群の診断、治療は行えます。産婦人科は必ず内診をすると思い込んでいる方も多いようですが、そんなことはありませんので、安心して相談に来ていただきたいですね。10代・20代の人だけでなく、40代の方でも生理痛が解消すれば、閉経までの約10年、人生が変わると思います。痛み止めやピルを飲むことは良くないと思う方もまだまだ多いですが、痛みを我慢することに何もメリットはないと考えを変えていただきたいですね。もし、1周期の間に2~3回痛み止めを飲んでいるようならば、産婦人科で治療をしたほうが良いと思います。
HPV・風疹ワクチン接種に力を入れ将来の疾患を防ぐ
こちらではワクチン接種にも力を入れているそうですね。

子宮頸がんの確率を低くすることのできるHPVワクチンについては、以前から一生懸命取り組んできました。当院でも多くの方に接種をしてきており、千葉県内でもトップクラスの接種数となっています。女性だけでなく男性への風疹やHPVのワクチン接種も行っています。ワクチンにより将来の病気を予防し、病気の不安から解放された人生を送れることをめざしています。
お話を伺いますと長く女性を見守ってくれるクリニックということがとてもよくわかります。
10代の生理痛、その後の妊娠出産、更年期、さらに老年期まで、全ての年齢の女性を診察しています。当院を妊娠出産中心のクリニックと考えている方も多いですが、更年期障害や高齢の女性に多く見られる骨盤臓器脱の治療も行っています。女性が思春期、成熟期、更年期、老年期と健康に過ごしていくためには、若い頃から生理痛を抑えておくことがとても大事です。私は男性ですが、診察を通して生理があることはとても大変なことだなと実感しています。再び強調しておきたいのですが、若い頃から生理痛の対処をしておくことで、将来の子宮内膜症の進行を抑えることが期待できますし、中年期以降の疾患の予防もできます。生理痛をコントロールすることは、女性の人生において大きな意味を持ちます。生理の痛みを我慢する必要はまったくありません。
では最後に今後の展望とメッセージをお願いいたします。

当院はガイドラインに沿った標準的な医療を提供しています。成田市周辺に産婦人科が少なくなっていることもあり、生理痛があっても相談できないと悩んでいる方もおられるかもしれません。生理痛は感じる必要がありませんし、良い治療法もいろいろありますので、ぜひ相談にいらしてください。生理痛のない未来がどれだけ明るいか、ぜひ実感していただきたいと思っています。周辺市町村の子宮頸がん検診も請け負っていますし、HPVワクチンは千葉県内にお住まいの方であれば、自己負担なしの接種券を当院で使えます。HPVワクチンは予約なしでも受けつけているので、急に時間が空いたときでも接種できます。予防できる病気は予防して、楽しい人生を送りましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは男性のHPVワクチン接種/1回 2万9700円
※2026年4月時点

