有田 白峰 院長の独自取材記事
リリーベルクリニック
(成田市/公津の杜駅)
最終更新日:2026/04/15
公津の杜駅南口から商業施設沿いの大通りを歩くこと約5分。交差点斜め左に見えてくるれんが造りの大きな建物が「リリーベルクリニック」だ。2021年、東海地区を中心に20以上のクリニックを展開する産婦人科グループ「ベルネット」の一院となった。以来、院長として、成田市周辺の女性たちを支えているのが有田白峰先生だ。有田院長は、それまで市中病院などで婦人科手術や婦人科がんの治療に携わってきたが、同院では安心と安全に配慮し、快適にお産ができるようめざしている。同院では、近年、関心が高まっている無痛分娩にも対応。また、思春期から老年期までさまざまな女性の悩みにも対応している。そんな有田院長に同院の特徴や出産に対する取り組みなどについて聞いた。
(取材日2026年3月31日)
産婦人科グループの一院としてリスタート
最初に産婦人科医師をめざしたきっかけからお聞かせください。

大学病院で実習を受けていた頃、当時は今のように臓器別の診療体制ではなく、第一、第二外科、第一、第二内科といったくくりの中で診療が行われていました。例えばがんの入院患者さんの場合、内科で抗がん剤治療をしてうまくいかないと、次は外科で手術をして、その次に放射線科で放射線治療を、というように治療が分断化していて、科同士のあつれきみたいなものもありました。そんな中、当然と言えば当然ですが、産婦人科だけは臓器別の診療が行える科でした。一人の患者さんに対して一つの科で集学的な治療ができる点に期待感を持ったことが理由の一つです。また私の祖母が助産師だったことも影響して産婦人科の医師をめざしました。
ご専門やご経歴についても教えてください。
東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院や武蔵野赤十字病院など東京都内の複数の病院で婦人科のがんの治療を専門に行ってきました。一時期、名古屋大学医学部附属病院に勤務しましたが、その後、東京に戻ってから勤務した病院では、がんの治療は行っていなかったこともあり、腹腔鏡手術や子宮鏡手術に携わってきています。このような婦人科疾患の手術がサブスペシャリティーなのですが、2021年に当院に赴任してからはお産が中心です。出産は、女性の人生にとって大切なイベントだと思います。当院でその貴重なイベントに携われることは、私にとっても一つの喜びですね。婦人科診療としては腫瘍の診断や女性特有の悩みに対応するヘルスケアを行っています。
ところでこちらは産婦人科グループの一院と聞きました。

2021年から、東海地区を中心に産婦人科クリニックを展開する「ベルネット」の一院となっています。個人で開業した場合、1人もしくは数人の医師だけの閉ざされた世界になりがちですが、同グループには20以上のクリニックがあり、医師も数多く在籍しています。そんな医師たちとオンライン会議などをして症例検討などを行っています。常に医療知識をアップデートできますので、医療の質を高いレベルで維持できる点が一つの強みだと思います。ガイドラインに沿って標準治療を適切に提供しているという点でも患者さんに安心して受診していただけるのではないかと思います。
ニーズの高い無痛分娩にも対応
こちらのお産の特徴についてお聞かせください。

安心、安全を第一に考え、快適に出産していただけるようさまざまな施設やサービスを用意しています。院内はどこも一流ホテルのような内装で、個室も広くゆったりと過ごしていただけます。陣痛から分娩、産後の回復まで移動せずに使える部屋LDR室は3室あり、一般的なLDR室よりもかなり広く、ご家族と一緒に過ごせるスペースも十分とっています。当院は、食事もおいしいんですよ。地元の食材を取り入れながら、多様な料理を院内で調理して提供しています。SNSにも写真をあげていますが、ハロウィーンやクリスマスなど季節のイベントの時は、それに合わせて凝った盛りつけのお食事をお出ししています。また、当院の入院は、診察券や保険証、母子手帳など最低限の荷物で済むように、赤ちゃんのお着替えやおむつ、アメニティー、パジャマ、赤ちゃんの退院時の衣類などをこちらで用意している「手ぶら入院」となっています。
無痛分娩にも対応していると聞きました。
はい。当院では計画無痛分娩を基本に行っています。最近では希望する方も多く、当院では約5割の方が無痛分娩を希望されています。無痛分娩は硬膜外麻酔によって痛みの緩和を図ることで、出産時の疲労軽減や産後の早期回復が期待できます。ただ、痛みの感じ方はそれぞれです。経産婦の方は痛みのマックスをご存じですので、無痛分娩は楽に感じられるということも期待できるでしょう。逆に初めての方は、ほんの少しの痛みでもつらいと感じるかもしれません。ですので、初産の方には、状況によっては期待どおりにならないこともありますよ、ということは事前によくご説明しています。また、当院では、陣痛の痛みを強く感じた時にご自身でボタンを押して局所麻酔薬を追加できるPCAを導入しています。もちろん安全のために追加できるお薬の量・回数は制限されています。このシステムによって最小限の痛みでの出産が期待できます。
その他、安全・安心なお産を行うための取り組みについてお聞かせください。

当院ではスタッフ全員、救命処置や周産期救急などに関する定期的な院内講習や勉強会などに参加しています。例えば、新生児に対する心肺蘇生法である新生児蘇生法や、心肺停止、呼吸停止に対する一時救命処置、妊産婦死亡の減少をめざす母体救命措置、さらに周産期救急のための教育プログラムなどさまざまな講習を受けています。また、院内で年に2回、シミュレーショントレーニングを行っています。例えば、無痛分娩時にトラブルが起きたときスタッフ一人ひとり、どう動くべきか、というように毎回テーマを決めてトレーニングを重ねてきています。近隣の成田赤十字病院や国際医療福祉大学成田病院、成田富里徳洲会病院などの大きな病院とは密な連携をとっていて緊急時に即応できる体制も整えています。
常勤医師2人体制で、急な出産にも対応可能
今は出産に対する考え方も多様化していますが、どのように捉えていますか。

できるだけ自然に任せて安心、安全な出産ができればと考えています。ただ、自然がすべて良いというわけではありません。昭和初期、ほぼすべてのお産が自然だった頃、死産も含めて生後1ヵ月以内で亡くなった赤ちゃんが一定数いました。さらにお母さんも、お産で亡くなっていました。もちろん今は医療環境が進みそんなことはありませんが、陣痛が来て破水して、というように自然な出産の流れからあまり離れた方向に行かないよう、患者さんの体調や無痛分娩のご要望なども考慮しながら安全第一にお産をしていただけるよう努めていきたいですね。
ところでこちらは医師2人体制で診療しているのですね。
はい。太田寛先生が常勤で診療しています。産婦人科は、赤ちゃんがいつ生まれるかわかりませんので、複数の医師が在籍している必要があります。太田先生とは、患者さんの状況などについて日常的な会話の中で常に情報共有しています。合理的な考え方をなさる先生で、無駄なことはしないという印象ですね。私も太田先生も当院に赴任したのが、コロナ禍の頃でした。太田先生は公衆衛生や感染症に詳しいので、当時、新型コロナウイルスのワクチンに関する情報を常にアップデートしてくださってとても助かったことを覚えています。
では最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院では、先ほどお話ししましたように、楽しく快適に安心なお産ができるようさまざまな工夫をしています。成田市やその周辺地域にお住まいの方で妊娠、出産を予定している方は、ぜひ一度ご相談ください。また、月経困難症や子宮内膜症など今は良い治療法が出てきていますので、これらの症状で悩んでいる方はぜひご相談ください。更年期症状や骨盤臓器脱などが心配な方も、お話をよくお聞きして適切な治療をご提案できると思います。

