60代からの
白内障の治療と予防法
津田眼科医院
(市川市/京成八幡駅)
最終更新日:2022/04/12


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80代までにはほぼすべての人が発症するという白内障。多くの場合、手術によって治療可能な病気ではあるが、世界的に見ると白内障は失明原因として最も多い疾患といわれており、放置は禁物だ。「津田眼科医院」の守屋文貴先生は、「50〜60代のタイミングで、他の目の病気がないかどうかも含めて検査を受けておくことをお勧めします」と話す。白内障の検査や治療、予防法について、守屋先生に詳しく教えてもらった。
(取材日2022年3月31日)
目次
適切なタイミングで治療や手術を
- Q白内障とはどのような病気で、いつ頃から発症するのですか?
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A
▲患者のニーズに合わせて丁寧な診察を心がけている
白内障とは、加齢によって目の水晶体に汚れがたまり、濁った状態になる病気です。水晶体とは、いわばカメラのレンズのようなもの。レンズが濁ると当たる光が散乱するため、見え方に支障が出てきます。加齢の他にも先天性のもの、外傷によるもの、薬などによって引き起こされることもあります。紫外線やタバコなども原因になるといわれています。発症率は、50代で約50%、60代から70代で約80%、80代以上になるとほぼ100%に達するというデータがあり、高齢になると誰もがかかる病気だと考えておいたほうが良いでしょう。現在は手術によって多くの場合回復がめざせます。
- Q具体的にはどのような症状があるのでしょう?
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A
▲見え方に支障が出始めたら、早めに受診しよう
光が今までよりもまぶしく感じる、視界がかすむ、物がだぶって見える、暗く感じる、近視が急激に進むといった症状が出ます。進行とともに視力も低下していきます。ただし、白内障以外にも似た症状が出る病気もありますので、「白内障だから大丈夫だろう」と思わずに、念のために見え方に支障があったら、必ず一度は眼科を受診するようにしてください。
- Q治療の選択肢としては何がありますか?
-
A
▲白内障は進行スピードを薬で遅らせることが図れる
現在のところ白内障を治す薬はありません。ご希望の方には、進行のスピードを和らげるための目薬をお出しすることもありますが、基本的には治療は手術となります。手術は、濁った水晶体を超音波で砕いて吸い取り、人工の眼内レンズを入れるもので、所要時間はおおよそ10分から20分程度です。局所麻酔で行い、基本的にはその日のうちに帰宅可能です。当院の場合は、提携先の病院へ紹介し手術を受けてもらっています。眼内レンズには単焦点眼内レンズを使った保険適用のものと、多焦点眼内レンズを使う自由診療のものがあります。どちらを選択するかは手術を執刀される医師に相談するとよいでしょう。
- Q手術に不安もあります。どのタイミングで検討すべきでしょう?
-
A
▲水晶体の濁りの程度により、手術のタイミングが変わる
目安としては、両目の視力が眼鏡をかけても0.7以下になった場合や、今までできていたことが視力のせいで困難になり、日常生活に不便を感じている場合などには「そろそろ手術を検討されませんか?」とご提案します。ただし、基本的にはご本人の意思を尊重します。ただし、視力が落ちると車の運転などに支障が出ますし、転倒などの危険性も高まりますからある程度のところで決断したほうが良いと思います。ご自身の生活の質や目の状況などを総合的に考えて、ご本人が納得した上で決断できるようにサポートしたいと考えています。
- Q予防方法はありますか?
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A
▲眼球への刺激や生活習慣病の予防が白内障予防につながるという
アトピー性皮膚炎などで日頃から目の周りをよく擦る癖のある方は、濁りを招きやすいので、まずはかゆみのコントロールをすることが大事です。また紫外線も目の負担になりますから、屋外で過ごすときはつばの広い帽子をかぶったり、サングラスをかけたりするようにしましょう。糖尿病の方は普通の人よりも白内障を発症するリスクが高いという報告もありますから、生活習慣病を予防するために適切な食事や運動を心がけてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズ/20万円〜