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三輪 佳雅 院長の独自取材記事

三輪医院

(熊谷市/熊谷駅)

最終更新日:2024/10/29

三輪佳雅院長 三輪医院 main

JR高崎線の熊谷駅から徒歩15分、秩父鉄道秩父本線上熊谷駅から徒歩8分の閑静なエリアに、周囲の景観と溶け込みながらたたずむ「三輪医院」。2018年に、3代目となる三輪佳雅院長がリニューアル開業した新しいクリニックだ。スロープがあるなどバリアフリー設計で、明るく解放感あふれる待合室がある院内には、機器や設備のほかオストメイト(人口肛門や人口膀胱の保有者)対応トイレまで用意されている。キッズルームも設けられており、子ども連れでも受診しやすい。消化器内科の医師として、内視鏡などの専門性を持ちつつも、地域医療に携わる医療のジェネラリストとしてのプライマリケアを理想に掲げる三輪院長に話を聞いた。

(取材日2019年10月17日/再取材日2023年9月26日)

戦後すぐからの長い歴史を持つクリニックを継承

院長は3代目でいらっしゃるそうですね。

三輪佳雅院長 三輪医院1

そうなんです。戦後間もない頃に、今でいう一般外科・消化器外科の分野を扱うクリニックとして、祖父が当院の向かい側に開業したのですが、祖父が急死したため、1976年に急きょ、整形外科の医師だった父が継ぎました。そんな事情だったので、建物や設備などを新しくする時間がなく、そのまま診療していました。ですから、つい最近までは非常にレトロなクリニックでした。1940年代とか50年代から、ずっと診療していましたからね。現在、当院がある場所は、祖父が診療していた頃は入院施設でした。その施設を取り壊して2018年に戸建てのクリニックとしてリニューアルしました。そして、この建物が完成した同年11月に院長を継承しました。

物心がついた時には、自然に医師をめざしていたのですか?

どちらかというと、周囲の影響が大きかったです。幼稚園の時などに、将来なりたい職業を書きますよね。その頃にはもう、「お医者さん」と書いていたみたいです。思春期の頃には、自分の中でかなり葛藤もありました。ですが正直なところ、祖父や父の影響もあって、医師はほかの職業よりもかなり身近な職業でしたし、社会的に必要とされる職業でもある。そこから自分自身の居場所を確保するという意味でも、医師しかないと思い、決心しました。

なぜ消化器内科、内視鏡を専門に選ばれたのですか?

三輪佳雅院長 三輪医院2

最初は僕も整形外科を考えていましたが、大学在学中と研修中に、内視鏡の手技や治療に心惹かれました。ちょうど僕が消化器内科の医師になった頃というのは、内視鏡的粘膜下層剥離術といって、早期のがんなどを内視鏡で治療できるようになってきた時期だったんです。それまで検査がメインだった胃カメラや大腸カメラが、内視鏡手術という、治療の役目もできるというのが大きなトピックスになっていました。それに関わってみたいという思いから、消化器の中でも管腔部といわれる部位を選びました。ただ開業も見越していましたので、なるべくジェネラリストとして、消化器内科全般を診られるように研鑽を積んできたつもりです。また現在でも、プライマリケアのスキルを磨くことを心がけています。

より患者の立場を考えた診療を

設備や機器にもこだわっていらっしゃるようですね。

三輪佳雅院長 三輪医院3

当院は内視鏡クリニックですので、まずは内視鏡にこだわりました。レーザー光を搭載した機種を導入し、自動送水装置と洗浄消毒システムも備えています。そして、大腸内視鏡での検査の際、腸管内で吸収されやすいガスを使用しています。スムーズに検査を行うことが望め、検査後の患者さんの苦痛軽減にもつながると思います。内視鏡室には移動可能なモニターを複数台設置し、医師にとっての検査のしやすさと、患者さん側の画面の見やすさを両立させました。また、呼気でピロリ菌の有無を確認する検査機器も導入。検査当日に結果をお伝えできるのが利点で、主に治療後の除菌判定で使用していますが、初回の検査や再検査で用いることもあります。エックス線装置も画像が瞬時にデータ化されるフラットパネルですので、患者さんの待ち時間短縮につなげられればと思います。それと、待ち時間を快適にお過ごしいただけるよう、待合室の天井の高さにもこだわりました。

日々の診療で大切にされていることは何ですか?

まずは、来院される患者さんの話によく耳を傾けることですね。検査に関しては、流れ作業になってしまわないように心がけています。勤務医時代は、病棟での仕事があったり、書類の記入や整理に追われたり、検査件数自体も多かったですからね。そうすると、患者さんへの説明の時間もなかなか取りにくくなります。検査に妥協しないことと、検査後の説明をしっかりやること。病院との差別化というわけではないのですが、そこを意識して診療しています。それが地域の皆さんの健康寿命に貢献することにつながってくれたらと思います。

内視鏡検査の際に留意されていることは、ありますか?

三輪佳雅院長 三輪医院4

大腸の内視鏡検査では、基本的に鎮静剤は使わないようにしています。理由は、リスクが高いと考えているからです。大腸内視鏡で一番怖いのは、腸管に穴が開く腸管穿孔なんですが、それは医師のスキルで回避が望める部分です。ただ薬剤に関しては、呼吸抑制作用もありますので、例えばご高齢の患者さんの場合に、その作用が強く出すぎてしまうという可能性もあります。そうなると、医師のスキルだけではコントロールが望めなくなってしまうかもしれない。合併症にはいろいろありますからね。もちろん、酸素など応急処置ができるようにはしていますが、可能な限り鎮静剤は使わないようにしています。患者さんにも、そこは私に委ねてくださいと伝えるようにしています。

地域で長く愛されるクリニックをめざして

小児の予防接種や発熱者専用の外来にも対応されているのですね。

三輪佳雅院長 三輪医院5

はい。基本的には診療日の午後2時から3時を、小児予防接種の時間帯に設定しています。土曜を除き、一般診療とは分けていますのでご安心ください。ベビーカーのままで院内に入れますし、キッズスペースやおむつ交換台もご用意しています。発熱のある方も一般診療と時間を分け、診療日の12時から対応しています。事前にご連絡の上、駐車場でお待ちください。

これから力を入れていきたい分野はありますか?

訪問診療に力を入れていきたいですね。今も昔もがんで亡くなる方は多いですが、その中でも胃がんや大腸がんの占める割合は高いです。私はこれまでに、消化器内科を専門とする医師として緩和ケアに携わる機会が多くありました。その経験を生かしながら、訪問診療を行っていければと考えています。対応範囲は当院から10キロメートル圏内。通院が困難になってきたり、ご家族もお忙しい中どうしたら良いかわからなくなってしまったら、無理をなさらずに当院にご相談ください。

喜びや、やりがいを感じるのはどのような時ですか?

三輪佳雅院長 三輪医院6

開業している方は皆さんそうだと思うのですが、病院で勤務している時は、病院の名前や評判で判断して来られる患者さんが多かったのに対して、クリニックだとそれが自分個人に向けられます。やはりうれしいですし、やりがいも増しますね。なおかつ自分のやりたい検査や使いたい設備にもこだわれますし、時間の制約もないので患者さんに時間をかけられることも、やりがいにつながっています。3代目なので、小さい頃の私を知っているという患者さんもいまして、それはうれしいやら恥ずかしいやらですね(笑)。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

当院では院内処方を行っており、薬局で長い時間待つ必要がありません。これは患者さんにもメリットとして感じていただけるのではないでしょうか。また私は消化器を専門としていますが、生活習慣病の予防や治療にも取り組んでいます。胃腸の不調も生活習慣病も、どちらにも対応できるのは当院の強みです。コレステロールが高い、尿酸値が高いという方も含めて、ジェネラリストとして診療をしています。めざすのは、患者さん中心の医療の提供。ハートフルな医療で愛されるクリニックとして、これからも長く地域の皆さんと関わっていきたいと思います。

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