心臓リハビリテーションで心不全回復を
生活習慣病への運動指導も
のがたクリニック
(中野区/中野駅)
最終更新日:2025/02/03


- 保険診療
心臓から十分な血液を送り出せなくなり、階段や坂道で息切れしたり疲れやすくなるなどの症状が見られる心不全。命を落とす危険性が極めて高く、再発を繰り返すことも。そうならないために心臓に適度な負荷をかけ、心臓の動きを維持することをめざすのが「心臓リハビリテーション」だ。中野区にある「のがたクリニック」では心臓リハビリに取り組んでいる。診療対象は心不全の既往がある患者だけではなく、心不全のリスクである生活習慣病を持つ患者までと幅広い。「生活習慣病こそが心不全の最初のステージ。私もよく患者さんに運動しましょうとお伝えしていますが、その運動する場所を提供すべきなのではないかと考えました」と話す和久井真司院長に、同院の心臓リハビリや運動指導について話を聞いた。
(取材日2024年3月21日)
目次
医師・理学療法士・看護師・薬剤師がサポートしながら安全性に配慮して運動を実施。将来の心不全予防に
- Qこちらではどんな診療を行っているのですか?
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A
▲患者一人ひとりに向き合い地域の人々の健康を守る
風邪などの日常的なお悩みや、皮膚科、小児科、内視鏡検査などにも対応し、「病気で困ったらとりあえず“のがた”へ行こう」と思っていただける、ご家族皆さんのかかりつけになれるようなクリニックをめざしています。同時に私の専門が心臓外科であるため、心疾患の治療や予防、循環器の症状のご相談などにも注力しています。長年心臓外科医として心臓手術・術後の経過観察をしてきましたので、心臓手術、心臓カテーテルの術後を見守るのはまさに私の得意分野で、心臓リハビリも開始しました。心臓リハビリを都内のクリニックで行っている所はたいへん少ないので、大学病院などまで通うのが難しいと悩んでいる方はぜひ当院にご相談ください。
- Q心臓リハビリの目的について教えてください。
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A
▲丁寧な診療を通して運動指導を行う
心臓リハビリとは、再発や再入院を防止することを目標とした運動療法と学習活動・生活指導・相談などを含んだ総合的活動プログラムです。心不全、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後などの患者さんは、心臓の動きが低下し、また安静生活を続けたことによって運動能力や体の調節の働きも低下しているので、「適切な運動」が大切です。心臓リハビリは心不全の初期段階と考えられている生活習慣病の方にも有用で、動脈硬化の進行を防止することをめざし、運動の指導を行い、将来的な心不全防止につなげます。生活習慣の改善のために、心臓リハビリや心不全に精通したスタッフが対応します。
- Q心臓リハビリのメニューはどうやって決めるのでしょうか?
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A
▲患者に合ったメニューでリハビリする
患者さんそれぞれの既往歴や現在の症状、心不全のリスクなどについて医師、理学療法士、看護師、院内常駐の薬剤師という多職種でカンファレンスを行いながらその方に適したプログラムを作ります。一回のリハビリは60分、最初と最後はストレッチで、メインは自転車をこぐ運動です。リハビリの上限は週に3回なので、週に1〜2回、曜日を決めて定期的に通う方が多く、隔週の方もいます。リハビリ前には日々の血圧手帳のチェックのほか、私が診察して体調などを確認した上で、看護師と理学療法士立ち会いのもとリハビリを行います。大事なのは継続することですから生活スタイルに合った通い方のアドバイスも行い、スケジュールや内容を決めます。
- Q心臓リハビリや運動は、どのような方にお勧めなのでしょうか?
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A
▲スタッフが手厚くサポートする
すでに心疾患を経験された方が、次の発症を予防するための適度な運動を行うのが心臓リハビリです。さらに当院では生活習慣病をお持ちの方にも、生活習慣病の改善や、ひいては心疾患の予防のためにぜひ運動を取り入れていただきたいと考えています。生活習慣病は心不全のリスクの一つ。また、はっきりとした生活習慣病の症状がまだなくても、BMIが30以上ある肥満気味の方にも心不全のリスクがあります。それぞれの方に合った運動のやり方を心臓外科や循環器の医師、理学療法士、看護師などが科学的なエビデンスをもとに提案しますから、よりスムーズな減量や生活習慣病の改善につながるでしょう。
- Qこちらで心臓リハビリを受けるメリットは何だとお考えですか?
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A
▲リハビリの場で患者同士のモチベーション維持の効果も望める
最大のメリットは医師による診断のもと、ご自分に合った内容で、安全に配慮された環境での運動ができる点でしょう。リハビリ前の診察や問診などで体調の変化をつぶさに確認しながら心臓リハビリに精通した理学療法士と看護師のもと、リハビリを行います。また、運動に慣れて運動負荷量を上げていくときも必ず多職種で相談のもと、上げていきます。 医師による判断を前提に運動できる点は安心できるものではないでしょうか。また、リハビリに居合わせた患者さん同士の交流や情報交換の場にもなりますので、モチベーションアップにもつなげていただきたいですね。