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和久井 真司 院長の独自取材記事

のがたクリニック

(中野区/中野駅)

最終更新日:2025/01/24

和久井真司院長 のがたクリニック main

東京都道318号環状七号線の大和陸橋から近い早稲田通り沿い。中野駅と高円寺駅、野方駅のちょうど中間あたりに位置するのが「のがたクリニック」。かかりつけ医として20年間にわたって地域の医療を支えてきた同院を医療法人社団ALTRYを運営する和久井真司先生が継承し、院長に就任。2023年4月から新しいクリニックとしてのスタートを切った。和久井院長は大学病院の心臓血管外科などで経験を積んだ循環器のエキスパート。そのため、心不全の予防や心臓手術後の体力の回復をめざす「心臓リハビリテーション」にも対応できるよう院内設備を整えた。医師の労働環境の改善や医療ITの効果的な導入にも熱心に取り組む。「患者さんの声に耳を傾け、受け止めて寄り添う」ということがモットーだという和久井院長に話を聞いた。

(取材日2023年1月18日)

地域医療を支えてきたクリニックを継承し、新体制に

2023年4月に院長を引き継がれたそうですが、その経緯を教えてください。

和久井真司院長 のがたクリニック1

前院長の渡辺幸康先生が年齢的なことで引退を考えていらっしゃるという話を伺って、僕が運営している医療法人で事業継承させていただくことになり、それに伴って院長職を引き継ぎました。ここにはもともと前身の「中野病院」がありまして、実は僕が医師になりたての頃の初めてのバイト先がその「中野病院」だったのです。その病院は渡辺先生の奥さまのお父さまが経営されていて、2003年に渡辺先生が院長として引き継がれたタイミングで「のがたクリニック」となり、20年間にわたって診療されていました。中野病院時代に渡辺先生にもお会いしていたので、これも何かのご縁だなと。2017年に建て直しをして非常にきれいな状態でしたので、建物はそのまま継承した形です。引退を考えていたといっても渡辺先生はまだまだお元気ですので、現在は週2回、診察を続けていただいています。渡辺先生を慕って通い続けていらっしゃった患者さんも多いですからね。

和久井先生のご専門分野は何でしょうか。

大学を卒業後は日本大学病院の心臓血管外科にいましたので、循環器を専門としています。でも、ここに来る前に父のクリニックを引き継いで、そこでは内科を中心にちょっとした傷や皮膚科、小児科も何でも診ますというスタンスだったので、その経験も生かし、現在は総合診療というかたちでやっています。当院の医師は8人。消化器、呼吸器などそれぞれ専門分野を持っています。僕を含めて循環器の医師は4人おりますので、循環器の分野に力を入れているクリニックであることが特徴ではありますが、どのような症状でも気軽にご相談ください。日常的な不安からつらい症状までどのような状態でも各医師が対応可能です。また、以前は発熱専門の外来としていたものは、風邪専門の外来に変更し、発熱の有無にかかわらず、風邪症状のある方はそちらを受診していただいています。

物忘れ・認知症専門の外来も設けていますね。

和久井真司院長 のがたクリニック2

渡辺先生が院長をされていた時から、週1回非常勤で診察されていた佐々木貴浩先生は埼玉医科大学の教授で、認知症を専門としていらっしゃるので、物忘れ・認知症を専門とした外来で診療していただくことにしました。内科の症状で受診された方で「最近、物忘れがひどくて……」という場合にご案内することもできますし、「母の様子が気になるのです」とご家族の受診を検討される方も結構いますね。どのタイプの認知症なのかを診断するためにはMRIを撮ることが必要ですが、それは近くにある東京警察病院と連携しています。東京警察病院とはそれ以外でも非常に密に連携を取っていて、頻繁に紹介できる体制を整えていますし、あちらから紹介されて来院される患者さんもいらっしゃいます。

心臓の専門家として術後ケアや心不全予防にも取り組む

これまでの長いキャリアの中、医師としてやりがいを感じるのはどのような時でしたか。

和久井真司院長 のがたクリニック3

大学病院の心臓血管外科に在籍していた時には、僕が手術をしなかったら命に関わる方もいらっしゃいますし、人の命を救うための医療に携わっているということを直接感じられることは大きなやりがいにつながっていました。また心臓移植、人工心臓植え込み手術などに携わっていた時期もありました。若い世代の患者さんも多かったので、手術をした患者さんが元気にしている姿を見ることができるよう努めていましたね。

専門分野を生かして心臓リハビリも行うとのことですが、それはどのようなものですか。

心臓の手術やカテーテル治療をした患者さんは、体力が落ちてしまっていることが多いのです。その場合、運動が必要ですが、やりすぎると心臓に負荷がかかるし、やらなすぎると心臓が怠けてしまう。そのちょうどいいところを見つけて継続することが大切です。また、今後は「心不全パンデミック」といって、心不全が増加していくと予想されています。肥満症、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病が心不全リスクを高めるため、その段階から運動を開始するのが予防のために有用なのは明らかなので、その場を提供したいと考えていて、心臓リハビリに対応できる環境を整えました。具体的には自転車をこぐなどの運動を、心臓のご機嫌をうかがいながら行うというもので、当院には心臓リハビリに精通する理学療法士と看護師も在籍しています。クリニックで心臓リハビリに対応している施設は少ないと思いますので、お気軽にご相談ください。

患者さんと接する上で心がけていることは何でしょうか。

和久井真司院長 のがたクリニック4

一番は患者さんに寄り添うことでしょうか。例えば「数値が悪いから、こうしなきゃ駄目」とか「少し痩せてください」「運動してください」などと正論を言うのは簡単です。でも、それよりも患者さんを否定しないことが大切。患者さんの声に耳を傾けて、その人を理解しようとすると言ったら良いでしょうか。それがたぶん“寄り添う”ということかなと思うのですけれど、寄り添って初めて、患者さんはこちらの言うことに聞く耳を持ってくれるような気がするのですよね。あとは、皆さん元気がなくて来るので、こちらが元気がないのは良くないと思うのです。だから、常に笑顔であいさつをすることは心がけています。患者さんを笑顔にするのが仕事で、そのためには自分が笑顔じゃなきゃいけないなと思っています。

前院長の想いを引き継ぎながら、より良い環境をめざす

院内処方に対応されているとのことですが、この規模のクリニックでは珍しいのではないですか?

和久井真司院長 のがたクリニック5

前身の中野病院では入院患者さんもいたので、その流れで薬剤部があったのが続いていて、継承後もそれをそのまま受け継いでいます。薬剤師も常に2~3人常駐しており、約600種の薬剤を取りそろえ、そのうち漢方薬が70種と本格的で、院外薬局より種類が多いのではないかと思うくらいです。院外薬局まで歩く必要がなく、診察料とお薬代をまとめてスムーズに会計できるので、患者さんの利便性向上にもつながるでしょうし、当院の特徴として誇れるものの1つだと思います。

前院長の方針をそのまま引き継いでいらっしゃることも多いのですね。

はい。院内処方についてもそうですし、前院長が熱心に取り組まれていた在宅医療も引き続き行っています。事業継承というのは難しい側面もありますが、僕としてはすごくうまく引き継げていると思っています。それはなぜかというと、渡辺先生のことをとても尊敬していますし、僕のこともすごくリスペクトしていただいていて、そういう関係性が良いのだろうなと。それがないと絶対にうまくいかないと思うので。僕は父からもクリニックを継承していて、違うやり方でも認め合って尊重することなど、その時に学んだことも生かせているかなと思います。

今後の取り組みについて教えてください。

和久井真司院長 のがたクリニック6

大学時代から医師の労働環境改善に関心が強く、医療ITのシステムを開発したり、医療ITコンサルタントとしても活動しています。ですから、当院でも医療ITを導入していきたいと考えています。診察時に医師が画面ばかり見ているという不満もよく聞きますが、そうならないような電子カルテに変えるなど。IT化というと冷たい印象がするかもしれませんが、事務処理の時間を短縮して、その分、患者さんと向き合って話す時間を増やしたいというのが僕の理想です。患者さんのQOL(生活の質)のみならず、医療従事者のQOLも良くなることが結果的には患者さんにとっても良いことだと思っています。そして、同じ理念を持った先生を増やしていきたいとも考えています。規模を大きくするだけが目標ではなく、日本の医療を変えることにつながればと思っています。

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