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木村 祐介ノーマン 院長の独自取材記事

木村専太郎クリニック

(福岡市南区/大橋駅)

最終更新日:2024/06/12

木村祐介ノーマン院長 木村専太郎クリニック main

三宅本町バス停から徒歩5分の場所にある「木村専太郎クリニック」は、開院から20年以上、地域に親しまれてきた。現在は先代の木村専太郎前院長の息子である木村祐介ノーマン医師が継承し、内科・外科を問わず、幅広い疾患に対応し、さまざまな症状の相談窓口も担っている。子どもから高齢者まで各世代が訪れる中でも、巻き爪の手術とほくろなどの皮膚腫瘍切除を希望する患者が多い同院では、外来で日帰り手術も実施。木村院長は、「巻き爪は痛みが出現し、また感染など悪化のリスクが高いため、自分で対処しようとせず、早期に受診していただきたいです」と話す。幅広い診療内容に対応することに関して「さまざまな角度から患者さんの不調改善と健康維持にも努めています」と、ほほ笑む。その背景にもふれながら、診療内容について詳しく聞いた。

(取材日2024年5月7日)

アメリカと日本で過ごした幼少時代に医師への夢を抱く

こちらはお父さまが2001年に開院されたクリニックだそうですね。

木村祐介ノーマン院長 木村専太郎クリニック1

はい。父は開院してから、この土地に腰を据えて診療を行ってまいりましたが、開院前はアメリカでも医療研究に従事していましたので、私はアメリカで生まれ、小学生の頃はアメリカと日本を行ったり来たりしていました。小学校は4回転校して、日本に帰ると漢字の読み書きに苦労する日々。両親とは日本語で会話をしていましたので、言葉は問題なかったのですが、漢字の習得は大変でした。幼少期は引っ込み思案だったものの、アメリカではそれではいけませんので、積極的で行動的になりました。そうなったのはアメリカで日本人学校ではなく現地の公立小学校に通わせてくれた両親のおかげだと、今でも感謝しています。

積極的にならざるを得ない環境だったのですね。

まさに。言葉がわからなくて話せなくても、トイレに行きたい時は、英語を話さなければならない場面が必然的に出てきます。そうこうしているうちに、言葉だけでなく、自然とアメリカの文化に溶け込むようになり、日本の文化や考え方の違いもわかるようになりましたから、子どもの順応性はすごいですね。そんな中でも、やはり父の存在は大きかったです。両親いわく、私は幼稚園の頃からずっと「外科の医師になりたい」と言っていたそうです。中学からは日本で過ごしたのですが、この夢は小中高と変わりませんでした。

そして、久留米大学医学部に進学を。大学生活はいかがでしたか?

木村祐介ノーマン院長 木村専太郎クリニック2

勉強は大変でしたが、麻雀、ドライブなど学生らしい生活も楽しみ、特にビリヤードに没頭しました。卒業後は、父が外科の医師だったので、自分もすぐに外科に入局しようと思っていました。しかし、父からのアドバイスを受け全身管理を学ぶために麻酔科に入局し研修医の2年間を過ごしました。麻酔科では特に手術麻酔に従事し、今体内で起こっていることを生理学的に考えることを身につけることができました。またさまざまな科の麻酔を担当したのでそれぞれの科の手術についてたくさん見れたのはたいへんに有意義でした。麻酔科での経験はたいへんに大きく、外科に行ってからも非常に役立ちました。今も診療の大事な土台となっています。

巻き爪やほくろの除去を軸にした幅広い診療

外科ではどのようなことを身につけたのでしょうか? また、クリニックの継承についてもお聞かせください。

木村祐介ノーマン院長 木村専太郎クリニック3

麻酔科での研修の後外科では久留米大学病院で2年間指導してもらい、肺、心臓、乳腺、胃、大腸、肝胆膵などの手術はもちろん、幅広い知識を満遍なく学ばせていただきました。その後は、大学の関連病院で勤務。当時は麻酔科の医師が少なかったので、手術の時には特に麻酔科での経験を生かせました。外科手術への思い入れが強かったものですから、とにかくがむしゃらに修練しました。呼吸器外科が専門でしたが、その他乳腺外科、一般消化器外科の手術もしておりました。そんな中、父が病気で倒れてしまいました。それが2013年9月30日のことで、翌日の10月1日には私が引き継ぎ、ここで診療を開始しました。父の背中を見て医師の道を決意しましたので、父が開院したクリニックを存続させたい、その気持ちだけでした。それ以前も半年ほどサポートで診療していたこともありましたので、幸い戸惑うことはありませんでした。

顔見知りの患者さんもいらしたのですね。

はい。今でも当時の患者さんが通ってくださっています。父がやってきた診療のレベルを維持することを目標にやってきましたので、変わらず来てくださるのはたいへんにうれしいです。昔も今も内科系疾患の患者さんが多く、高血圧、糖尿病などの生活習慣病をはじめ、風邪などの一般内科に加えて、外傷、打撲、捻挫などの外科領域まで、幅広く診療しています。中でも巻き爪の手術、皮膚腫瘍切除はたくさん行った経験もあり、今も多くの患者さんが来院されています。外科的な診療でもこれまでのキャリアを十分に発揮できています。

巻き爪の処置や、ほくろの除去について詳しく教えてください。

木村祐介ノーマン院長 木村専太郎クリニック4

どの診療においてもいえることではありますが、どちらも根本的な原因の改善を見据えて行っています。例えば、巻き爪の治療法は一つではないのですが、当院では外来日帰り手術による根治が期待できる治療を行っています。爪が陥入しているのが巻き爪の原因ですので、陥入している爪を幅2mmほどで縦に除去し、さらに除去した部分の爪が生えないように手術を行います。残念ながら巻き爪の痛みは手術せずに改善することはめったにありません。自己流で爪を切ってどんどん悪化するケースもあるので、痛みが生じたら躊躇せずに受診されてください。皮膚腫瘍、ほくろの切除に関しては、がんが疑われる場合や痛みを伴う、出血するなどの場合に切除を行います。陥入爪手術も皮膚腫瘍、ほくろ切除も保険適用です。何らかの症状がある時はご相談ください。

地域の子どもから高齢者の相談窓口に

不定愁訴の相談にも対応されているとお伺いしました。

木村祐介ノーマン院長 木村専太郎クリニック5

西洋医学による治療だけでは改善があまり期待できない症状もあります。そういう時は、栄養面が原因となっているケースがあります。例えば、片頭痛。頭痛薬を飲んでもその場しのぎでまた痛みが出るという場合に、血液検査で貧血がわかれば鉄分を補う治療をして頭痛の改善を図る方法もあります。何か調子が悪い、体がだるい、若い方で朝起きられないなどの症状に血液検査を行い、栄養面について解析をして原因を確認できる場合があります。できる限り保険診療内で可能な治療を行っていますので、不定愁訴などでお悩みの方も一度ご相談にいらしてください。

お忙しい日々だと思いますが、お休みなど息抜きの時間はありますか?

基本的にフルでゆっくりできる時間はないんです。なぜかというと在宅医療にも携わっているからです。久留米市に自宅があるのですが、家に着いてまた呼び出しがかかることもあります。私の場合は施設で、決まったサイクルで行う通常の訪問診療だけでなく、かかりつけの方が血圧が下がったり、意識障害が出たりするるなど、緊急を要する場合の往診も行っております。幸い私はお酒が飲めないので、飲みに行けないストレスはないのですが、いつでも携帯電話がつながるよう常に充電も気にかけ、呼び出しに備えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

木村祐介ノーマン院長 木村専太郎クリニック6

継承してからの約10年、父の患者さん、地域の方の健康を守りたいその一心でやってきたような気がします。父は何でも診ることができる医師でしたので、そこに追いつくための努力も必要でしたし、最初の数年は特に診療のことで頭がいっぱいでした。10年たった今、診療の幅がかなり広がりました。患者さんもお子さんから高齢者まで幅広い層の方がおみえになります。小児科は標榜していないのですが、一緒に診てほしいと家族で来られる方もおられ、今では困った時の相談も担っています。どの医療機関を受診すれば良いかわからない時がありますよね。そんな時に、「とりあえず先生に診てもらおう」と思ってもらえるクリニックでありたいなと思っています。気になることやお困りの症状があれば、いつでもご相談にいらしてください。

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