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藤田進彦 院長の独自取材記事

吉祥寺藤田クリニック

(武蔵野市/吉祥寺駅)

最終更新日:2019/08/28

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「吉祥寺藤田クリニック」は2014年、吉祥寺駅前交差点前という至便の地に開院した。院長の藤田進彦医師がインタビュー後に見せてくれた写真には、山登りを楽しむ藤田院長やその家族、職場の看護師や20年来のつき合いだという糖尿病患者の姿があった。藤田院長はこれまで、医師という垣根を越えて患者たちに向き合ってきたのだ。糖尿病治療を専門とする父の影響を早くから受け、卒業後は大学病院や地域の基幹病院を経て開業。現在は、一般内科や循環器内科、甲状腺治療、糖尿病を始めとする生活習慣病の療養指導などを行っている。人とつながることこそ内科医としてのやりがいだと語る藤田院長に、これまでの患者とのエピソード、その診療スタンスなどを伺った。
(取材日2014年9月10日)

医療の進歩により、オーダーメイドの糖尿病治療が可能になった

青と白を基調としたきれいな内装ですね。

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ありがとうございます。今年4月に開院してから、来院されている患者さんの多くは糖尿病の方で、そのため院内の椅子やwebサイトの色を、糖尿病啓発のシンボルである「ブルーサークル」と同じ青にしました。また、同色でつくった当院のロゴマークには、五角形の中心に一人の患者さんが配してあり、5つの角には円が描かれています。その一つ一つは医師や看護師、薬剤師などの患者さんをサポートするスタッフをイメージしました。そこには患者さんが一人で治療を行うのではなく、医療チーム全員が仲間となって病気と向き合うのだという意味が込められています。慢性期の患者さんの治療は長期にわたりますから、みんなで頑張ろう、という気持ちです。私はもともと一時的に患者さんと関わるというより、長いつき合いの中で治療していくことにやりがいを感じており、そこに内科の醍醐味があるのだと思っています。

開院して間もない中、現在はどのような患者さんがいらっしゃいますか?

開業直前に勤めていたのが武蔵野赤十字病院の内分泌科でしたので、糖尿病や甲状腺治療の患者さんを中心に、1人で800人ほどの患者さんを担当していました。そのご縁で、開業してすぐの頃は当時の患者さんがとても多く来院してくれました。現在はそうした長くお付き合いをさせていただいている患者さんの他にも、クチコミや薬局などで当院を知って来院される方や、甲状腺自体を標榜しているクリニックが少ないことから、これまで遠方に通われていた患者さんにも来ていただけるようになりました。

クリニックで行われる治療について、教えてください。

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当クリニックの診療の中で、腎臓内科だけは私の妻の専門ということで彼女の在院する土曜日がメインとなりますが、それ以外の高血圧・高脂血症・糖尿病などの慢性疾患、甲状腺治療や一般内科などはすべて、私が担っています。中でも生活習慣病の方への療養指導には力を入れており、糖尿病療養指導士の資格をもつ看護師とともに、患者さんのライフスタイルに配慮した最適の方法をアドバイスしています。糖尿病の治療は私が医師となった20年前とは随分変わってきました。1、2種類の経口薬に頼らざるを得なかった投薬が、医療の進歩で今年の4月には7種類に増えました。これによって、すい臓の機能が悪くインスリンの分泌がスムーズではない方、生活習慣による肥満の方、肝臓の疾患などが原因の方など、それぞれの原因に合わせたオーダーメイドの治療が可能になったのです。糖尿病は薬だけで治療すべき病気ではありませんが、こうして患者さんがより生活しやすく、治療を続けやすい環境が整っていくのは本当にうれしい限りです。また、週に一度、基幹病院の武蔵野赤十字病院に非常勤医師として外来を担当しておりますので、必要に応じて精密検査や加療を依頼することもスムーズに行えることが当院の特徴でもあります。

一人の患者さんを一生サポートしていくために、開業を決意

診療で最も心がけていることは、どんなことですか?

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私の療養指導では、患者さんの生活習慣にはあまりうるさく口を出しません。慢性疾患の患者さんは一生病気とつき合っていかなければなりませんし、それゆえもともとのストレスがとても大きいのです。ですから四角四面に正しいことを通すというよりは、避けなければならないポイントだけを伝え、それ以外は薬で補う方が治療を続けやすいと思うのです。ひと昔前のように、医師がデータばかりを気にして厳しく指導しているのでは、患者さんの足が医療機関から遠のいてしまいますよね。それによって合併症を起こしてしまうのでは元も子もありません。勤務医時代、私はなるべく患者さんが治療をドロップアウトしないようにするにはどうすべきなのかを試行錯誤し、科をあげて治療に来なくなった患者さんのアフターフォローに徹した経験があります。足が遠のいている患者さんには電話し、「何かあったのですか?」と理由を確認するようにしました。最初のうちは、自分の診療が嫌になったから来なくなったのではないかという不安もありましたが、蓋を開けてみると「急に用事ができて行けなかったのがきっかけで遠のいていた」など、些細なきっかけによるものが多くあったんです。こうしたフォローは、ドロップアウトを未然に防ぐだけでなく、医療者の存在をより身近なものだと感じてもらうきっかけにもなりました。まだまだドロップアウトを100%と防ぐことはできませんが、開業した今でもこうした取り組みは続けており、少しでも患者さんにとって必要な存在でいられるように努めています。

医師をめざされたきっかけを教えてください。

5人兄弟の末っ子として三鷹市で育ち、両親はともに勤務医でした。私は特に、糖尿病の内分泌系を専門とする父の影響を色濃く受けたのだと思います。ある日、小学生の私が父の勤める病院へ行くと、白衣に身を包み、いつもとはまったく違う父がいました。医局など病院内を案内されてとてもうれしかったのを覚えています。医師という仕事をしている父が新鮮で、とても頼もしく思えました。それが直接的なきっかけとなったのかは定かでありませんが、その頃から私は「医師になる」と口にするようになりました。日本医科大学に入学してからも、父と同じ糖尿病の専門医になる志は一貫していました。卒業後は医局に残り、糖尿病に特化した内科がなかったので、循環器をメインとして肝臓病や糖尿病の治療を行う科に在籍しました。時にカテーテルなどの急性期治療や集中治療なども経験しながら、学びの多い勤務時代を過ごしてきたと思います。

開業の意志は昔からあったのですか?

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開業の意志がもともとあったわけではありません。ですが医療情勢が変化していく中、「急性期は大病院、慢性疾患は掛かりつけ医」という流れが一般に定着し、私の働く基幹病院では患者さんを継続的に診ていくことが難しくなってきたのです。これでは「患者さんを一生サポートしていく」という自分の主義に反してしまうと思い、この地に開業することを決めました。

医師という枠を超え、対人としてつきあう

最近は、医師が患者さんの体に触れる診察が減っていると言われますね。

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そうですね。ですが、体に触れることは、皆さんが思っている以上に大切なことかもしれません。特に生活指導を行う場面では、患者さんからどれだけ生活習慣の話しを引き出すことができるのかが医師の手技になります。私はそのきっかけに、毎回患者さんの血圧を計るようにしています。最近は家庭血圧重視の傾向があり、医師の測定による血圧データにはさほど意味はないのですが(笑)、それでも、体に触れることが何かを話すきっかけにはなると思います。体重測定もそうです。普段体重計に乗りたがらない人だと、結果が目安となってモチベーションにもつながるし、増加していれば、「最近食べ過ぎちゃったから」などと生活習慣を話すきっかけにもなります。そうした一つ一つの積み上げがきっと、患者さんと医師の信頼関係につながるのだと思います。

日曜診療も実施されるなどお忙しいとは思いますが、どのように健康を維持されているのですか?

日曜日の診療は、当直があった勤務医時代に比べればたいしたことではありません。むしろ、今は入院患者さんがいないので少し時間に余裕ができ、早起きをして妻や子どもとともに公園でラジオ体操をする時間がとれるようになりました。体操が終わってからは筋トレをし、20分間かけて歩いて帰る。子どもは小学4年生の息子と2年生の娘、2歳の息子がいるのですが、女の子は朝寝坊でまったく参加しませんね(笑)。あとは休みの日に、日本医大勤務医時代から交流のある患者さんや私の家族、クリニックの看護師や前の職場の薬剤師などと一緒に登山へ行ったりします。療養指導の一環ではなく、単なる私の娯楽なのですが、こういう輪を広げていければいいですよね。患者さん同士も交流があると励みになるし、気持ちを分かち合えることで楽になりますから。私も仕事以外で皆さんと接することができれば、楽しい休日を過ごせると思います。

読者へのメッセージをお願いします。

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医療の進歩によって、糖尿病の治療は随分と変わってきました。読者の方の中にはきっと、昔ながらの療養指導に疲れ、ドロップアウトしてしまった方もおられるのではないかと思います。ですが、今はもう新たな治療が始まっています。無理な生活習慣を押しつけられることもなく、あなたらしい生活をいかに続けられるのかをプロと一緒に考えることができるのです。ですから固定観念に縛られることなく、もう一度医療機関を頼ってみてください。このインタビューが、そうした患者さんの治療を始めるきっかけになればと思います。

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