下肢静脈瘤を放置せず
日帰り手術でQOLの向上をめざす
東京デイサージェリークリニック
(中央区/東京駅)
最終更新日:2024/05/15


- 保険診療
ふくらはぎの血管が浮き出て見える、ボコボコ膨らんでいる、膨らんでいた部位が赤く腫れて痛むなどの症状が現れる下肢静脈瘤。静脈瘤には伏在型静脈瘤、分枝型静脈瘤、網目状静脈瘤、クモの巣状静脈瘤などの種類があり、それぞれの特徴的な見た目以外に、むくみやだるさ、足がつる、かゆみなどの症状を伴うこともあるという。生活の質を著しく低下させる静脈瘤だが、保険適用で低侵襲の手術を日帰りで受けることが可能だ。仕事を長く休む必要がなく、術後の痛みも少ないなど、日帰り手術にはメリットも多い。下肢静脈瘤をはじめとする日帰り手術専門のクリニックとして診療を行い、日帰り手術の普及に努める「東京デイサージェリークリニック」の柳健(やなぎ・けん)院長に、下肢静脈瘤と日帰り手術について詳しく聞いた。
(取材日2024年4月18日)
目次
女性に多く、時間とともに進行する下肢静脈瘤は、負担が少ない日帰り手術でQOL向上をめざす
- Q下肢静脈瘤とはどのようなものですか?
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A
▲手術設備を充実させていてる同院
下肢静脈瘤とは、足の静脈の弁が壊れて血液が血管内に滞留して膨らみ、こぶのようになる病気です。 ふくらはぎの静脈がボコボコと膨らみ、見た目で下肢静脈瘤と診断できます。また、細かい血管が浮き出てくるような種類の静脈瘤もあり、痛みを伴わないケースでは診療を受けず放置している方もいらっしゃいます。しかし、静脈瘤は時間とともに進行していく病気ですから注意が必要です。男性よりも女性に多く、加齢とともに増えていく他、美容師さんや調理師さんなど立ち仕事が多い方がかかりやすく、妊娠、出産、遺伝も関係するといわれています。
- Q治療の選択肢について教えてください。
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A
▲保険適用内でのレーザー治療も実践している
手術には、血管の中からレーザーや高周波で焼き固める血管内焼灼術のほか、血管内塞栓術、膝の下と太もものつけ根から血管を抜き出すストリッピング術があります。レーザーによる血管内焼灼術は、これまで自費診療の範囲であった機器が保険適用となり、保険診療の範囲で十分な治療が行えます。血管内塞栓術ではグルーと呼ばれる接着剤で血管を塞ぎます。ストリッピング術では、2ヵ所に小さな切開をし、特殊な器具で血管を抜き取ります。負担の少ない手術として知られる術式です。当院では、これらの下肢静脈瘤の手術を日帰りで行い、手術以外の治療法として、弾性ストッキングによる圧迫療法や注射による硬化療法などがあります。
- Q治療後から日常に戻るまでの期間を教えてください。
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A
▲低侵襲な手術で早期での術後の回復にも努めている
下肢静脈瘤の手術は低侵襲の日帰り手術なので、術後は、そのまま日常生活に戻れますが、いくつか注意が必要です。シャワーは手術の翌日から浴びることができますが、入浴で湯船に浸かるのは1週間後からにしてください。デスクワークなど、脚に負担のかからない程度の仕事であれば翌日から可能ですが、立ち仕事をされている方は、術後の1週間は立ち時間を短くするなどの注意が必要です。また、ジョギングやスポーツなどは2週間程度控え、下肢の筋力トレーニングは3週間以上行わないようにしましょう。食事の制限などは特にありませんが、飲酒は3日程度控えてください。不安なことや気になることがあれば医師に確認すると良いでしょう。
- Qこちらのクリニックの特徴について教えてください。
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A
▲ネットでも相談の窓口を広げ、受診のハードルを下げている
私は大学病院に勤務していた頃から日帰り手術に着目し、静脈瘤を専門に扱うクリニックで下肢静脈瘤の手術を多数担当してきました。そこで「日常生活に負担の少ない手術を世に広めたい」と考え、日帰り手術専門のクリニックとして当院を開院しました。開院にあたっては日帰り手術のメリットを十分に生かせるよう、東京駅から徒歩4分、日本橋駅から徒歩1分の立地と、手術中に自然災害が起こっても対応できる24時間副電源稼働システムのある新築ビルを選びました。患者さん同士が顔を合わせず検査室や手術室に行ける動線を確保してプライバシーに配慮する他、オンライン相談窓口を設け、忙しい方や遠方の方にも来院しやすい環境を整えています。