脳波の異常を高精度に測定
てんかん診断に役立つ脳波検査
たまがわクリニック
(横浜市旭区/二俣川駅)
最終更新日:2021/10/12


脳の過剰な電気的活動によって発作を反復する病気、てんかん。その診断に役立つのが脳波検査だ。しかし、患者が多いにもかかわらず、適切な脳波診断が行える医療施設は、意外と少ないという。「たまがわクリニック」は、診断・治療を行う脳波認定医と、脳波測定を行う脳波認定技術師の両方が揃う、珍しいクリニックだ。地域のてんかん治療の第一人者である院長のもと、脳波検査がどのようなものか取材した。
(取材日2014年10月20日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q脳波検査が行えると聞きましたが、どのような検査ですか?
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A
脳はその活動にともなって電気信号を出し続けています。それを頭においた電極でとらえ、波形として記録するのが脳波検査です。発作的に意識を失ったり、けいれんしたりする病気、認知機能障害に波がある高齢者などに行います。
- Q検査中、寝てしまっても問題はないのですか?
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A
脳の活動は起きている時と寝ている時で大きく変化するため、両方の脳波が記録できれば、診断のための情報が多く得られます。睡眠と覚醒の間が病気による脳波の異常が出やすいので、検査には寝不足で来てください。
- Q検査時間・費用はどれくらいかかりますか?
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A
脳波の測定は40分程度で、電極の付け外しの時間も入れると約1時間です。深い睡眠まで記録が必要な時は2時間ほど行うこともあります。検査は保険適用で、3割負担の場合は検査のみで3000円、診察料込みで5000円ほどです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1神経内科専門医・脳波認定医の院長が、全身の神経学的診察を行う
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神経の病気は、症状の出ている場所と原因となる脳が離れている。そこで、小さなハンマーで肘や膝を軽くたたいたり、筆や先の尖ったローラーで体を触れたりすることで神経の反応を調べ、全身を系統立てて診察する。
- 2別室で検査予約。整髪料やヘアピンをつけないなど注意点を説明
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診察の結果、脳波検査が必要な病態と考えられたら、検査の予約をとる。看護師または検査技師から、当日は髪を洗ってくることやヘアピンはつけないこと、検査中寝やすくなるため寝不足で来院するといった説明を受ける。
- 3検査は脳波室で行う。脳波認定技術師の資格を持つ検査技師が準備
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微弱な脳波をきれいに記録するため、脳波室には銅箔が張り巡らされ、音や電磁波を遮断する構造だ。検査技師が患者の頭に電極を配置。通常は21個の電極を国際的に定められた並べ方に従ってペーストで貼りつける。
- 4脳波測定中、患者の様子は動画撮影され、室外で技師がチェック
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技師の指示のもと、過換気や光刺激を与えて脳波を活性化させ、さまざまな波形の変化を確認。その後はほとんどの患者が熟睡。脳波はデジタル脳波計で電気的に記録され、コンピュータ処理によって異常波の出る場所を特定。
- 5結果は即日患者に伝え、病気が見つかった場合は治療計画を提案
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患者に脳波の記録を見せ、正常波と異常波を説明。異常波がある時は、どの辺りから異常波が出ているか、頭を指し示してわかりやすく伝える。てんかんによる脳波異常が見つかった際は、抗てんかん薬による治療を開始。