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大蔵 隆一 院長の独自取材記事

おおくら内科

(中野区/東中野駅)

最終更新日:2021/10/12

大蔵隆一院長 おおくら内科 main

JR総武線東中野駅より徒歩1分、ユニゾンモール3階にある「おおくら内科」は、働き盛りの若者から中高年、高齢者まで幅広い患者層に対応しているクリニック。大蔵隆一院長は大学病院に在籍中、当時はまだ新しいとされていたピロリ菌の検査・診断方法や小腸カプセル内視鏡の研究に努めてきた経験豊富な医師だ。院内の内視鏡室が勤務していた大学病院と同じ面積を有しているという点に、質の高い医療を提供したいという大蔵院長のこだわりが感じられる。クリニックでは胃内視鏡検査のスペシャリストとして、苦痛の少ない検査と正確な診断を心がける一方、大腸カプセル内視鏡による検査の普及にも余念がない。また内科医師としても「気軽に相談できるかかりつけ医」をめざす大蔵院長に、詳しい話を聞いた。

(取材日2019年11月8日)

内視鏡検査と技術を極めるべくクリニックを開業

なぜ医師をめざされたのですか?

大蔵隆一院長 おおくら内科1

実は私の父も、下町で内科のクリニックを開業していたんです。その姿を身近に見てきた影響ですね。「医者というのはなりたい人がなればいいんだ、なりたくないやつがなる必要はない」が口癖でしたが、そう言われると逆に挑戦したくなるものです。結果的に医師の道を選びました。父の後を継いだ弟も、きっと私と同様に刺激されたのではないかと思います。今思えば、知らず知らずのうちにうまく誘導されていたのかもしれませんね。

開業前は関東信越厚生局に勤務されていたそうですね。

厚生労働省の外局である「厚生局」に所属していました。医療の現場とまったく違う世界に引き抜かれた形でしたので驚くこともたくさんありましたね。しかしそれ以前は大学病院で長年胃内視鏡検査に携わってきましたので、「再び自分の手で内視鏡をやりたい」という思いが日に日に強くなり、医師の仕事に戻る意味も込めて2013年の9月に開業しました。「つらくない検査」をモットーに研鑽を積んできた分野ですので、このクリニックでも誰もが不安なく受けられる検査を提供していきたいと思っています。

クリニックでも胃内視鏡検査に力を入れているのでしょうか。

大蔵隆一院長 おおくら内科2

開業の動機の一つが「どうしても胃内視鏡検査をやりたい」という点にありましたので、こだわりがありますね。従来の口からカメラを入れる方法と、どうしてもつらい、怖いという方のために鼻から入れる経鼻内視鏡も取り入れました。経鼻内視鏡が登場した当時は病院勤務時代だったのですが、実際に私も自分の鼻に入れてみてその検査のしやすさに感動しましたね。当院では8〜9割の患者さんが経鼻内視鏡を選んでいます。また、鼻からでも抵抗があるという方は静脈麻酔を施して眠っている間に検査を行うこともできますが、車や自転車でお越しの場合はお勧めしていません。内視鏡検査は設備だけでなく、医師の技量も検査のつらさに影響します。当院では、ほとんどの患者さんが抵抗なく検査を終えられているようですが、もっと気軽に検査を受けていただくために、私も技術の研鑽に努めたいと思っています。

内視鏡検査は病気の早期発見・早期治療に役立つ

大腸カプセル内視鏡による検査を取り入れているそうですね。

大蔵隆一院長 おおくら内科3

病院勤務時にも小腸用のカプセル内視鏡を導入し、検査を行っていましたが、新たに大腸用が出ると知り、専門領域では新鋭の機器を網羅すべきと考えて導入しました。ただし保険適用となる基準は「以前に大腸内視鏡検査を受けたが痛くて奥まで入らなかった人」「癒着や手術などで腸がねじれていてカメラを挿入する際にリスクのある人」に限られています。また以前は、検査時間が朝から夕方までかかる上に、カプセルがなかなか体外に排出されないという難点がありましたが、最近は下剤が改良されて、個人差はあるものの午後早めの時間に排出されて検査を終えられる人も多くなりました。カメラの記録時間も長くなり、現在はカメラにスクリューをつけて自走させる実験や、通常の画像写真からがんの可能性を解析できるAIも研究されているので、将来的には多くの人が気軽に短時間で検査を受けられるようになればと思っています。

内視鏡検査の重要性はどんな点にあるのでしょうか。

胃内視鏡検査については、やはりピロリ菌と胃がんの早期発見です。今はピロリ菌が胃がんの原因の一つだと広く知られるようになりましたが、私が大学病院の内視鏡室長を務めていた当時は名前も検査法も、ましてやがんの原因になることもわかっていませんでした。また、ピロリ菌は高齢者の感染が多いといわれていますが、検査をしていると若年層の方にも感染者がいらっしゃいます。感染期が乳幼児の頃なので、胃の不調に気づかず過ごしている方が多いんですね。ですから30歳を目安に、一度はABC検診を受けて、結果によって胃内視鏡検査に移行するのがよいと思います。

大腸の検査についてはどうでしょう。

大蔵隆一院長 おおくら内科4

大腸は胃と違って、何が原因でがんになるかがあまりよくわかっていないのが怖いところですね。過去から積み上げてきた年齢別の発がん率からすると、40歳を区切りとして検査をしたほうがよいと感じます。特に女性は検査に抵抗を感じやすいため、進行がんになって初めて見つかるというケースが多いんです。大腸内視鏡においては、日本の技術はかなり進んでいるほうだと思います。そうした環境で、大腸がんに苦しむ人が増加の一途にあるというのはもったいないことです。個人的にはまずカプセル型内視鏡による検査を行い、異常があったら内視鏡検査に移行するべきではないかと考えています。

「かかりつけ医」として地域医療に貢献

診察を通して最近気づかれたことはありますか?

大蔵隆一院長 おおくら内科5

ピロリ菌の除菌が進んで胃潰瘍や胃がんの患者さんが激減したように感じる代わりに、逆流性食道炎の患者さんがうんと増えています。考えられる原因としては、ピロリ菌がいなくなって元気になった胃から胃酸が上がりやすくなったのではないかということと、もう一つは肥満症との関連です。内臓脂肪が増えると胃の周囲に脂肪がついて圧迫され、胃がせりあがって食道裂孔ヘルニアにかかりやすくなります。もしそうなった場合、胃の入口が閉まりにくくなるため、胃酸が逆流してしまうことがあるんです。また、年々増えている花粉症やアレルギー症状も実は肥満と関連していて、栄養状態が良すぎるために免疫の働きが暴走して、アレルギー症状が起こることがあるということもわかってきています。いわゆる慢性疾患では、高脂血症や糖尿病の患者さんも目立つようになりましたね。

花粉症や生活習慣病に対してはどのような診療を心がけていらっしゃるのでしょうか。

スギ花粉とダニのアレルギーに関しては舌下免疫療法を行っています。逆流性食道炎に関しても胃酸を抑制するための薬がありますし、肥満症や高血圧、糖尿病の治療に役立つ薬がありますから、状態に応じてご紹介しています。多くの患者さんは「一度飲み始めたらやめられなくなってしまう」と思い込んでいるようですが、それは誤った認識です。薬はあくまでも、一線を越えて危険なレベルにある人が飲むべきものであり、そこから生活習慣を改めていかに薬から離脱していくかということが重要だと私は考えています。例えば一定の基準を越えていない肥満症の患者さんに私がよくお勧めしているのは、生活習慣を3ヵ月間見直して痩せる努力をすること。それでも数値が改善されない場合に投薬を検討し、治療の進み具合に応じて離脱の時期を検討します。むしろ「薬を飲んでいるから大丈夫」だと思って食べ過ぎてしまう患者さんのほうが問題だと言えるかもしれません。

最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。

大蔵隆一院長 おおくら内科6

心配でいらした方々が笑顔で帰ることができるよう、しっかりと事前説明をし、納得していただいてから治療に入ることを心がけています。どんなことでも相談できる「かかりつけ医」と思って気軽に外来へいらしてください。また、胃内視鏡検査をより多くの皆さんに受けていただけるよう、技術を研鑽していく所存です。ピロリ菌が直接がんに結びつくのではなく、ピロリ菌により慢性胃炎が引き起こされ、その慢性胃炎ががんのもとになると考えられます。特に慢性胃炎は、ピロリ菌がいなくなっても治療を終えるまで数年を要し、その間胃がんになってしまう可能性があるので、除菌後も定期検診を受けるようにしましょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ピロリ菌検査/7500円~、ピロリ菌除菌処置/6000円~

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