抜歯をせずに歯の寿命を延ばすには
根管治療で根元から歯の回復を
オリオン歯科NBFコモディオ汐留クリニック
(港区/新橋駅)
最終更新日:2026/04/02
- 保険診療
歯の内部には肉眼では見えない細い管「根管」があり、その中に神経や血管の集合体である「歯髄」が走っている。虫歯が深くなり歯髄まで細菌感染してしまった際に必要となるのが、根管治療だ。根管治療とは、細菌感染した歯髄を取り除き、根の管の中を洗浄・消毒して薬剤を詰め、かぶせ物を装着する精密な治療。抜歯を避けるための選択肢でもある。「オリオン歯科NBFコモディオ汐留クリニック」の小川雅子先生は「根管部分のトラブルは、腫れや痛みなど症状が現れることもあれば、重度の炎症でも自覚症状がないこともあるため注意が必要です」と語る。現場の治療だけでなくセミナーや勉強会で根管治療の学びを深めてきた小川先生に、根管治療を受けるメリットや再発防止のために必要なことなどについて詳しく教えてもらった。
(取材日2026年2月17日)
目次
歯髄炎や感染根管から、精密な根管治療により歯の回復を図る
- Q根管治療は歯がどんな状態の時に行うのでしょうか?
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A
▲根管治療を中心に研鑽を積んできた小川先生
根管治療は、主に虫歯の進行によって神経が生きている状態で炎症を起こす「歯髄炎」や、神経が死んで感染が進行している「感染根管」の場合に行います。細菌の感染が進むと、エックス線撮影で根の先に骨が溶けたように見える変化が確認されることがあり、この場合も根管治療が必要になります。症状はさまざまで、腫れや痛みなどの症状が出る場合もあれば、すでに神経を取っている歯は痛みを感じないため、重度の炎症でも自覚症状がないことがあります。この疾患による腫れは歯の根元に生じ、強い痛みを伴わない点が特徴です。そのため腫れができても様子を見る方が多いのですが、腫れが続く場合は早めの診察が重要です。
- Q根管治療の特徴やメリットをお聞きします。
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A
▲根管は複雑な形状をしているため、慎重な操作が必要になる
治療により病状の進行を止めることが見込めるだけでなく、悪化した状態からある程度回復も望める点が根管治療のメリットですね。根管治療は虫歯などに比べて深い所を触るため、一般の治療に比べ細かさと丁寧さが必要とされます。そのために当院ではマイクロスコープを使用して治療を行います。治療の回数は、神経が生きている場合は2〜3回程度、根管の外側まで感染している場合は5回以上かかります。また、唾液には細菌が多く含まれているため、治療中、患部に唾液が入らないようにするラバーダムと呼ばれるゴム状のシートを使用しています。
- Q根管治療を受ける際に気をつけることはありますか?
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A
▲日々のメンテナンスについても相談できる
根管治療は中断すると悪化するケースが多いので、最後まで治療を受けていただきたいです。仕上げに装着するかぶせ物が歯と密着していないと、隙間から細菌が入り感染しやすくなるため、最後の工程まで重要な治療です。また、口腔内に細菌が多いと再感染しやすいため、プラークコントロールも大切です。当院では、歯磨きやフロスなど日々のケアを指導し、定期検診時にクリーニングを行います。歯科医院選びについては、マイクロスコープを導入しているかどうかがポイントの一つです。肉眼では見えにくい根管内も、マイクロスコープでは根管内部の状態が確認でき、治療や感染部の除去、充填など、治療の全工程を可視化しながら治療を行えます。
- Q根管治療を精密に行うための機器についても教えてください。
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A
▲精密な治療に欠かせないマイクロスコープ
治療の精度を上げるため、当院ではマイクロスコープと歯科用CTを併用しています。特に根管治療の再治療は、患者さんの根管が複雑な形をしていたり、根管周りも細菌感染していたりと難しいケースが多いのです。なるべく正確に根管治療を行うためには歯科用CTで歯の根の状態を撮影し、マイクロスコープを見ながら治療を行うことが重要です。マイクロスコープはルーペに比べてライトが明るい上、歯科医師の視線と光の方向が合うため見やすく、モニターに映す画像を必要に応じて倍率を変えられるなど利便性が高いのです。また根管は歯の内部にある動かない部位なので、マイクロスコープを固定したまま観察できる点も助かっています。
- Q診療の際に心がけていることは何ですか?
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A
▲細やかな説明と声かけを大切にしているという
患部の細菌感染を丁寧に取り除き、唾液も入らないよう細心の注意を払っています。また、根管は患者さんご自身が見えない場所なので、細かな説明を行うよう心がけ、治療の際には、「洗います」「削ります」など次の行動を必ずお伝えしています。反対に、根管治療中にはラバーダムを装着いただいているので口腔内に唾液がたまってもこちらはわかりませんので、苦しい時などには患者さんに挙手をお願いしています。ラバーダムを装着していると途中でうがいの必要がなく、患者さんは口を開けたままとなるため、治療時間は1時間を超えないようにしています。中にはラバーダムが苦手な患者さんもいるので、そのような方には無理強いはしていません。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

