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井上 智雄 院長の独自取材記事

井上内科クリニック

(多摩市/唐木田駅)

最終更新日:2019/08/28

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唐木田駅から徒歩2分と至便な位置にある「井上内科クリニック」。院長の井上智雄先生は日本内科学会総合内科専門医として内科全般を診療する一方、日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会消化器病専門医として肝臓疾患に対する専門的な治療も行う。モットーは「初心を忘れないこと」。肝臓は症状に現れづらいため、検査機器を活用しながら患者のことをよく見て、しっかり話を聞くといった基本に忠実な診療を貫く。「それが、隠れた病気を見落とさないことにつながる」と井上先生。近隣以外の地域からも患者が訪れるのは、経験だけに頼らず実直に研鑽を積む先生だからこそだろう。そんな井上先生に、診療のことから休日の過ごし方まで幅広く話を聞いた。
(更新日2019年6月25日)

基本に立ち返ることで疾患の見落としを防ぐ

まず、多摩市に開業された理由をお聞かせいただけますか?

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僕はバイクが趣味で、医師になったばかりの頃は休日に山梨県の道志村にツーリングに行っていました。その時にこの辺りを通っていて、多摩センター駅や永山駅が開発され始めた当時の風景を覚えていたんです。それで、いざ開業しようと考えた時、ここが思い浮かびました。近くに多摩南部地域病院や日本医科大学多摩永山病院といった地域の中核病院があって、以前勤務していた狛江市の東京慈恵会医科大学附属第三病院からそう遠くないことが大きかったですね。連携が図りやすく、状況に応じて早急に病院に紹介できるので、患者さんの負担を減らすことができると考えました。都心よりも自然があってのんびりした雰囲気にも惹かれて、この地に開業しました。

どのような患者さんが来院されますか?

幼稚園児からご高齢の方まで幅広く来院されます。最近は近隣にマンションが増えたこともあってか、小さなお子さんを連れたお母さんの割合も増えました。妻が皮膚科を担当しているのですが、お子さんはそちらにかかることが多いですね。一方で僕は内科一般をはじめ、肝臓の専門医師として、慢性肝炎などの肝臓疾患にも対応しています。周辺に肝臓を専門とする医師が少ないからか、多摩市以外の稲城市や町田市、八王子市などからも来てくれます。C型慢性肝炎については、インターフェロンフリー療法を行っています。これはインターフェロンを用いない経口薬による治療で、インターフェロン療法に比べて治療期間が短く副作用も少ないので、患者さんに応じて導入しています。B型慢性肝炎については、経過観察で通院されている患者さんから、核酸アナログ療法で治療されている患者さんとさまざまです。

診療する上で心がけていることを教えてください。

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常に初心を忘れず、基本を忠実に行うことを意識しています。例えば、患者さんが風邪だと思っても肺炎や心不全の可能性もあります。見落とさないためには、自分がアンテナを張って患者さんの発言や一つ一つの動作に敏感でなければなりません。歩き方や荷物の置き方、診察台に寝る時の様子など細かい部分までそれとなく見ます。特に、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、病気が進行しても症状として現れないことが多いので、一層の注意が必要なんです。そうやって、経験を重ねても基本に立ち返ることが、隠れた病気を見落とさないことにつながると考えています。

患者のことを第一に考えて指導や検査方法にも一工夫

基本に忠実であること以外に、隠れた病気を見落とさないための秘訣はありますか?

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秘訣というわけではないですが、患者さんの中には自分の症状をうまく話せない人もいるので、安心して話せるように聞き方や雰囲気づくりに配慮しながら聞くことを意識しています。特に患者さんの訴えと自分が想像する病気にずれがある時には、気になることをすべて聞き、疑問を解消するようにしていますね。ただ、気をつけているのは患者さんとの距離感。信頼関係を築くのは大切ですが、波長が合いすぎるのも危険。僕自身が患者さんに甘くなってしまうので。互いに気持ち良くコミュニケーションを図りながらも、距離感を保って頭のどこかは必ず冷静でいるように心がけています。なので生活習慣などについて、時には厳しく指摘をすることもありますが、それも患者さんのことを第一に考えるからこそだと思っています。

肝疾患以外で力を入れている分野はありますか?

胃の内視鏡検査です。これはニーズも高く、2日に1度、多い時期はほぼ毎日行っています。当院では、日本で普及し始めて間もない頃から経鼻内視鏡を取り入れており、希望などに応じて経口内視鏡と使い分けています。経鼻内視鏡は鼻に管を通して胃の中を調べる検査方法で、経口特有の吐き気が少ないため「楽だった」と話される患者さんが多いです。胃がんは肺がん、大腸がんに続いて日本人が亡くなることの多いがんですが、早期に発見できれば治る可能性も高いんです。だからこそ、痛みが少なく患者さんにとって負担の少ない検査を提供することが必要だと考えており、当院では随時新しい検査機器を導入しています。そうすることで、1つのクリニックで検査から診断まで完結できますので、利便性という意味でも患者さんにとって良いのではないでしょうか。

常に患者さんを第一に考えていらっしゃるんですね。やはり、昔から医師をめざしていたのですか?

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実は大学院生になるまで、医師になりたいとはまったく考えていませんでした。人の体にメスを入れるなんて自分にはとてもできないだろうと。もともと化学が好きだったので、高校卒業後は東京薬科大学に、その後大学院に進んだのですが、院生の頃、医療現場を学ぶカリキュラムがあって、東京医科大学八王子医療センターで循環器内科の先生にいろいろと教えてもらったんです。その中で、先生と一緒に病棟を回って患者さんの治療経過を教えてもらったり、救急外来や当直の様子を見せてもらったりするうち、熱心に医療のことを語る先生の姿や、病気が治った患者さんを目の当たりにして、どんどん興味を持つようになっていきました。「医療ってすごい。患者さんを元気にさせられるんだ」と夢を抱いた少年のような気持ちになって。それで、一念発起して勉強し直し、東京慈恵会医科大学に入りました。

常に自分をアップデートし、患者に還元

プライベートについてお伺いします。どんな子ども時代を過ごされましたか?

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きれいな海が広がる千葉県の館山市で育ちました。田舎の普通の子どもです。釣り好きの父と一緒に海釣りに行くことが多かったですね。磯釣りもやりましたが、もっぱら投げ釣りで、キスなどがよく釣れましたね。子どもの時はたくさん釣れると無邪気にうれしがっていたのですが、成長するにつれてだんだんやらなくなりました。何だか魚が痛そうで、かわいそうに思うようになってしまって。釣ったらすぐ死んじゃいますしね。そうは言いつつも、僕には息子と娘がいるのですが、2人とも釣りが結構好きなんです(笑)。なので、休日は子どもと一緒に慣れ親しんだ館山に行って、子どもが釣りを楽しんでいる様子をそばで見守っています。

お忙しいと思いますが、休日はどのように息抜きをしていますか?

最近、テニススクールに通い始めました。毎週末通っていますが、時々子どもと一緒にプレイしたりと楽しんでいます。あとは、以前よりも頻度は落ちましたが、バイクに乗ることも趣味の1つです。昔から好きなメーカーがあって、そこのバイクは高い安全性と長いツーリングでも疲れない乗り心地の良さが魅力です。バイクの面白さは、そのメーカーがキャッチフレーズにもしているように「駆け抜ける喜び」。バイクとの一体感が味わえて、乗っていると頭が真っ白になります。「今日は天気が良くて気持ちいいなあ」などと本当に何げないことを考えていると、自然と顔がほころぶんです。

今後の展望をお聞かせください。

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若い頃に担当した患者さんを思い返すと、今だったらこういう治療ができたのに……と感じることがあります。だからこそ、今診ている患者さんには、クリニックでできる精一杯の医療を提供したいと考えています。経鼻内視鏡やインターフェロンフリー治療などを、早い時期から導入しているのもそういった思いから。医療は日々進歩していますから、新しく有効な検査方法や治療を取り入れるためには、臨床を通した実地での勉強に加えて、興味がある学会や勉強会、講演会には必ず出席し、病院に勤める医師にも話を聞くなどして情報を自分の中でアップデートしていきたいですね。これからも病気を見落とさない診療を実現させるために、初心を忘れず一歩一歩進んでいきたいと思います。

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