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新垣 美郁代 院長の独自取材記事

新垣内科外科クリニック

(多摩市/多摩センター駅)

最終更新日:2024/06/27

新垣美郁代院長 新垣内科外科クリニック main

多摩モノレールの多摩センター駅から徒歩約5分のビル3階にある「新垣内科外科クリニック」。先代の院長から30年以上にわたり地域医療に貢献してきた同院で、現在は2代目の新垣美郁代(あらがき・みかよ)院長が、専門とする消化器疾患から内科一般、外科、リハビリテーション科などまで、地域の人々の健康を支えるために努めている。経鼻内視鏡検査や超音波検査器などにも対応。「学校の保健室のような気軽に立ち寄れるクリニックをめざしています」と優しい笑顔で話す新垣院長に、同院のことや長年住む多摩地域への想いなどについて話を聞いた。

(取材日2024年2月20日)

体のどのようなことでも、気軽に相談できるクリニック

先生は多摩市出身だと伺いました。

新垣美郁代院長 新垣内科外科クリニック1

小学4年生から多摩市に住んでいます。2009年に父からクリニックを引き継ぎましたが、自分の育った街の身近なかかりつけ医として、地域の皆さんの健康をサポートしていきたいと思っています。昔は団地が多かったこの周辺にも、最近は新しいマンションが続々と建って、若いファミリー層も増えました。娯楽施設や会社も増えて、駅周辺も随分とにぎやかになりましたね。一方で少し駅から離れると、昔はにぎわっていた商店街が閑散としていて、買い物に不自由な思いをされている高齢者もたくさんいるんですね。エレベーターのない団地の5階に住む高齢者もいて、丘陵地なので坂が多くて元気ではない人は出かけにくい問題もあります。私は、長くこの地域に住んでいるからこそ理解しているそのような問題も意識して、皆さんに寄り添っていきたいと思っています。

幅広く診療されていますね。

専門とする消化器疾患はもちろん、発熱、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病といった内科一般に対応しています。また、やけどや打撲、捻挫、ちょっとした外傷の外科処置に加えて、頸椎症、腰椎症、変形性膝関節症などの慢性疼痛に対してけん引や低周波、マッサージベッドなどで血流の改善を図り、筋肉をほぐすことによって痛みの緩和をめざすリハビリテーション科の診療を行っています。胃の内視鏡検査や超音波検査、エックス線検査にも対応しています。いつもの生活習慣病で受診した時に、「ちょっと体が痛いのでそれも診てほしい」というように、1回の診察で複数の症状や悩みに対応できるのが当院の特徴の一つです。他に、さまざまな理由で通院が難しくなった患者さんの自宅への訪問診療も行っています。

どのような訴えの患者さんが多いのでしょうか?

新垣美郁代院長 新垣内科外科クリニック2

消化器の症状で受診する患者さんが多いですね。中でも最近増えていると感じるのは、過敏性腸症候群や機能性胃腸症です。これらの病気には処方薬もありますが、それを飲みさえすれば必ず改善に向かうというわけではありません。薬を処方するかしないかといったさじ加減が重要です。その症状だけに対してたくさんの薬を出すのも良くありませんから、症状が落ち着いてきたら一つずつ薬を減らすことにも心がけています。当院では経鼻による胃の内視鏡検査も行っています。経鼻内視鏡は、鼻から細いファイバースコープを入れるので検査時の苦痛軽減が期待できます。ただ、慢性鼻炎の患者さんや鼻腔が狭い方などには、口からの検査にも対応しています。

患者の話をよく聞くことを大切に

他に力を入れていることはありますか?

新垣美郁代院長 新垣内科外科クリニック3

訪問診療にも力を入れて取り組んでいます。現在は、何かしらの理由で通院ができなくなった方の自宅へ、昼休みの時間などを利用して訪問しています。訪問診療に限りませんが、私は医師だから病気を診ないといけないのでしょうけれど、それ以前に人が好きなんです。その人の生活やご家族にも興味があるんです。それに、同じ高血圧症や廃用症候群といった病気であっても、そのバックグラウンドは患者さんによってさまざまですので、そんなところも気にかけることを大切にしています。それと、できないことを頑張ってくださいと伝えても、できないことはできませんよね。いくら正しいことでも、世の中には頑張ることに疲れてしまっている人もいます。私は人間のそんな完璧ではないところも好きですし、それを含めてその人の生きざまだと思っています。脱力系の診療かもしれませんが、患者さんの精一杯を受け止めることも大切にしています。

診療の際に心がけていることを教えてください。

言いたいことや伝えたいことをたくさん抱えている患者さんもいますので、意識して話に耳を傾けるようにしています。特に消化器疾患はストレスが関係していることもありますし、どこかに話せる場所があるということが、患者さんの安心のよりどころになるのかもしれません。それによって私ができることはごく限られていますが、「先生に話したら楽になった」と言ってもらえることもありますから、話を聞くことは大事だと思います。もう一つ心がけているのは、病気に直接関係なくても、ご家族に関する話はカルテに残しておくことです。患者さんは自分のことだけでなく、家族の悩みも話してくれることが多いので、後日「あの件はもう落ち着きましたか?」と聞くようにもしています。友人から相談を受けていた件がどうなったか気になるのと同じ感覚で、患者さんにも接しています。

最近、気になっていることがあるそうですね。

新垣美郁代院長 新垣内科外科クリニック4

新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから、筋力や認知機能が衰えてしまった高齢者が増えていると感じます。この間に外に出歩かない習慣がついてしまって、外に出るようにしましょうと言っても、なかなか出られない人が多いようです。以前は外に出ないことがもどかしかったのに、今は出るのが面倒になってしまっているんですね。そうなってしまった気持ちを変えるのは簡単ではありませんが、外に出て体を動かすことの大切さや必要性を伝えて、人混みでなければマスクを外して構わないと思いますので、少しずつで良いので外を歩きましょうと促すようにしています。そうすることで、できるだけ筋力や認知機能の維持をめざして、あわよくば少しでも向上させることができれば良いなと考えています。

街を診るかかりつけ医をめざして

クリニックの自慢はありますか?

新垣美郁代院長 新垣内科外科クリニック5

当院の自慢は心から信頼できるスタッフです。スタッフはみんな明るくて元気で、おそらくここで働いていることを楽しんでくれていると思います。医療機関の中にはすごく静かなところもあって、それが良い患者さんもいると思います。でも、当院は私も含めて絶えず誰かが笑っていますし、診療に影響のない範囲で患者さんと世間話をしていることも多いですね。そんな雰囲気をみんなでつくることで、患者さんにまた来ようと思ってもらえて、どのようなことでも気軽に相談ができる。私のめざすクリニックを一緒につくってくれる、元気で明るい人たちが働いてくれています。

話は変わりますが、先生はなぜ医師を志したのですか?

実は、医学部に入る前にアメリカの大学で心理学を勉強していたんです。帰国後は臨床心理士の仕事に就きたいと考えていたのですが、当時は環境的に難しかったんですね。そのため人と関われるのであれば医学部もありかなと思うようになり、医師の道に進みました。専門を消化器にしたのは、胃痛や腹痛は多くの人が経験のある症状で、患者さんの気持ちをよく理解できるような気がしたからです。また、消化器は検査では異常がなくても下痢や便秘などを繰り返す過敏性腸症候群など、精神的な面と密接な関係がある疾患も多いところにも興味が湧きました。この患者さんはこう言っているけど、本当は違う思いがあるのかもしれないなど推察しながら診療にあたるという意味では、心理学を学んだ経験が生かされているかもしれませんね。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

新垣美郁代院長 新垣内科外科クリニック6

これからも、かかりつけ医として家族ぐるみ、そして街ぐるみで診ることを大切にしていきたいです。家族のお話を聞くというのもその理由の一つです。私は病気という患者さんの一部分だけでなく、その人そのものに関わっていきたいと思っています。そして、当院のコンセプトは「学校の保健室」。気軽にいつでも立ち寄れるクリニックになれたらうれしいですし、大きな病院で検査を受けることが患者さんの安心につながるのなら、しっかりつなぐことも私の大事な役割だと考えています。当院で対応できない場合には、多摩南部地域病院や多摩丘陵病院、日本医科大学多摩永山病院などにスムーズに紹介できますので、どの診療科にかかれば良いのかわからない時や、体のちょっと気になることがある場合などには、遠慮なくいつでもご相談ください。

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