オンライン診療で無理なく続ける
睡眠時無呼吸症候群の治療
たちかわファミリークリニック
(立川市/立川駅)
最終更新日:2024/11/11


- 保険診療
呼吸は生命維持の要だからこそ、睡眠時無呼吸症候群は全身に悪影響を及ぼすリスクがある。放置していては高血圧症、心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症、糖尿病、脳卒中などの引き金にもなりかねない。そうとはいっても「太っている男性の病気なのでは?」と油断している人もいるのではないだろうか。「性別や体型に関係なく睡眠時無呼吸症候群を発症する例はあります」と注意を呼びかけるのが「たちかわファミリークリニック」の松江修平先生だ。循環器内科を専門とし、数多くのCPAP療法に携わってきたキャリアの持ち主でもある。患者がストレスなく治療を継続できるようにどのような工夫をしているのかなど、詳しく教えてもらった。
(取材日2024年10月24日)
目次
睡眠時無呼吸症候群は放置しない。早めに治療をして大病を防ぐことをめざすとともに生活の質を高めよう
- Qどんな症状があれば睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますか。
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A
▲白を基調とした清潔感あふれる院内。医療情報を発信
一般的にはいびきや昼間の眠気が有名ですが、それだけではありません。「頭がスッキリしない」「朝起きた時に体が重い」「以前よりも集中力が落ちた」と感じるようになった時も注意が必要です。教科書的には肥満の方、扁桃腺が大きい方などが発症しやすいとされています。しかし、体型に関係なく、子どもの頃にアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎にかかった方などは発症しやすくなっていて、若い世代にはこのタイプが多いです。また、40歳を過ぎて口を開けたままで寝るようになったという人も、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群予備軍かもしれません。
- Qなぜ睡眠中に呼吸が停止したり浅くなったりするのでしょうか。
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A
▲いびきだけでなく、睡眠中の口の状態にも注意が必要
寝ている間に何らかの原因で気道の狭窄が起きているからです。脂肪による圧迫だけではなく、痩せていても鼻や口腔内の構造的な問題が原因になることもあります。また、幼少期にアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎に罹患すると口呼吸で寝る癖がつきやすくなります。口呼吸で舌の根本が緩んだり、加齢で顎の筋肉が衰えて口をつぐんで寝られなくなることも気道を狭くしてしまう一因です。睡眠時無呼吸症候群は家族がいびきに気づいて発覚することも多いのですが、口を開けたままで寝ていないかどうかも注意してください。
- Qどのような検査をして睡眠時無呼吸症候群と診断されますか。
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A
▲睡眠時無呼吸症候群は心臓病を引き起こす危険性が高い
まず、装着機器が少ない簡易検査を行います。1時間当たり5回以上の無呼吸・低呼吸が確認されると、無呼吸症候群が疑わしいです。必要に応じてポリソムノグラフィ(PSG)という精密検査を行う場合もあります。本来は病院などで実施され費用も高額でしたが、当院ではPSGを患者さんの自宅で行う体制を整えています。費用を含めて、患者さんの負担を減らすようにしています。
- Q睡眠時無呼吸症候群の治療について教えてください。
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A
▲ホルター型心電図検査や心臓超音波検査も可能
軽症ですと寝る姿勢を指導して、睡眠中に使うとよいアイテムを提案します。中等症では、スリープスプリントというマウスピースの使用を検討します。就寝中の舌根沈下による気道狭窄を防ぐためです。これはオーダーメイドになりますので、提携歯科医院に紹介しています。重症の場合は、足りない呼吸を補う目的でCPAP(持続陽圧呼吸療法)を提案します。当院では「自分の顔や頭に合ったマスクを装着したい」「出張や旅行にも持っていける小型機器が欲しい」といった多種多様なご要望にもお応えしています。
- Q先生が睡眠時無呼吸症候群の治療で大切にしているのは何ですか。
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A
▲車いす用昇降機を設置し、あらゆる人に優しい院内
世の中は、病気というと「がん」や「生活習慣病」を思い浮かべがちです。ですが、居眠り運転で重大な交通事故を招いたり、仕事のパフォーマンスを低下させる睡眠時無呼吸症候群(SAS)だって、かなり深刻な病気だと考えています。SASをほったらかしにすることでの日常生活や社会生活上の損失は計り知れません。当院でSASの治療に取り組んでいただけましたら、患者さんには治療に価値を見出していただけるようにコミュニケーションをとり、診療の中でサポートできるように心がけています。