西洋医学と漢方を適宜併用
オーダーメイドで提供する診療
宮村内科クリニック
(小平市/一橋学園駅)
最終更新日:2021/10/12
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最近では市販薬も増え、より身近な存在になっている漢方薬。「宮村内科クリニック」では、日々の診療に漢方も併用しながら、患者一人ひとりに即した診療を提供している。「西洋医学では病名のつかない症状に漢方を役立てています」と話すのは、40年以上にもわたり、漢方を臨床に生かしている宮村正廣院長。宮村院長のもとには、内科疾患や皮膚科疾患、整形外科疾患など診療科ごとに、これまでに提供した漢方処方のデータをすべて記した分厚いファイルがある。そのデータの量を見るだけでも、同クリニックがかなり本格的に漢方療法に取り組んでいるのがわかる。漢方の特徴や併用する利点などについて話を聞いた。
(取材日2020年8月21日)
目次
病名のつかないさまざまな症状や不調に漢方を活用
- Q西洋医学と漢方のそれぞれ異なる特徴について教えてください。
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A
西洋医学は症状に病名をつけて、症状のある臓器や器官に対してピンポイントで画一的な治療を行います。患者さんが違っても、同じ病気と診断されればほぼ同じような治療がなされます。一方、漢方では病名よりも症状に着目し、体全体の調和を図りながらその症状を取り除くことを目的とします。問診や舌診、脈診、腹診といった特有の診察を行い、患者さんの体全体の状態を確認します。漢方では患者さんの体質を重視することも特徴で、その人の体質に適した処方をしますので、同じような症状でも 患者さんごとに処方が異なります。また、一つの漢方薬でさまざまな症状の改善が期待できる点も特徴です。
- Q西洋薬と漢方薬を併用するメリットは何ですか?
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A
西洋薬、漢方薬、それぞれ得意なことが異なります。血圧を下げる、コレステロール値を下げるという場合は、西洋薬のほうが得意でしょう。一方、冷え性や不定愁訴など、西洋医学では病名のない症状、体調不良などは漢方薬の最も得意とするところ。生薬の組み合わせを変えることで、一つの症状に対していろいろなアプローチができるのも漢方の利点です。例えばしもやけに対して西洋医学ではビタミンEが含まれるものを処方することが多いですが、漢方では組み合わせによっていろいろなタイプのしもやけにきめ細かに対処することも可能です。このように西洋医学と漢方医学の長所を生かすことで、それぞれの患者さんに適した治療を提供しています。
- Qところで先生は漢方医学をどのように学ばれたのでしょうか。
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A
富山医科薬科大学(現・富山大学)には和漢診療部があり、その創設者である寺澤捷年先生のもと日本漢方を学んだのが始まりです。漢方といっても複数の学問体系があり、私はまず日本漢方を学んだ後、中医学についても学びました。それらの知見を生かしながら、40年以上漢方診療を行っています。内科や皮膚科、整形外科、泌尿器科など診療科ごとに、これまで処方した症状と漢方データをすべて記録していて、時々見返したりしています。今でもまだまだ勉強は続けています。漢方にはさまざまな組み合わせがあり、新たな気づきを得ることもあります。これからもさらに漢方の可能性を探っていきたいですね。
- Q漢方による治療が適しているのはどんな症状でしょうか。
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A
疲れやすい、元気が出ない、体力がないなどの虚弱体質や、長引く頭痛や微熱、不眠、イライラ、うつなどの精神症状、アレルギー性皮膚炎やあせも、乾癬といった皮膚疾患、生理痛や更年期症状、冷え性のような女性特有の悩み、耳鳴り、めまいなど、さまざまな症状に対応しています。どことなく体の調子が悪い、病院で検査してもどこも悪いところはない……、そんな場合も漢方の出番です。漢方薬は保険適用となっており、今は顆粒状のものだけでなく、飲みやすい錠剤やカプセル状のものも出てきています。また、症状によって自費の漢方を処方する場合もあります。
自由診療費用の目安
自由診療とは漢方治療一袋/50円~