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林 昌貴 院長の独自取材記事

林産婦人科

(八王子市/北野駅)

最終更新日:2019/08/28

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京王線北野駅より徒歩3分。北野街道から一本奥まったところにあるのが「医療法人社団百川会 林産婦人科」。院長の林昌貴先生の父が30年前に開院したクリニックをリフォームして2014年の秋にリニューアルオープンした。ピンクを基調とした内装は清潔感があり温かな印象。診療科目は産科・婦人科・小児科・内科。産科は、分娩は行っていないが主に8ヵ月までの妊婦健診を行っている。患者層は10代から80代まで幅広く「寿命の延びた現代の女性たちの閉経後の健康に寄与したい」と、林先生。望まなかった妊娠を避けるため、月経周期を整えるためにも低用量ピルをもっとカジュアルに使ってほしいと、避妊教育にも意欲的だ。優しく正直な人柄が垣間見えるインタビューとなった。(取材日2016年1月18日)

産婦人科を軸とした「町医者」として地域医療に貢献

医院の特徴を教えてください。

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当院の診療科目は産科・婦人科・小児科・内科です。分娩はしていませんので、妊娠8ヵ月までの妊婦健診を行っています。近隣での分娩を希望される方には近くの大学病院やお産を行っているクリニックなど、信頼できる施設を紹介しています。そちらには僕も週1回行っていて、分娩の手伝いをすることもあります。お産は急に具合が悪くなるなど難しい部分もありますから、お産ができる環境のところに産婦人科医、助産師、小児科医を集めて、そこで安全に産んでもらうのがいいと思うのです。しかし最初から大きな病院で診てもらうのは混んでいて大変ですから、安定期の妊婦健診は当院のような開業医で受けるのがいいのではと思っています。

どんな患者さんが来院されますか?

生理痛、不正出血、がん検診、それから更年期の方など、一般的な婦人科トラブルの患者さんが多いですね。若い方も来院されますが、どちらかというと出産も終わった子連れのママさんが一番多いです。小児科ではその方のお子さんの風邪や、予防注射だけ受けに来られたりすることも。開業医には困ったらなんでも相談できる「町医者」の側面もあると思うので内科もやっています。一般的な体の不調で来院される患者さんもいらっしゃいますが、喘息の重積発作や高齢者の意識障害など、時には難しい症例の方が来院されて驚くことも。もちろんきっかけとして来院していただくのはいいのですが、当院で対応できない患者さんは近隣の適切な病院にご紹介しています。

閉経年齢や更年期のことも気になります。

これだけ女性の寿命が延びても閉経年齢は、どうやら変わらないようなんですね。寿命が55年だった時代でも今と同じ50歳前後で閉経していましたから。いま生まれる女の子はおそらく平均寿命が100歳を超えるだろうと言われているんですが、この子たちには閉経後に50年の人生が待っているわけです。なのでこれからの産婦人科の役割は、更年期・老年期をいかに快適に過ごせるよう支えるかが重要になってくるのではと思っています。当院でも更年期障害で悩んでいる方、高齢の方だと尿漏れと萎縮性腟炎の患者さんが多いです。閉経するとおりものに含まれる乳酸菌が急速に減ってしまうので、腟炎になりやすく痒みが出てくるんですね。

低用量ピルをもっと気軽に使ってほしい

低用量ピルには避妊以外の効果もあるそうですね。

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日本では低用量ピルに対するイメージがあまり良くないようですが、欧米ではもう少しカジュアルに捉えられていて、多くの女性が常用しています。もちろん予想外の妊娠を防ぐ避妊薬としての効果はありますが、他にもピルを常用するメリットが多くあります。まず生理が規則正しくなり、さらに軽くなります。生理前後にホルモンが上下することで起きるイライラや落ち込み、胸が張る、腰が痛いなどの月経前症候群も軽減されますし、ニキビも改善されます。これらの理由から欧米では自分の体調を管理するペースメーカーとして抵抗なく服用しています。日本では低用量ピルというと、ちゃんと避妊できない人が飲むものというマイナスイメージが先行しているのが残念です。望まなかった妊娠をしないためはもちろん、生理痛がつらくても痛み止めを飲んで学校や会社に行くくらいなら、もっと低用量ピルを活用してほしいですね。

低用量ピルの上手な使い方を教えてください。

低用量ピルをきちんと飲むことでつらい生理痛からも解放されますし、飲み方によっては週末に生理が来ないように調整することもできます。女性が妊娠や生理による不調に悩まされずにより活動的に生活できるようになるのです。そしていざ結婚して妊娠を望むようになったら飲むのをやめればいいわけです。生理がつらい月経困難症や月経前症候群に対しては保険のきくタイプもありますから、不調を我慢しないで、ぜひクリニックで相談してください。低用量ピルには子宮や卵巣をいい状態に保つという側面もあります。低用量ピルを飲まずにいざ子どもが欲しいとなったとき、子宮内膜症により癒着が強くてなかなか妊娠できないということもあり得ます。低用量ピルは不妊予防にもつながるんですよ。

診察の際に心がけていることは?

できるだけ分かりやすい説明を心がけていますが、言葉だけではなかなか伝わらないので、自分で描いたイラストを使って説明しています。例えば子宮のイラストを見せながらここに何センチの筋腫があって、これが生理を多くしているんですよという具合にですね。内診ではなるべく患者さんが痛みを感じないよう、丁寧にするよう心掛けています。それから声掛け。例えば「診察の器械が入りますよ」とか「力抜いてくださいね」など、そういう声掛けはできるだけしています。また、内診台には一応カーテンがかかっていますが、初診の方はカーテンを開けておくこともできます。カーテンの先に見えないところがあるのを不安に思う方もいらっしゃるでしょうから。あとは不快感のないよう、身だしなみにも気を配っています。

低用量ピルの啓発と、閉経後の女性を支える医療が課題

産婦人科医を志したきっかけは?

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医師家系で育ったので医師を志したというのはあります。学生の頃に将来どうなりたいかを書いて文集にするというのがあって、そこに僕が書いたのが「誰でもできる仕事は絶対したくない」だったんですね。その時点では具体的に医者とは書いてなかったかもしれないですが、自分でなければできないことをしたいと思っていたんです。ここはもともと父が開業していたクリニックで、医学部に入ってからはうすうす産婦人科に進むのだろうなとは思っていました。しかも大学5年の臨床実習で最初に回った科が偶然にも産婦人科で、現場を見ることで強烈なインパクトを受けたんです。その後、外科にも引かれましたが、赤ちゃんのお産に携わることができるという他の科にない楽しさもあって最終的に産婦人科医を選びました。

留学のエピソードを聞かせてください。

大学生の頃に見た病院の救急救命室を舞台にしたアメリカのドラマに感化され、英語を勉強してアメリカのニューオーリンズにある大学に留学させていただきました。南部の大らかな雰囲気の中で大学病院では先端医療を行っている一方、隣接するチャリティホスピタルでは医療資源を制限された診療をしているという現状を見ることができました。貧富の差、持っている医療保険によって受けられる医療が決まってしまう、日本の皆保険制度とはかなり違う仕組みにカルチャーショックを受けましたが、文化の違いを含めとても貴重な財産となりました。今でも外国人の方と接する機会が多いので語学の勉強は続けています。

今後の展望とメッセージをお願いします。

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やはり望まなかった妊娠を減らしたいという思いがあります。避妊に対する知識が乏しいのではと思うので、低用量ピルをもっとカジュアルに生活に取り入れてほしいです。また、ほかにアフターピルというのもあります。これは性行為後72時間以内であれば、薬を内服して生理を起こし妊娠を防ぐものですが、結構知らない方が多いんですね。しかしピルで妊娠は防げますが性病は防げない。性病の知識も不足しています。これらの教育や検査が産婦人科医の役割だと思っています。そして閉経後の女性をどう支えていくかが今後の個人医の課題です。いずれにせよ、産婦人科のハードルをもっと低くして通いやすい環境を作りたいですね。ひどい不正出血でやっと重い腰を上げて婦人科を受診してみたら、子宮がんの一歩手前だったということもあります。八王子市は子宮がん検診の無料クーポンを配布していますし、ぜひ年に一度くらいは婦人科検診を受けていただきたいです。

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