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松本 勉 院長の独自取材記事

まつもと小児・アレルギークリニック

(八王子市/南大沢駅)

最終更新日:2019/08/28

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京王相模原線の南大沢駅から徒歩1分のビルの5階に、小児科とアレルギー科を併設した「まつもと小児・アレルギークリニック」がある。松本勉院長は昭和大学医学部を卒業後、大学病院や地域の基幹病院で診療経験を重ね、2001年に開業。長年にわたって地域に根差した小児医療に携わってきた。クリニックの診療以外にも、地域の小児医療向上のため八王子市医師会理事となり、医師会と行政の協力で八王子市は東京都で初となる3歳未満のB型肝炎の予防接種無料化につながった。「大事なお子さんを診させていただくことをありがたいと思っています」とうれしそうに話す松本院長に、地域への思い入れや診察のときに心がけていることなどを聞いた。
(取材日2017年3月9日)

深呼吸をしてもらい、心音や呼吸音の異常をチェック

こちらで開院された経緯を教えてください。

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開業前は、隣の多摩市にある多摩南部地域病院の小児科医長を勤めていたので、地域のたくさんの保護者とお子さんに接してきました。3年を過ぎた頃に異動の話が出たものの、小児科は地域に根差した診療科です。やっと信頼関係が築けた頃だったので、ここで子どもたちの役に立ちたいと思い、開院することにしました。乳幼児のアレルギーを診ることも多いので、アレルギー科も標榜しています。アレルギーに悩む子どもたちが、山梨県や東京西北部からも来てくださいます。家賃は高いのですが、交通の便を考えてもよいのではないでしょうか。実は自宅もすぐ近くなので、買い物をしていると患者さんにばったり出会うこともあります(笑)。

どのような症状で来院される方が多いのでしょうか?

一番多いのは風邪です。そのため、院内感染の防止を目的に、感染症の方とそれ以外の症状の方と待合室を分けています。個室の待合室も用意しているので、安心して受診していただけると思います。ただ、風邪のように見える症状でも、いろいろな病気が混ざっているので気が抜けません。昔でいう「見立て」、つまり診断が重要なのです。

診察を予約優先制にしているのが珍しいですね。

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当院に来られる方は、慢性疾患の患者さんも多いので、定期的な経過観察が必要なため、予約優先制にしています。その日にネットで先着順に順番を取り、自宅で順番が来るのを待っていただくようなシステムも増えていますよね。当院も検討したことはありますが、急に具合が悪くなる患者さんもいますし、当日の先着順なので事前に予定がたてにくい面もあるので採用しませんでした。予約制とはいっても、時間になったら終わりというわけにはいかず、前後にずれてしまいがちです。患者さんを急かさないで、落ち着いて診察を受けていただきたいという思いもあります。時間を守りたいのですが、診療を重視すると時間を守りきれないことが悩みどころです。

定期的に診るかかりつけ医だからこそ、異常に気づける

診断の際に気を付けていることは何でしょう?

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例えば咽を照らして見るときは照明器具には気をつかいます。照明の明るさによって咽の色が変わって見えるからです。明るすぎると白く見え、暗すぎると赤く見えるので、見立てに影響しないように気を付けています。聴診器は必ず上半身を脱がせてしっかり当てる。正しい診断のためにはこうした基本的なことが大事なのです。あとは保護者の話をよく伺うこと。昔から言われていることですが、診察においてとても重要なことです。子どもは被ばくの問題や痛いことには恐怖心を持つので、レントゲンや血液などの検査を頻繁に行えません。普段の様子をよく知っているご家族のお話が大切です。診察では次の来院のタイミングも伝えます。経過をきちんと診るためには、早過ぎても遅過ぎてもよくないからです。保護者の中には「大したことないかも」と待ちすぎる方もいらっしゃるので、お子さんの負担を減らすためにも大切なことなのです。

「正しい見立て」を行うコツのようなものはありますか?

息を大きく吸わせて、強く早く吹かせることです。心音や呼吸音の雑音は、普通に呼吸しているだけではよく聞こえないからです。でも今の子どもは深呼吸があまり上手ではなく、昔はラジオ体操などで深呼吸をする機会が多かったと思いますが、最近は「大きく息を吸って吐く」こと自体減っているのかもしれません。深く呼吸することによって見つけられる症状も多いので、練習とまでは言いませんが、日常的に深呼吸を行う機会をつくるとよいでしょう。中には嫌がってどうしても聴診器を当てられないお子さんもいますが、それでも定期的に診ていれば普段と違う様子はわかります。それがかかりつけ医を持つことの意味ではないでしょうか。

小児のアレルギー疾患についても詳しくお聞かせください。

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子どもはアレルギーが出やすい反面、早期発見が治療のポイントになります。食物アレルギーの発症には、口からの摂取だけでなく、皮膚からアレルゲンを取り込む「経皮感作」が大きく影響していることが近年わかってきました。そこで大切なのが皮膚のバリアをつくり、しっかりガードすること。アトピー性皮膚炎などで肌が荒れていると、アレルゲンが侵入しやすくなるからです。保湿で皮膚の状態を良く保つことで、食物アレルギーの発症を防ぎ、花粉やダニの侵入、ひいては喘息やアレルギー性鼻炎を予防する研究も進んでいます。もし食物アレルギーを発症したとしても、乳幼児の時期であれば少しずつ食べることが改善につながる場合もあります。心配して自己判断で除去する前に、まずはアレルギー科の診察を受けていただきたいと思います。

「大事なお子さんを診させていただく」という思い

クリニックの診療の傍ら、さまざまな形で地域医療にも貢献されていますね。

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東京都医師会乳幼児保健委員会の委員になって勉強することが増えました。乳幼児の診療で大切なのは常に情報をアップデートしていくことなんですよ。例えば、乳幼児の医療で求められるテーマは10年ごとに変わってくる。20年前は脳性まひでしたが、最近は発達障害と母親への支援。自治体の助成制度も同様に変わるので、新たな情報を患者さんに提供できるようにしなければいけませんよね。早期発見できれば予後も良くなりますし、経済的にも助けになります。地域活動や保健委員会の仕事を通して、受け皿をつくることの大切さも実感しています。例えば八王子市では医師会の働きかけで、B型肝炎の予防接種が3歳未満は公費で行えるようになりました。これは東京都で初の制度です。今後も地域の小児医療を充実させていきたいですね。

ところで、休日はどのように過ごされていますか?

できるだけ気分転換をしようと思って、散歩やジョギングなどもします。以前はテニスを楽しんでいましたが、肩を痛めてしまい、地域活動が忙しくなったこともあってやめてしまいました。でもテニスを始めたら慢性じんましんが治るなどの良いこともあったんです。心の健康のためにも、運動はしたほうがいいですね。今は診療日にできない事務作業、地域や医師会の活動、学会への出席、依頼された講演の準備の時間に充てています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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受診されるときは、何を求めて来たか、まずは医師に話すとよいと思います。私の場合ですが、医師から見て優先順位が高い症状と、保護者の方から見て気になる症状は違うことがあります。大したことがないと思っていたり、他のクリニックでも診てもらっていたりするわけですね。先に伝えていただければ、ご希望に応じた治療ができますから、遠慮なく言っていただきたいと思います。また、なかなか治らない症状がある場合、お薬手帳を持参していただけるとそれまでの治療の経緯がわかるので助かります。大事なお子さんを診させていただくことをありがたいと思って、日々診察しています。心配なことがあれば何でも気軽にお尋ねくださいね。

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