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浅倉 禮治 所長の独自取材記事

くにたち南口診療所

(国立市/国立駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR国立駅から徒歩で約4分。医療生協として地域の医療や福祉に携わる「くにたち南口診療所」は、内科、小児科をはじめ8つの診療科目を掲げ、病児保育室を併設するほか、デイケア施設とも連携する“地域の総合病院”だ。バリアフリーの院内に入るとスタッフが笑顔で迎えてくれ、どこかほっとする空気が流れている。所長の浅倉禮治先生は、「身近にあり何でも相談に乗ってくれる総合的な医療」であるプライマリケアをめざし、子どもから高齢者まで、柔和な笑顔で日々たくさんの患者と接している。医師として長年のキャリアを持ち、休日は家庭菜園、冬はスキーを楽しみ、“生涯現役”をめざすという浅倉先生。医師をめざしたきっかけや、地域医療、福祉への思いについて聞いた。
(取材日2014年7月17日)

プライマリケアで地元の人たちの健康をサポート

医療生協とはどんな組織ですか?

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地域の人たちが、それぞれの健康と生活に関わる問題を持ち寄る消費生活協同組合法にもとづく自治的な組織のことをいいます。「くにたち南口診療所」は、三多摩医療生活協同組合の一つで、内科、小児科、外科、消化器内科、肛門内科、泌尿器科、整形外科、リウマチ科と総合的な診療を行うのに加え「病児保育室つくしんぼ」を併設、院外にある「デイケアきずな」とも連携し、医療や介護および保育スタッフとともに、地域医療や福祉の充実、子育て支援をめざしています。

医師という職業をめざしたきっかけを教えてください。

実家が山梨県上野原市なのですが、私が子どもの頃は無医村で、重い病気にかかった人が出ると、近所の人たちが集まって雨戸の戸板に布団を敷き、そこに患者さんを乗せ、町の病院まで力を合わせて運んでいく光景をよく目にしていました。祖父が医師で、私が生まれてすぐに亡くなってしまったのですが、この祖父が私の両親に「この子を将来医師にしろ」と伝えていたということも聞き、幼な心に「大きくなったら医師になって、こういう人たちを助けたい」と思ったのがきっかけです。年齢的には、小学校に入学した頃でしょうか。その後、町村合併で無医村は解消されました。中学までは山梨県に住んでいたのですが、高校は、東京の親戚の家に下宿させてもらいながら都立立川高校に通いました。卒業後、成蹊大学の医学部進学コースで2年間学んだ後に、弘前大学医学部に進学しました。

大学卒業後はどこで勤務されていたのですか?

当時はインターン制度があり、医学部を卒業した後は自分が志望する病院で1年間診療の修練を積み、医師免許を取得しました。その後、東京大学医学部附属病院の第3外科に入局しました。第3外科では、胃カメラを企業と共同で開発していたこともあり、主に消化器系の医療のノウハウや、胃カメラなどによる検査の技術を積み重ねながら、新型の胃ファイバースコープの開発にも携わっていました。その後、小平市にある公立昭和病院で消化器外科の医師として長年勤務した後、定年退職したのですが、こちらの診療所の初代所長が大学の時の医局の先輩というつながりがあり、その先輩の後を継ぐ形で、2002年に所長に就任しました。

先生が就任した頃から、診療科目は多岐にわたっていたのですか?

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私が就任した頃は、内科、小児科、消化器内科、肛門内科の4つを診療科目として掲げていたのですが、一人ではたくさんの患者さんを診きれないのと、もう少し診療科目の幅を広げたいという思いもあり、新たに非常勤の2人の先生を招いて泌尿器科、整形外科、リウマチ科を増やし、現在の体制になりました。というのも、私はこの診療所に来て、プライマリケアを行いたかったからです。プライマリケアというのは、簡単に言うと「身近にあって、受診される方の何でも相談に乗る総合的な医療」ということ。医療、福祉、介護、保育のスタッフがチームを組んで、病気や障害のある人の健康をサポートしていきたい、医師としての長年の経験により、自分の中で培った知識や技量を、幅広い診療を行うことで地元の人たちに還元したいと思っています。

治療だけでなくプラスワンの満足も提供

小児科も担当されているのですね。

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2003年に、診療所に併設して病児保育室を開設しました。それまでにも子どもさんの診療の経験はあったのですが、これを機に小児科の専門的な勉強をしようと、国立市の小児科医会のメンバーに加えていただき、小児科全般の知識をより深めました。今では年間800人以上のお子さんに利用していただいています。最近は共働きのご夫婦も多いですし、保育園に通っているお子さんが突然熱を出したときなど、勤務先から呼び出されるケースも結構あるということで、地域のお母さん方にも喜んでいただいています。定員6人という規制があり、保護者の方にご迷惑をおかけすることもありますが、子育て支援の分野でも地域の皆さんに貢献できるよう、これからも頑張っていきたいと思っています。

患者さんと接するときに心がけていることは何ですか?

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当たり前の事かもしれませんが、まず第一に、患者さんの話をよく聞くことです。問診、視聴診、触診はもちろん、患者さんの全身をしっかり診ることを心がけています。そして、治療法がある程度決まっている疾患については、こちら主導で進めていきますが、治療を進める上でいくつか選択肢がある場合は、患者さんの考えやお気持ちを良く聞きながら治療法を決めるようにしています。加えて、診療所に来た患者さんに、診療を受けて安心してもらうだけでなく、プラスワンの満足を持って帰っていただけるように、私自身はもちろん看護師や受付などスタッフ全員が、患者さんに親しみと思いやりをもって接するようにしています。さらに、これは「患者さんと接するとき」というより、医師としての私の思いなのですが、「医師同士のつながりを大切にしていきたい」ということです。公立昭和病院の頃から医師会の講演会等に顔を出してお互いにあいさつしたりなど、医師同士の顔の見える関係づくりを大切にしてきました。これが、今でこそ一般的になってきた「医療連携」の基本だと思っています。これまで築き上げてきた、他院の医師とのつながりを生かし、よりくわしい検査を必要とする患者さんや症状が重篤でこちらで診ることが難しい患者さんは、随時、提携病院の専門家に紹介しています。どの先生に診てもらったらよいかわからず困っている患者さんに、電話1本で紹介してあげられるような医師同士のつながりを、これからも大切にしていきたいと思っています。

今後は在宅医療に力を入れ、小児から高齢者のケアを

これまでに印象に残るエピソードがあれば教えてください。

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以前、70代の女性患者さんが「お尻から出血する」と診察に来られました。痔による出血だったのですが、念のため大腸全体の精密検査を行いましたら、直腸に小さながんが見つかり、連携している大きな病院に紹介して治療を受けてもらいました。早期発見だったので、がんそのものもとても小さく、リンパ腺への転移もありませんでした。患者さんを診る時は、これまでに培った知識や経験に基づく職業上の勘のようなものに加え、そこから一歩ひいた冷静な判断を大切にしているのですが、それが功を奏したという感じです。

ところで、お休みの日は何をして過ごしていますか?

家庭菜園で野菜作りをしています。親たちがいなくなり、空き家になっている山梨の実家の畑を耕し、家の掃除をしに行きがてら、畑仕事や庭の手入れをしています。この間はじゃがいもを収穫してきました。自宅では、今、トマト、キュウリ、ナスなどを育てています。家庭菜園に加えて、冬はスキーに凝っています。スキーは50歳を過ぎてから始めました。所属していた市町村共済組合で年に何回かスキー合宿があり、そちらに参加していたのですが、冬の山の上からの眺めは素晴らしいですね。今年で喜寿を迎えましたが、休日はスポーツや家庭菜園などでリラックスしながら、体力が続く限り、生涯現役をめざしたいと思っています。

最後に今後の展望を聞かせてください。

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在宅医療に力を入れていきたいですね。現在は非常勤の医師が月1回、寝たきりの方や通院が困難な方のご自宅に伺って診療しています。最近は独居老人も増えていますし、病院に来たいのに体が思うように動かせずに来られない高齢の方もたくさんいらっしゃいます。今後、在宅医療用の車を導入するなどして、このような方々や、障害があり在宅療養をしている子どもさんの健康状態をもっと診たいと思っています。これからもずっと、地域の人たちに認めてもらえ頼られる診療所であり続けたいですね。

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