大学病院との連携で高水準の治療を追究
膠原病・リウマチ治療
山路医院
(足立区/北千住駅)
最終更新日:2025/09/18


- 保険診療
関節リウマチに代表される膠原病とその関連疾患は、その多くが指定難病で、診断を受け悲観する人も多いという。しかし、近年治療法は大きく進化し、早期に発見して適切に治療すれば、病気になる前と変わらない生活を続けることも期待できるそうだ。「膠原病は今や上手に付き合っていくことをめざす病気。患者さんにはよく『諦めないで』とお話ししています」と話すのは、北千住駅近くの「山路医院」の山路健先生。院長を務める順天堂大学医学部附属順天堂医院との連携を強く保ち、膠原病・リウマチの専門診療を地域に広げる拠点としての機能を果たしている。順天堂大学膠原病内科に所属しながら同院での診療も担う草生真規雄(くさおい・まきお)先生、村山豪先生、山路悠先生を加え、4人のドクターに膠原病・リウマチ治療の現在について聞いた。
(取材日2025年8月6日)
目次
治療の進化により日常生活の継続も可能。身近なクリニックでの専門診療を活用しよう
- Q膠原病・リウマチとはどのような病気ですか?
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A
▲山路健先生。順天堂大学医学部附属順天堂医院の院長も務める
【山路健先生】関節リウマチに加え、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎などの膠原病は「自己免疫疾患」です。本来であれば外部から侵入する病原菌に対して働くはずの免疫反応が誤作動し、全身のあらゆる部位に炎症を起こしてしまう病気です。ほとんどが難病指定を受けていることから不治の病のイメージもありますが、現代では治療により健康な人と同等の日常を送ることも十分見込めるようになってきました。
【村山先生】以前は関節リウマチで身体障害者手帳を受ける方もいましたが、治療薬が良くなった今ではまれ。薬の力を借りながら上手に付き合っていくことが可能なのです。
- Q検査・診断時のポイントについて教えてください。
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A
▲草生真規雄先生
【草生先生】基本的には血液検査と関節や皮膚の状態を診る診察、病気の成り立ちや既往症を問う問診で得られた情報を基準に照らして診断します。学会が作成した診断基準があり、これに照らせばどの医師でも診断が可能です。しかし、膠原病の病態は多様で、複数がオーバーラップすることも。中には、豊富な経験を持つ専門の医師でないと判断がつかない症例もあります。
【山路健先生】ほとんどは所見でほぼ診断可能ですが、中には一般内科ではあまり診る機会のないような症例もあります。症状が全身に及ぶなど病態が幅広いため、多くの症例にふれてきた専門の医師でないと判断が難しいケースもあるのです。
- Q治療はどのように進めていくのでしょうか。
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A
▲山路悠先生
【悠先生】抗リウマチ薬だけでなく、生物学的製剤、免疫調整薬、免疫抑制薬、白血球除去療法(LCAP療法)や血漿交換療法など、治療の選択肢は格段に広がっており、比較的副作用の少ないファーストチョイスの薬に別の治療を組み合わせることもあります。
【草生先生】処方するのは基本的に免疫の働きを抑えるための薬なので、程度の差こそあれ副作用があります。また、長期にわたり投薬を継続する必要があるので、心身への影響に加え、経済的な負担も考慮しなければなりません。
【山路健先生】有用性の高い薬は副作用も強い傾向です。定期的に検査を繰り返しながら、安全に投与することが求められます。
- Q患者さんと接する際の心がけについて教えてください。
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A
▲病院との密な連携により、専門的な膠原病・リウマチ治療を実施
【悠先生】症状や痛みの感じ方は人それぞれ。一人ひとりに寄り添い、信頼関係を築くよう心がけています。
【村山先生】医学的説明には手を抜きません。患者さんも興味をお持ちのはずですし、知識を深めることで向き合い方も変わってきます。必要な情報をキャッチしやすくなるメリットもあります。
【草生先生】本当の意味で患者さんを救うためにできることは何かを考えます。何にお困りで、何をしたら安心できるのか、今だけでなく将来も考慮して考えるようにしています。
【山路健先生】数十年にわたる長いお付き合いになる方も多いからこそ、自分だったら、家族だったらと考え、ぬくもりある医療を提供したいと思っています。
- Q大学病院と連携しているメリットについて教えてください。
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A
▲村山豪先生
【村山先生】検査体制などに制限があるクリニックでは、使用できる治療薬が限られることもあります。対して、大学病院と強固な連携体制を取っている当院では、新しい薬や治療法も含め、大学病院と同じレベルの治療が受けられるのが大きなメリットです。
【山路健先生】順天堂大学医学部附属順天堂医院と当院でカルテを共有していますので、検査や入院加療への移行もスムーズ。急な悪化や合併症、偶発症にも、大学病院にて24時間365日対応することができます。大学病院と当院で「2人かかりつけ主治医」体制を取っており、大学病院レベルの高水準な医療を地域のクリニックでも気軽に受けていただけます。