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石山 哲也 院長の独自取材記事

日暮里医院

(荒川区/日暮里駅)

最終更新日:2020/04/01

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大きな道路に面した場所に堂々と門を構える「日暮里医院」。その様子は、困ったことがあればいつでも頼ってくれていい、と言っているかのようだ。これには院長の石山哲也先生の人柄そのものが表れているのかもしれない。石山院長の治療ポリシーは「臓器を診察するのでなく、人間を診察する」こと。患者が自分でうまく説明できないような症状もしっかりくみ取り、満足いく治療を提供したいと考えている。しかし、石山院長の「人間を診る」という言葉はコミュニケーション力を重視するということだけを示しているのではない。診療科をまたいでトータルな診察ができる、という意味でもある。どうしてそんな診察が可能になったのか。石山院長に話を聞いた。
(取材日2014年6月23日)

「臓器を診察するのでなく、人間を診察する」を信条に

開業から20年、どのようにこの地域の患者を診てこられたのですか?

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当院はこの地域の方、そしてこの地域に働きにいらっしゃる方のかかりつけ医として患者さんを診てきました。年齢層は小児を除いた老若男女の方がいらっしゃっています。患者さんは、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病、メタボリック症候群などをはじめ、風邪やケガなどさまざまです。地域の方の役に立てることが、モチベーションになっています。「町の保健室」みたいな感覚で活用していただきたいな、と考えています。

先生はどうして医師になろうと思ったのですか?

医師になりたい、と思うようになったのは小学生の時です。活躍する医師への憧れの気持ちから医師になる人が多いと思うのですが、私の場合は違いました。人の役に立ちたい、という気持ちがあり、それを実現するには医師がいいだろう、と思ったんです。自分の中にもう医師のイメージというものができあがっていましたね。白衣姿でほほ笑む医師の姿が。ほかになりたい、と思う職業はありませんでした。

先生が診療する上で大切にしていることを教えてください。

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診療ではまず、患者さんの顔色を見ることを大事にしています。顔色というのは、雰囲気とか動作といった一瞬で目に入ってくる印象です。今日はどこが悪くてここに来たのかな、ということを五感で感じておくのです。これは、その人全体を診るためには必要なことです。「先生は何科のお医者さんですか?」と患者さんからよく聞かれます。それに私は「人間科です」と答えるようにしています。その人のためになることをやり、その人に喜んでもらうために医師をやっているからです。

「人間科」という言葉に、先生のスタンスがうかがえます。

冗談半分でこう言っていますが、実際私は、心臓外科や内科、救急もやってきた医師なので、割となんでも診ることができるんです。だから、患者さんにも「このお医者さんは○○科のお医者さん」というふうに決めつけてほしくないんですよね。現在、大学病院では細かく専門が分かれています。その必要性もわかるのですが、私は臓器を診ているんじゃなくて、人間を診ていることを忘れないようにしたいです。体全体の中でこの臓器がどのように関連しているかが理解されて初めて治療になるのです。木を見て森を見ず、のような治療にはしたくないですね。もちろん、高度な専門性が必要とされる場合はしかるべき機関を紹介しています。

心臓外科に入局、そして基礎研究で留学

開業される前の先生のご経歴を教えてください。

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学生の頃、私のことをよくかわいがってくれた先輩がいました。その先輩が心臓外科に入局し「君も来ないか」と誘ってくれたんです。実はその時、私は心臓外科ではなく心臓内科で循環器のことを勉強しようと思っていました。しかし、先輩から「心臓内科に入局したら、場合によりその患者さんを最後まで診られない。手術になったら心臓外科の医師に渡すことになる。ずっと患者のそばに居たいなら、心臓外科だよ」と言われて、気持ちを改め心臓外科に入局したんです。

その後、博士号も取得されていますね。

卒業が迫って来た頃、今度は別の先輩から「医師になるのもいいが、博士号を先に取っておいてはどうか」と勧められました。「博士号を取っていると医療の考え方の基礎が身につく。臨床現場に行くのはその後でも遅くはない。博士号を取っておいたほうが、その後成長できる幅が大きくなる」と。そして再び先輩の勧めに従って、医師として臨床にも携わる傍ら、大学院で生化学の研究を進めることにしたのです。そして、4年間の研究生活を終えて博士号が取れたら、そこでちょっと欲が出てきました。アメリカの大学に2年間研究助手として留学することになったのです。しかし、留学してみると、日本とアメリカでは研究の方法がまったく異なることに当惑しました。

日本とアメリカの研究方法は何が違ったのですか?

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アメリカの研究は合理的で、スピードが速いんです。日本だと、実験器具、実験動物、試薬といった物をすべて自分で用意しなければなりません。ところがアメリカではこうした実験の準備をしてくれる専門の技術者がいて、研究者はそれらの技術者を動かすシンクタンクのような役割なんです。「こういう実験をする」と伝えるだけで、研究の準備がすべて整うんですね。アメリカでは実験器具の扱いも違っていて、ビーカーも試験管も使い捨て。お金のかかり方が違いますよね。そして、アメリカで重視されるのはアイデアなんです。測定機械は予約をして皆でシェアします。日本はこれが医局単位、すなわち大学単位となりますので行った大学によって研究できる内容も制限されてしまうんです。そういう日米の研究環境の違いもありましたし、ちょうど子どもも生まれ、日本に帰国したのをきっかけに、研究からは身を引きました。

自分の手で作った食事で免疫力の保護を

その後、大学の内科に入局し、消化器の医師として臨床を再開されたんですね。

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はい。当院で内視鏡検査を行えるのも、この時の経験があるからです。正直なところ、研究は「人の役に立っている」と実感しにくかったので、臨床の現場に戻ってようやく水を得た魚のような心境でした。そして独立開業したのが1993年です。もともと私はとても人見知りするタイプなので、開業した当初は患者さんと接することに気恥ずかしさも感じていました。実は、当院の間取りにもそれがよく表れているんです。やたらと閉鎖的にしたがってしまって……。今では開けっ放しになっている診察室と待合室の間の扉も、開業当初は閉めていたんですよ。でもすぐに慣れて、患者さんともいいコミュニケーションが取れるようになりました。患者さんのおかげです。

ところで、先生のご趣味は何ですか?

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スポーツです。特にテニスです。始めたのは高校生の時からです。一時期多忙で中断していた時期もあったのですが、開業して4〜5年目から健康のために再開しました。開業すると、なかなか運動する機会がないんですよね。大学病院だと、さまざまな病棟を行き来するのでよく歩くのですが。最近は、テニス仲間がよく誘ってくださいます。自分で言うのもなんですけど、運動神経はいいほうなんじゃないかと思うんですよね(笑)。もともと走るのは早かったですし、ゴルフもしばらくやっていない時期があったのに、スイングがいいと褒められます。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

生活の上で一番大事なのは食事だと思います。現代社会はとても便利になりましたし、働く女性も増えました。ですから、すべての食材を買ってきて一から自炊する、ということは難しくなってきているのだと思います。しかし、そうした食事は免疫力に与える影響を考えると、体に良いとは思えません。出来合いの食事に含まれる着色料や防腐剤の問題がよく取り上げられますが、それだけでなく塩分も高いんですよね。野菜だって、きちんと洗われたものが使われているかどうかわかりません。こういった食事で良いのか、立ち止まって考えてみることは必要でしょう。食事は一食一食が薬なのです。こうした生活の結果、現代人は昔の人より体が弱くなっているような気がします。何も手の込んだ食事を作る必要はないんです。たとえ簡素な料理であっても、旬の食材で自分の手で作った、気持ちのこもった食事のほうが、家族の健康を守れるのではないかと思います。

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