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加藤 光敏 院長の独自取材記事

加藤内科クリニック

(葛飾区/京成高砂駅)

最終更新日:2024/08/02

加藤光敏院長 加藤内科クリニック main

京成高砂駅南口すぐのマンション2階に、糖尿病治療を専門とする「加藤内科クリニック」がある。院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医で、東京都糖尿病協会の副会長も務める加藤光敏先生。同院の診療では、医師、看護師、管理栄養士、その他スタッフが高い意識で患者と向き合い、患者に合わせたきめ細かな対応で、真のチーム医療をめざしている。スタッフが生き生きと働き、活気あふれる雰囲気の院内は明るく温かみもあって、加藤院長の行動力があり明るく爽やかな人柄がよく反映されている。患者に運動を勧めるなら自らも運動を実践しなければと、マラソンや運動教室に参加し、毎日一度はマンションの10階まで2分で上がるトレーニングを続けている加藤院長に、同院が行っている糖尿病治療について話を聞いた。

(取材日2022年3月1日/更新日2022年3月28日)

じっくり患者の話を聞き、より良い治療へ導く

加藤院長が医師をめざし、それも糖尿病を専門に選んだ理由は?

加藤光敏院長 加藤内科クリニック1

生き物を飼うなど、昔から生物や化学が好きでしたが、高校3年生の時、東京慈恵会医科大学の創立者、高木兼寛先生の「病気を診ずして病人を診よ」という言葉に感銘を受け、この大学に行きたい、医師になりたいと思うようになりました。大学4年生の夏休みに2週間、東京慈恵会医科大学附属青戸病院(現・東京慈恵会医科大学葛飾医療センター)に通い見学などさせていただきましたが、その時お世話になった教授に一緒にやろうと熱心に誘っていただき卒業後内科へ。大学院での研究が認められ、まとまった額の海外留学資金を頂き、カナダのオタワ大学に2年間留学しました。帰国後は東京慈恵会医科大学葛飾医療センターで、「診療」と「糖尿病と心筋代謝の研究」という2本立てで忙しくしていました。

開業のきっかけは何だったのでしょう。

その恩師の教授退任時、糖尿病を専門に診る外来を全面的に任されましたが、やりがいがあり、少し大げさではありますが、糖尿病治療の臨床と研究こそが自分のライフワークであると感じました。ただ、大学病院は組織である以上制限も多く、「自らの考えで糖尿病患者さんを診るクリニックをつくりたい」と考えるようになり、それが開業のきっかけとなりました。私が医師になった頃は、患者さんを叱りつけて指導する診療も多かったのです。格好をつけた言葉で恐縮ですが、糖尿病治療は医師と患者の信頼関係をもとにした共同作業です。悩んでいる患者さんに寄り添う医療を提供し、良いと思える人生を送っていただけたら、と考えました。

糖尿病の薬物療法と患者指導が先生のご専門ですが、糖尿病治療のポイントは何でしょう?

加藤光敏院長 加藤内科クリニック2

糖尿病で怖いのは高血糖により引き起こされる合併症です。失明につながる「網膜症」、「末梢神経障害」、悪化すると透析が必要な「腎症」の三大合併症に加え、心筋梗塞や脳梗塞という「大血管障害」を持つ患者さんは多く、これらを予防し進行を止めることが治療における要点となります。そのためには食事・運動・薬の3つの柱のバランスが非常に大切で、普段の生活や自己管理が重要となる病気です。最初から糖尿病の知識が豊富な患者さんはいませんし、なんとなく怖い病気だという認識しかないのが普通なので、その方の理解度と何を望んでいるのかを推察し、「今の病態に合った治療の提案」に進みます。現実と離れた理想でなく、現状を修正していく姿勢が私の糖尿病治療のポイントです。

長丁場となる糖尿病治療のコツは「無理せず楽しんで」

診療の際に大事にされていることはありますか?

加藤光敏院長 加藤内科クリニック3

糖尿病治療で肝心なのは、患者さん自身が治療していこうと思えること。そして私たちは、患者さんの気持ちに寄り添い、アドバイスや指導が押しつけにならないようにすることです。駄目と言うばかりでは気が滅入りますし、叱っても効果は短いもの。合併症の怖さだけを挙げて生活習慣の改善を迫っても、モチベーションの維持にはつながりません。糖尿病治療は長丁場。誰しも100mダッシュの速さでマラソンを走りきれません。なので、当院では駄目な部分を指摘ばかりせず、できたこと、うまくいっている点を見つけてまず褒める。そうやって患者さんの治療に対するモチベーションを高め、治療を継続できる雰囲気づくりにつなげていきたいと考えています。

スタッフ力の高さは自慢の一つだとか。

そうですね。例えば、問題のある生活習慣の見直しを行う場合も、患者さんは生活環境やライフスタイルなど一人ひとり異なる背景をお持ちです。従って、一方的に理想を押しつけて指示するのではなく、患者さんと相談しつつ「折り合いをつけられるところ」を探すことが大切で、それには看護師、管理栄養士、受付事務クラークなど、スタッフの協力が欠かせません。診察前に患者さんの話を詳しく聞いて問題点を見つけてくれたり、医師には話しにくいという方にも親身に話を伺って有益な情報を拾い上げてくれたりと、優秀なスタッフのおかげで、効率的な診療ができています。中でも5人の管理栄養士は全員が糖尿病療養について専門的な知識を持ち、アメリカで研究発表を行うなどして互いに切磋琢磨しています。一人ひとりの向上心にも感心していますね。

糖尿病の新しい治療法を導入し、患者さんへの対応にもきめ細かい心配りをされています。

加藤光敏院長 加藤内科クリニック4

糖尿病の治療では食事指導なども行いますが、指導というよりも、患者さんがより健康になるためのお手伝いをするという気持ちで取り組んでいます。患者さんの生活のご様子を伺うのは治療に欠かせないことですが、中にはあまり他人にさらけ出したくないこともあるでしょう。そういった気持ちもくみながら、どうすればもっと良くなるかや、食事のコツなどを一緒に考えながら、患者さんが気持ち良く治療が続けられる方法を常に模索しています。また、医療は日進月歩ですから、知識や技術力のアップデートも不可欠です。当院でも1型糖尿病患者さん向けにインスリンポンプを導入したり、週1回ですがフットケアを専門に行う外来を設けたりと、常に新しい治療法や機器の導入に積極的に取り組んでいます。医師も私のほかに3人の糖尿病を専門とする医師が交代で診察を行っており、そのうちの1人と私は日本循環器学会認定循環器専門医でもあります。

患者同士が一緒に楽しく前向きに取り組める治療を

こちらで行っているという高砂会や運動教室とは何ですか?

加藤光敏院長 加藤内科クリニック5

高砂会とは当院の患者さんと医療スタッフがつくる会で、糖尿病やその時の健康、医療トピックスについて情報交換し学ぶ場です。月1回の定期イベントでは、旬の食材をテーマに話す糖尿病教室、管理栄養士と私が担当する糖尿病と診断されて間もない方向けの勉強会、糖尿病性腎症の方のための食事会の3つがあります。ご夫婦や親子での参加もあり、普段の食生活や家庭環境を知るいい機会でもあります。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時期中断していましたが、現在は感染症対策を行ってハイブリッド形式で再開しています。運動教室は24年続けている基幹活動で、元アスリートの女性トレーナー指導のもと、私たちと患者さんが自宅から参加するウェブ運動教室を開催しています。新型感染症の流行中も1ヵ月の中断後、すぐにオンライン上で再開したことは当院の誇りでもあります。

先生は糖尿病に関する情報発信に積極的に取り組まれているそうですね。講演・座長も年間50回以上とか。

医療情報を発信しているウェブサイトで、内科医・薬剤師さんを対象にした糖尿病治療薬についての記事をこれまで43回執筆し掲載しています。現在でも数多くの方に読まれています。糖尿病の正しい情報を医療関係者に伝えるのも私たちの使命です。現在はほとんどウェブ発信ですが、年50回ほど講演も行っています。過去に掲載された新聞記事は100編以上になりました。地域貢献も役割の一つですが、葛飾糖尿病医会で年に2回、地域の糖尿病治療のレベルの底上げをめざして活動しています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

加藤光敏院長 加藤内科クリニック6

糖尿病はほかの多くの疾患と異なり、血糖値が悪いなら薬を増やせば良いという病気ではありません。食事、運動、薬をうまく組み合わせて常に調整し、根気強く取り組まなくてはなりません。食事や運動習慣の改善を行っても血糖値が下がらなければ、薬を十分使用し、良くなったら減らすというメリハリが必要です。経済的、時間的な理由で治療を中断せざるを得ないこともあるかもしれませんが、合併症が水面下で早く進行してしまう患者さんが残念ながらいます。放置せず、自分が信頼できる医療機関を再受診して、信頼できる医師にかかることを強くお勧めします。

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