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木村 謙介 院長の独自取材記事

きむら内科クリニック

(川崎市麻生区/五月台駅)

最終更新日:2020/05/27

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海をモチーフにした待合室に、アート作品が並ぶディスプレイスペース。「きむら内科クリニック」の院内に足を踏み入れると、医療施設のイメージを覆すかのような優美な空間が広がっている。「ここにいるだけで心が休まる、と言ってくださる方が多いんです」と話すのは、木村謙介院長。慶應義塾大学病院などで心臓疾患の治療経験を積んだエキスパートながら、気さくに患者の相談に乗る優しさが魅力の先生だ。病気の根本には心が深く関わっているとして、心と体の両面からのアプローチを実践している同院。その背景にはどのような想いがあるのか、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2020年5月12日)

医療と美をテーマに心を癒やす場所をつくる

2019年12月にクリニックを移転リニューアルしたと聞きました。

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そうです。2012年の開業以来この地域で診療を続けてきましたが、ありがたいことに多くの患者さんに来ていただけるようになり院内が手狭になったのです。そこで近隣の土地に新築移転しました。新しいクリニックのテーマは「医療と美」です。地域の皆さんが病気じゃなくとも癒やされに来ることができる場所にしたいと思い、ギャラリーを併設しました。また設備も刷新し、腰椎・大腿骨の骨密度測定器、胃の内視鏡検査機器、頸動脈や甲状腺、腹部を診るエコー機器などを充実させました。感染症対策にもなる広い中待合室や、医療相談を行う専用の個室も設けましたので、より幅広いニーズに応えられるようになったと思います。

ギャラリーを併設したクリニックというのは珍しいですね。

癒やしを求めるとき、人はどこへ向かうのかというと、その選択肢の1つに芸術があります。病気が治るということはすなわち苦しみがなくなること、心が開放されることですが、その状態に近づこうと追求していくと芸術にたどり着くと思うのです。人は美しいものを観たり、心を許せるものに出合ったり、ひたむきに頑張る人にふれたりすると、たとえ苦しい状況にあってもハッピーになれるものです。それは闘病中も同じこと。だから芸術の力が医療にも必要だと考えたのです。来た人に癒やし以上のものを提供できる場にしていきたいと思っています。リラックスできる空間をつくるということは、診察前に緊張で高くなりがちな血圧を抑えるという身体面への影響にも期待できるんですよ。

展示されている作品はどれもすてきで見入ってしまいます。

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本物の芸術を見てほしいので、飾っているのは本職の画家や写真家の作品ばかりなんですよ。実はこれらの作品には、私の診療との共通点があるんです。患者さんとお話ししていると、病気で人生を悲観している人の中にも、過去の人生の中で輝いていた優しさや愛情を感じる瞬間があります。その瞬間にフォーカスを当てて、前を向いてもらうきっかけを提供するのが私の役目です。これと同じく、芸術家の作品も雑多なモチーフの中に「一瞬の光」を切り出して創られたものです。そのスタイルに相通じるものを感じました。自分の経験とつながっている作品と出合えたことをとてもうれしく思っています。

心と体の両面からのアプローチを実践

先生が注力されている「心と体の両面を診る」ことについて教えてください。

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私は循環器内科が専門で、大学病院や救急医療の現場では完成された病気に対してそれを治そうと、主に肉体的な診療に携わってきました。しかしあるとき、ふと疑問が浮かんだのです。人には肉体的な部分と心の部分があるのに、医療は肉体面ばかりに目を向けている。果たしてそれだけでいいのか。心にも目を向ける必要があるだろう、と。多くの患者さんと接するうちに、心の在り方を変えることが、病気を治すのにどれだけ重要かということを実感するようになったのです。もちろん、多くの人は体の不調を訴えて受診しますから、身体的な医療へのニーズにはしっかりと応えます。その上で病気になった本質的な理由を追求する必要があると考えるようになりました。

心の不調と体の不調はつながっているのですね?

例えば頭痛や喘息で長年苦しんでいる人の背景には、人間関係のストレスが深く関わっている場合があります。その根本的な問題ときちんと向き合えば、症状の解消につながることもあると考えるのです。今までの経験上、重症や難治性といわれる症状を抱えている患者さんの中にも、心因的なものが関わっているケースが相当の割合で存在すると私は見ています。だからこそ、心の悩みと体の症状、どちらにもアプローチすることが重要ですし、心まで診て初めて医療は完成すると思うのです。当院では、病気ではないけれど不調を感じている方や、どの科を受診したらいいのかわからない方も利用しやすいように「医療相談の外来」に力を入れています。内科でありながらメンタル的な相談もできる外来です。つらい思いをしている人にとっては、内科で両方を診てもらえるのは大きな救いになると思いますから、ぜひ気軽に相談してもらいたいですね。

「医療相談の外来」ではどのようなことをしているのですか?

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メンタル的なケアの方法としては、ひたすら話を聞いて患者さん自身が気づくのを待つスタイルもあると思いますが、私の場合は話を聞いた上で、何を努力目標にしたらいいか、どんな思考の癖が問題なのか、比較的明確なアドバイスをします。今までずっと悩んできたぶん、すぐにでも良くなってもらいたいと思うからです。1回の相談で悩みが解消されることを目標としています。クリニック移転を機に完全個室の専用ルームを設けましたので、よりリラックスして深いところまで話していただけるようになった気がしますね。後日「もうすっかり大丈夫になりました」と言ってくださるとうれしい限りです。開業医のメリットは、一人の患者さんにしっかり時間をかけて診察できること。時に看護師からお待ちの患者さんがいらっしゃると促されることもありますが(笑)、親身な診療をこれからもめざしていきたいです。

多業種と連携し病気と向き合う

病気との向き合い方についてお考えをお聞かせください。

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医師として治す方向で全力を尽くしますが、中には完治が困難な病気もあります。ですがそんな病気こそ、その人の人生にとって大きな意味があったり、周りの介護者に重要なメッセージを伝える役割があったりすると思うんです。生まれながらにして障害のある人もいますが、その人たちは大切な価値観を教えてくれるメッセンジャーであると私は考えます。だから病気イコール不幸なことだと捉えるのではなく、そこから人生を好転させるメッセージを受け取ることが大切です。そのためには「心の力」を知り、支える医師の存在が必要なんです。さらに心を癒やす芸術の力も借りて、多業種と連携しながら病気と向き合ってほしいと考えています。

休日の趣味は何ですか?

サーフィンが好きです。サーフィンの魅力は「一期一会」。1回1回出合う波は、二度と来ない波です。それをつかまえて身一つで乗るというところが魅力ですね。待っていた波をキャッチして、一体になる。その時何とも言えない達成感がありますし、幸福感を得られます。言ってみれば患者さんとの出会いも一期一会ですから、ハッピーになってもらうために真剣勝負です。波乗りと共通したものを感じます。ちなみに当院は、診察室の名前が「デルマー」「マリブ」などサーフィンで有名な地名になっていて、その地にちなんだサーフィンボードの絵も描かれているんですよ。お越しになった際にはそんなところにも注目して楽しんでいってくれるとうれしいです。

今後の展望を教えてください。

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医学教育に力を入れていきたいですね。今、慶應義塾大学医学部で非常勤講師を務めていますが、学生には患者さんの体だけを診る、エビデンスだけに捉われる医師にはなってほしくないです。患者さんそれぞれに生き方や考え方がありますから、そこに着目することの大切さを伝えていければいいなと願っています。また最近「医療現場における恐怖とトラウマ」というテーマで国連ニューヨークでスピーチをする機会をいただきました。日頃からメッセージ性のある発信をしていると、同じ想いを持っている人とつながり、広い世界に発信することもできるのだなと実感しました。私自身、患者さん自身が何を求めているのか、世の中が何を求めているのか、常にアンテナを張っていきたいです。診療面に関しては、仕事や子育てなどで通院が困難な人、遠方に住む人のためにオンライン診療も行っていますので、これからより多くの人に必要な医療を届けていければと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

医療相談の外来/30分5000円

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