糖尿病は健診結果を見逃さず
一人ひとりに合わせた治療を
上落合 真クリニック
(新宿区/落合駅)
最終更新日:2026/09/30
- 保険診療
糖尿病の怖さは、自覚できる症状がないまま進行してしまうことにある。健康診断などで血糖値の高さを指摘されても、体感として異常を覚えないために放置してしまう人は少なくない。しかし、気づかないまま進行すると、失明したり人工透析が必要になったりと重大な合併症を引き起こすリスクも。それだけに、まだ軽度の段階で治療開始の機会を見逃さないことが重要だ。糖尿病に気づくきっかけや治療の基本について、「上落合 真クリニック」院長で日本糖尿病学会糖尿病専門医の實重真吾(さねしげ・しんご)先生に解説してもらった。
(取材日2014年12月19日/再取材日2025年10月23日)
目次
食事・運動を通じた生活改善が基本の対策法、薬の使用は医師の指導のもと適切に
- Q糖尿病に気づくきっかけについて教えてください。
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A
▲患者に寄り添い、信頼関係を築く診察を心がける
近年、糖尿病で受診する患者さんは増えてきています。その大きな理由に、企業や自治体などによる健診事業が充実し、血糖値の高さが指摘される機会が増えてきたことが考えられます。糖尿病の初期は自覚症状がないことが多いため、何かのきっかけがないと診断される機会が少ないのが現状ですが、健診での数値はとても貴重なので見過ごさないことが大切です。糖尿病は、放置すると合併症がひどくなり、神経に異常が起きてしびれなどの障害を引き起こしたり、網膜症からの失明、糖尿病性腎症に発展しての人工透析、さらに血管が損傷されることで脳梗塞や心筋梗塞などの原因にもなるため、早めの治療が重要です。
- Q糖尿病のタイプと原因を教えてください。
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A
▲患者の生活習慣を把握し、適切なアドバイスをする
糖尿病には1型と2型があります。1型は、膵臓にあるβ細胞の機能の障害により、細胞が血液からブドウ糖を取り込みエネルギー化するのを促進するインスリンを分泌できなくなるタイプ。2型は、インスリンは分泌されているものの、細胞がインスリンの活性に抵抗することで引き起こされるものです。日本では9割以上の糖尿病患者が2型で、生活習慣に何らかの問題があることが指摘されています。2型の発症は遺伝的原因のほか、肥満や運動不足が根本にあります。仕事で忙しく運動の余裕がない、不規則な食事や外食が多いなどの原因により、糖尿病はさらに進んでしまいます。糖尿病は自覚症状が少ないため、より一層の注意が必要です。
- Q治療の進め方について教えてください。
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A
▲専門の医師のもと、治療を進める必要性を呼びかける
1型ではインスリン注射投与が基本となり、2型は食事と運動による生活改善が大切です。食事については、医師が個々人に合わせた摂取カロリー目安などアウトラインを示し、管理栄養士が具体的なレシピなどを指導します。当院では栄養指導教室も実施しています。運動はまず1日30分歩くことを目安にすると良いでしょう。少しずつでも歩く習慣をつけることが大切です。また、病状に合わせて薬物療法も行います。近年は新薬が次々登場し、治療法は大きく進歩しています。一方で、本来の用途から逸脱して「痩せ薬」として気軽に用いられてしまう例も。著しい健康障害につながる危険性が高いため、専門の医師の指導のもとで適切に使用しましょう。
- Q「テーラーメイドの診療」とは、どのようなものですか?
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A
▲糖尿病にはさまざまな原因や症状がある
糖尿病は生活習慣病なので、個々の生活に合わせた対応で治療していくことが必要です。例えば、忙しいビジネスマンの方には、まず通院を続けてもらうことを第一に、比較的時間のある方はその方のペースに合わせた治療をお勧めしています。また、高齢の患者さんには、関節・心臓・消化器などに症状をお持ちの方もおりますので、全身状態を把握することが大切になります。当院では、どのような患者さんも一人ひとりの考えを聞きながら、糖尿病治療を理解してもらうことに時間を割いています。
- Q「予備軍」の方、その手前の方へのアドバイスをお願いします。
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A
▲健康のために、定期的な検査・検診が必要である
喉が渇く、体が怠い、疲れやすい、頻尿傾向、太っていたのに急に痩せてくるといった症状が見られたら要注意です。高血圧症や高脂血症の方も注意すべきですね。規則正しい生活、ストレスをためない、睡眠を十分取る、腹八分目の食事と運動などが大切です。血圧の上昇は、年齢とともに血管が硬く変化してくることが関係します。糖尿病の本質は血管の病気なので、高血圧症との併発は一層、血管病変を進行させてしまいます。遺伝的な素因も大きくあります。塩分に対する感受性が強い遺伝子を持つ方がいて、さらに腎臓が障害されると血圧がどんどん上がってしまいます。近親者に糖尿病や高血圧症の方がいたら、十分気をつけていただきたいですね。

