實重 真吾 院長の独自取材記事
上落合 真クリニック
(新宿区/落合駅)
最終更新日:2026/05/21
落合駅4番出口より徒歩5分。早稲田通りに面した「上落合 真クリニック」は、内科・糖尿病内科・小児科を標榜し、子どもから高齢者まで多くの地域住民に頼られているクリニックだ。糖尿病治療を専門とする實重真吾(さねしげ・しんご)院長は、長期の治療が必要となる生活習慣病患者に寄り添い、信頼関係を築く診察を心がける。診療の合間には、通院が難しい高齢患者の訪問診療にほぼ毎日向かうなどエネルギーあふれる實重院長。「長く通う患者さんには、通院がつらくならないように楽しい話題も取り入れながら接しています」と語る朗らかな人柄も魅力の實重院長に、クリニックの特徴や糖尿病治療で大切なことなど、広く話を聞いた。
(取材日2025年10月23日)
専門家として、長く続く糖尿病治療に寄り添う
糖尿病治療が専門と聞きしました。

一般内科も含めて全般的に診ていますが、私の専門は糖尿病内科です。同じく内分泌疾患も専門で、特に多い甲状腺疾患の相談も受けています。糖尿病の治療ではまず、暴飲暴食や運動不足などの生活習慣を変えていただかなければなりません。また、治療してすぐに治るわけではなく、長く通院が必要となる病気です。そのため、患者さんお一人お一人と丁寧に話をして治療方針などを説明し、納得していただくよう努めています。患者さんはもちろん、ご家族とも長いお付き合いになることが多いので、コミュニケーションも大切にしています。生活習慣病は継続的な通院が大切ですので、受診の期間が長く空いてしまわないよう、呼びかけていきたいですね。
受診の期間が空いてしまうとどんな問題がありますか?
きちんと内服はできているか、生活習慣が乱れていないかの管理が難しくなります。糖尿病の患者さんが数ヵ月ぶりに医療機関を受診すると、血糖値が上がってしまっていることもしばしばあります。血液検査は、今のその方の生活態度が数値として表れます。きちんと自分なりに健康管理をしているつもりでも、運動不足などで生活習慣が悪化している可能性もありますので、受診は継続していただきたいですね。
糖尿病の治療内容について教えてください。

糖尿病は高い血糖が持続することにより、血管に障害が生じてぼろぼろになってしまう病気なので、血糖値を下げるよう図ることが治療の基本です。生活習慣や食生活の改善、運動指導と併せて、血糖値を下げるための薬を活用します。糖尿病に関しては日進月歩で新しい薬が開発されて、特に血糖値を抑える目的のインスリン治療では新薬が次々に登場しています。しかし、患者さんは自分で注射をする抵抗感や、インスリン、すなわち糖尿病治療末期とイメージされがちなこともあり、使用したくないと後ろ向きな方がとても多いのです。糖尿病を専門とする医師の間では、できるだけインスリンを注射して、早く血糖値を下げていくよう促すことが良い治療とされていますが、丁寧に説明したとしても早期の段階で導入するのは患者さんから納得が得られにくいのが現状です。
そのほか、糖尿病の投薬治療について注意すべきことはありますか?
血糖値を下げるための薬や抗肥満薬といった、糖尿病治療に使われるべき薬が近年、美容目的の「やせ薬」として誤った使い方をされる例が増えています。これらの薬は本来、ある程度症状が進行した糖尿病の患者さんに使用が限られ、また運動と並行して筋肉の衰えを防ぎながら用いるためのものです。糖尿病でない方が美容目的で気軽に使用すると、著しく健康を害することが少なくありません。当院でも、糖尿病の治療で必要となった方以外への処方はしていませんし、適切に指導できる専門の医師のもと、正しく治療していただきたいと思います。
来院が困難な地域の患者を対象に訪問診療も実施
訪問診療もされているのですね。

もともと当院に来ていたけれど通院が難しくなってしまった患者さんを対象に、昼休みと診療後の時間を使い、ほぼ毎日訪問診療を行っています。糖尿病や認知症になった慢性疾患の方や、感染症のリスクも考慮して通院を控えたい方など、できる限り対応させていただいています。当院のエリア内は一人暮らしの高齢者も多く、診療だけでなく個人的な話を楽しみにされる方もいらっしゃいます。治療が根底にあるのはもちろんのこと、ひざを突き合わせ対面で話し相手になることも医療の一環と考えてご自宅に伺っています。ご年配の方が多いので時には緊急で対応することもあり、昼休みなどを利用して行っているため大変ではありますが、医師としてやると決めた以上は努力を惜しまず取り組んでいます。
小児科についても教えてください。
もともと近隣の学校の校医や園医をやっている関係で、子どもたちも診る機会が多いです。以前は保育園や学校が終わった時間帯になると、「熱が出ました」「昼から吐いてます」といった症状の子どもたちが次々と来て、患者数の2割くらいを小児が占めていました。子どもがクリニックにかかる主な理由は、インフルエンザを筆頭とした感染症なのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で子どもたちおよび周囲の環境での感染症対策がしっかり行われていたこともあってか、小児の患者数は少なくなっています。良いことなのですが、子どもたちの声が減ってしまったのは少し寂しく思います。「明日から学校だから治癒証明書ください!」って言われたりしたら、本当に私もうれしいですから。
病診連携にも取り組まれているそうですね。

当院は内科も全般的に診ていますが、内科は細分化されていて、症状によっては専門の医師にかかる必要が出てきます。そのため当院では導入部分を担当し、内視鏡やCTといった専門的な検査が必要になった時は、しかるべき病院を紹介しています。また、私の専門である糖尿病は循環器や消化器疾患と深く関わる疾患なので、がんや心筋梗塞の疑いがある場合は、病院の先生と連携しなければなりません。開業医として病診連携はとても大事なツールだと思っています。東京女子医科大学病院、JCHO東京山手メディカルセンター、国立国際医療研究センター、聖母病院など、周辺の病院との医療連携に取り組んでいます。
長く医療を提供するために信頼関係を築いていきたい
診察の際に心がけていることは何ですか?

糖尿病は長く続く病気ですから、信頼関係を築いて長く来院してもらうにはどうしたらいいかを常に考えています。一人ひとり置かれている立場や生活環境が違い、性格も異なります。長く来てくれる患者さんもいますが、音信不通になってしまう患者さんもいて、寂しく思うのと同時に、ほかの医療機関にきちんと通っていてくれればと心配になります。いかに患者さんと長く、できるだけいい関係でいられるかは今でも模索中です。病気の話ばかりだと暗くなるでしょうから、スポーツがお好きな方にはスポーツの話、芸能関係が好きならそういった話をして、明るい話題も取り入れています。もちろん早く診察を終えてほしい人もいるので、患者さんに合わせて臨機応変に対応しています。根底には患者さんと長く付き合い、できる限り信頼関係を築いていきたいという思いがあります。
医療の道に進み、糖尿病を専門とされたきっかけは?
父が内科の開業医でしたので、特に迷うことなく医学部に進み、医師になったというのが本音です。私が大学を卒業した頃、糖尿病は内科医の中でも人気がいまひとつな疾患だったんですよ。内科のメインは消化器と循環器で、私も当初は循環器が第一希望でしたが、所属していたクラブの先輩が糖尿病内科にいたことと、お世話になった先生の影響もあって糖尿病を専門にすることにしました。大学院卒業後はアメリカ留学を経て、勤務医として埼玉県の診療所をいくつか回りました。そこでは、医師不足で困っている地域での診療が多く、貴重な経験を積むことができました。そして2010年、私の出身地でもあるこの地に開業するに至ります。
読者へのメッセージをお願いします。

糖尿病に関して気になることがあればいつでもご相談ください。ご縁があったとすれば、気軽にお電話からでも対応したいと考えています。院内は感染症対策として空気清浄機を併用しつつ、窓やドアを開け換気を徹底していますので、安心してご来院ください。当院は入り口が一つしかなく患者さんを分けることができませんので、発熱がある方で薬の処方をご希望でしたら、ご家族の方に取りに来ていただいたり、ご近所であればポストに入れたりなど柔軟に対応できます。糖尿病の患者さんは薬を切らさないことが重要です。不安なことがあれば気軽にお電話でご連絡ください。

